[先行/遅行指標] ISM製造業景況指数
毎月の頭に公表される特大指標
ISM製造業景況指数は、毎月第1営業日に前月分の結果が公表される。内容は、アメリカの製造業(約400社)に対して業況についてのアンケートを聞いたものになる。各企業は質問に対し、①UP、②Flat、③DOWNの3つで回答し、それらの集計値ということ
アンケート内容
企業に聞かれる内容としては、
生産
新規受注
雇用
在庫
入荷遅延比率
受注残
価格
輸出受注
輸入
であり、①~⑤までが季節調整し、加重平均したものを景況指数としている。景況指数は0~100の間で公表され、50が平均値。即ち、50を上回れば景気が良く、下回れば景気が悪いと推測できる。そして、43を下回ると、GDP成長率が下回る水準値となり、まあまあネガティブな材料。41を下回ると完全に成長率はマイナスとなるので、スーパーネガティブで迷わずショートでOK
2020年5月1日に公表されたISMは41.5pointだったが、この時は予想値がそもそもめっちゃ悪く、36.9point予想だった為に少し下げた程度で終わった。ということで重要なのは、
この2つが重要になる。
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報道では数字のみだが・・
BloombergやTwitter等を見ると速報値が流れるが、上で載せた画像の様に数字によるポイントのみが報道される。投資家はとりあえずこの数字だけを見ていけばいい。
ただ、ISMに限ったことではないが、数字だけが良くても先ほど箇条書きした中身の部分が悪ければその効果は一時的であり、直ぐに値を戻すあるいは加速した動きに繋がってくる。つまり、より将来を見通すには速報道で報じられる数字だけではなく、中身もしっかりと見ていかなければならない。
例えば、市場予想よりも数字が高く、50を上回る数字が出ていたとしても、新規受注や受注残が減少し、在庫が増加していれば在庫調整圧力が高くなっている可能性を感じ、将来的にはマイナス方向に流れる可能性がある。
従って、ISMの数字だけで先物価格との連動性は見つけることは出来ない。中身まで見なければならない為だ。
先行指標と遅行指標が入り混じっている
更に、各項目には相性がある。生産と雇用は遅行指標だが、他は先行指標なので、この辺りを分離して考えないといけない。
ISMの影響度はデカい?
ISM製造業景況指数と先物市場の相関性を10年に渡って調べたデータがある。このデータによれば、市場予想を上回った場合は当日の先物の値は上昇し、市場予想を下回った場合は当日の先物の値は下落したのだ。それも高確率だった。
ただ前述通り、中身の内容によってはその後、戻す場面も多く、当日に限った話だと影響度は大きいとされる。また、他の経済指標に関連するところも多いことから単体では当日に影響を与えると見て良いが、中長期ではその他の指標や政治経済状況によって影響の大小は変動すると思っていいと思う。