令和6年度 特別区教養試験 判断推理解説
No10 総当たり戦 引き分け
問題
A~Fの6チームが、サッカーの試合を総当たり戦で2回行った。今、2回の総当たり戦の結果について、次のア~エことが分かっているとき、確実にいえるのはどれか。
ア:各チームの引き分け数は、Aが5試合、Bが2試合、Cが3試合、Dが6試 合、Eが2試合、Fが4試合であった。
イ:各チームとも2チーム以上と引き分けた。
ウ:AはBと引き分けなかった。
エ:Dはすべてのチームと引き分けた。
1:Aは、C、D、Eと1試合ずつ引き分けた。
2:Bは、Cと少なくとも1試合引き分けた。
3:Cは、Fと少なくとも1試合引き分けた。
4:Dは、Fと2試合とも引き分けた。
5:FはAと少なくとも1試合引き分けた。
解説
この手の問題は、一つパターンを完成させて、選択肢を消していくと早いです。
Dについて、6回引き分けているので、表にまとめると、
ここで、A~Fの残りの引き分け数は、
A:4 △△△△
B:1 △
C:2 △△
D:1 △
E:1 △
F:3 △△△
この残りの引き分け数から、考えられるパターンを1つ考えます。
Aの2試合とCの2試合がともに引き分けとすると、残りは、
A:△△△△
B:△
C:△△
D:△
E:△
F:△△△
となります。
同様に、
Aの残り2試合とFの2試合
Fの残り1試合とEの1試合
Bの1試合とDの1試合
が引き分けたとしましょう。
表にすると以下の通りです。
この時点で、
1、2、3、4の選択肢が誤りとなるため、消去法で5が正解となります。
偶然試した1つ目のパターンで4つの選択肢が消えましたが、ほかのパターンから試しても、全部のパターンを書きだすよりは消去法が早いです。
No11 暗号
問題
ある暗号で、「緑色」が「Ⅳえ・Ⅲい・Ⅰお・Ⅰお・Ⅱう」、「赤色」が「Ⅲい・Ⅰお、Ⅱお」と表されるとき、同じ法則で「黒色」を表したのはどれか。
1:「Ⅱえ・Ⅳあ・Ⅰう・Ⅲい・Ⅰあ」
2:「Ⅲあ・Ⅲえ・Ⅱえ・Ⅰい・Ⅰお」
3:「Ⅳお・Ⅲい・Ⅰう・Ⅲあ・Ⅱう」
4:「Ⅳお・Ⅳう・Ⅴあ・Ⅰお」
5:「Ⅳお・Ⅳう・Ⅴお・Ⅲお・Ⅴう」
解説
暗号の問題は例を当てはめるところから始めましょう。
「緑色」が5個の暗号、「赤色」が3個の暗号で構成されていますが、ひらがなだと「あかいろ」を表すのに4個の暗号が必要となります。よってひらがなではありません。
次に英語に変換してみると、「緑色」→「green」、「赤色」→「red」となり、暗号の個数と一致します。次はこれを当てはめてみましょう。
g:Ⅳえ
r:Ⅲい
e:Ⅰお
e:Ⅰお
n:Ⅱう
r:Ⅲい
e:Ⅰお
d:Ⅱお
となります。ここで、暗号の法則を考察してみましょう。
隣り合っているdとeについて、
d:Ⅱお、e:Ⅰお、であることから次のように推測されます。
a:Ⅴお
b:Ⅳお
c:Ⅲお
d:Ⅱお
e:Ⅰお
数字部分が5個さかのぼっていることから、数字が5個さかのぼるとひらがな部分が1個さかのぼっていると推測すると、
a~e:お Ⅴ~Ⅰ
f~j:え Ⅴ~Ⅰ
K~o:う Ⅴ~Ⅰ
p~t:い Ⅴ~Ⅰ
u~y:あ Ⅴ~Ⅰ
z:?
