夢なんかいらない

「夢なんかいらない」っていうと、「本当は夢が欲しいっ」て言ってるのとほぼ同義なんじゃないかと思ってしまうのは、コーチ仲間だけではないかもしれません(笑

でも、この「夢なんかいらない」ってのが、僕をへんな呪縛から解き放ってくれました。


ビジョン型 OR 価値観型

「あなたはビジョン型、それとも価値観型?」という問いかけがありますが、自分のことはずっと「ビジョン型」だと思っていました。

受験にせよ資格勉強にせよプロジェクトにしたって、期限を切って追いこめば結果でるよね、それが自分には向いているよねと思っていたので、それは「ビジョン型」人間なのだろうな、と思っていたのです。

だから、自分のコーチ像を描く時も同じように

コーチングスクールを卒業したら

○カ月以内にクライアントは○名
○年後にはこんなところに住んであんな生活をし
○○年後にはこんな分野であんな人にこんな発信をしている

とか思い描いたりしていました。

その時はワクワクするんです。でも頭に浮かんでくるのは毎回同じ内容で、またこれがでてきたか〜と醒めている自分もいました。


夢やビジョンはない。コーチングが楽しいだけ

そうこうしている間に、スクール卒業直後は燃え上っていた炎も、徐々に消えていく自分に気づいていました。

一方、コーチングの時間は相変わらず大好きでした。

セッションが始まる直前までは正直面倒に思っていることもあります。うまくいかなかったらどうしよう、なんで予定をいれてしまったんだろう、早くお酒がのみたい。。

でも、セッションが始まると楽しくてしょうがない。

初対面にも関わらず、その人の「想い」とか「願い」とか、それこそ「夢」を聞かせてもらえるって、なんて楽しいんだろう。

さらに、クライアントにとってより筋の良い人生の目的や、そこに向かうためのゴール設定がうまく出揃って、感謝されたなんて日には、こちらこそ感謝したくなる。そんな特別な時間でした。

ただ、この楽しいコーチングを続けていくための「ビジョン」が明確じゃない、ビジョンらしきものをたてても醒めてしまう、こんなんじゃ続けても将来に繋がらない。もちろんお金にもならない。そんな負のループが頭の中で繰り返されていました。

コーチ仲間との練習も大好きでした。

朝の5:30~6:30の勉強会を毎週続けている時期もありました。大晦日から三が日まで、お互いどうせ実家では暇だろうからとオンラインの早朝練習を続け、おつかれ~と終了してから、実家でお屠蘇を飲むみたいなこともありました。

IKKO的にいうと、自分でも「どんだけ〜」と思いながらも、0.01ポイントでもうまくなりたい、何より楽しい、40代半ばにして自主的にこんな時間をとろうとしている自分が嫌いではなかった、いや好きだった。

でも、やっぱり「ビジョン」が明確じゃないから、こんな活動を続けていても意味がないんじゃないか。所詮はクラブ活動、いつかみんな辞めてしまうだろうし。


自分へのダメ出し。やる気の減退。

そんなわけで、卒業して半年経った2023年11月には気持ちは停滞。100人コーチングの残り50名も、全くやる気が出ない状態になっていました。

そんな時、知り合いの経営者の方にコーチングをさせてもらう機会がありました。その人は1年前にもクライアント役を買ってでてくれていて、1年経ってどれくらい成長したか見てやろう、とまた肩を貸してくれたのです。

今回こそは絶対力になるぞ!と意気込んで向かったセルリアンタワー。ロビーで3時間も時間をとってくれたのに、コーチングは正直不発に終わりました。

20年以上コーチをつけており自分でも心理学の勉強をしているとのことで、その人自身の内省やセルフコーチングを超える時間にはできなかったのです。


コーチ・クライアント役 逆転

ロビーでの残り時間、コーチとクライアントの立場は入れ代わっていました。私の停滞している気持ちを伝え、夢が持てない、前に進めないことも伝えました。

その時、語り掛けてくれたのが

夢なんかいらなくね?

でした。

人気店10店舗以上の経営者なので、当然夢に溢れているものだと思っていたので驚きました。

続きはこうでした。

夢なんかいらない。「目的」を設定したら、それにそって「目標」をたてていけばいいだけ。そして目標は変わっていい。筋のいい目標を設定するために努力する。努力とは精神論ではなく方法論。

もう1つ教えてもらって、その時の自分の支えになったのがこちら。

1年目にタネを撒いたら花が咲くのは3年目
2年目に水をやり続けられるかが大切
目的に沿っていれば目標は変わっていい
周りと比べるのをやめて昨日の自分と比べる


良い問いが残るとクライアントはこうなる

彼と別れた僕は、スタバで3時間、自分と向き合っていました。


いままさにコーチング2年目。
コーチングで人に本気で向き合っている時間が”好き”だ。
ストレングスファインダーで出てきた資質は
「最上志向」
「ポジティブ」
「運命思考」
「成長促進」
「包含」
で、きっとこれは自分の”強み”や”価値観”。
コーチングは確かにこの”好き”と”強み”や”価値観”を活かせるあり方。
お金になるのか?
明確なビジョンは?
この自問自答に苦しんでいたけど、
「夢なんかいらない」
"目的"、つまり人生で味わいたい"価値観"が確認できたなら
それにそって"目標"をたてていけばいいだけ
そして目標"は変わっていい。
筋のいい目標を設定するために努力する
努力とは"精神論"ではなく"方法論"


これまでコーチ仲間からのセッションやセルフワークで自己定義してきたキーワードを、この日教えてもらったことを軸に筋道を立てて、自分の中に落とし込んでいきました。

それまで自分を呪縛していたものから解放されて

「好きなんだからやろう」
「やりたいんだからやっていいんだよ」
「とにかくうまくなりたい。それでいい」

に変わっていました。

そして、そこから約半年後の誕生日までに、コーチとして成長するための目標として100人コーチングを達成しよう、と決めることができました。

自分のやりたいことをやってもいいんだと、腹の底から自分にOKが出せた瞬間でした。

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