となります。
この法則に当てはめると、「黒色」つまり「black」は、
b:Ⅳお
l:Ⅳう
a:Ⅴお
c:Ⅲお
k:Ⅴう
となり、5が正解となります。
No12 焼肉と寿司
問題
寿司屋か焼肉屋のどちらかに行きたいA~Eの5人がいる。今、意見の調整を次のア~ウの順に実施し、最終的に5人全員がすし屋に行く意見でまとまったとき、確実に言えるのはどれか。ただし、それぞれの意見の調整では、3回とも3人の中の意見の一致する2人の説得により、他の1人が意見を変えたものとする。
ア:1回目は、A、B、Cで実施した。
イ:2回目は、A、C、Dで実施した。
ウ:3回目は、B、D、Eで実施した。
1:調整前は、寿司屋に行きたいものが2人、焼き肉屋に行きたい者が3人であった。
2:調整前は、Bは焼き肉屋に行きたい意見を持っていた。
3:調整前は、Cは焼き肉屋に行きたい意見を持っていた。
4:調査の結果、Dは自分の意見を2回変えた。
5:Eの調整前の意見は、寿司屋であったか焼き肉屋であったかはわからない。
解説
これもNo10と同様にパターンと消去法でやっていきましょう。
最終的に寿司で一致するので表にまとめると下のようになります。
Eだけは1度しか話し合いに参加していないので、Eが最初焼肉だったと仮定すると、
3回目の結果は
B:す→す
D:す→す
E:や→す
ここで1回目と2回目でさらにパターンの分岐があるのですが、1、3回目に参加したBについて、Bが最初焼肉であったと仮定すると、
1回目の結果は
A:す→す
B:や→す
C:す→す
2回目の結果は
A:す→す
C:す→す
D:や→す
となり、表にまとめると以下の通りです。
この時点で、選択肢の3、4を消去することができます。
次に、残る選択肢1、2、5のうち、2を消去するため、Bが最初寿司であった場合を考えます。
これが成立すれば、2を消去することができます。
Bが最初寿司であった場合、Bは1回目、3回目ともに<す→す>となります。
この場合1回目のパターンとして
①
A:す→す
B:す→す
C:や→す
②
A:や→す
B:す→す
C:す→す
の2パターンが考えられますが、①のパターンを試してみましょう。
この場合、2回目は
A:す→す
C:す→す
D:や→す
3回目は
B:す→す
D:す→す
E:や→す
となり、Bが最初に寿司でも成立するため、2を消去することができます。
表にすると、以下の通りです。
この2つのパターンを試してみて、時間が無ければ、Eはどちらも最初は焼肉であり、寿司と焼肉の最初の人数はどちらもそれぞれ2人、3人であることから目星をつけて5を消去し1を選んで構わないと思います。
この先も同様にほかのいくつかのパターンを試すと5を消去することができます。
よって1が正解となります。
No13 3人の選挙
この問題には、不備があるため、厳密には正解がありませんが、一般的な解法を解説していきます。
問題
ある学校の生徒会役員の選挙が行われた。A、B、Cの3人の候補者のうち、生徒会役員を生徒全員の投票によって決定する。今、次のア~エのことが分かっているとき、確実に言えるのはどれか。
ア:生徒は、最大2人まで選んで投票することができた。
イ:生徒は、少なくとも1人に投票した。
ウ:A又はBに投票した生徒はCには投票しなかった。
エ:Bに投票しなかった生徒はCに投票した。
1:Aに投票しなかった生徒は、Bに投票した。
2:Aに投票しなかった生徒は、Cに投票した。
3:A及びBに投票した生徒はいなかった。
4:Aのみに投票した生徒がいた。
5:Bのみに投票した生徒がいた。
解説
この問題は、すべての投票パターンを書き出し、条件に矛盾するパターンを消去した後、選択肢と照らし合わせましょう。
まず、A、B、Cのうち、投票した者を大文字、投票しなかったもの小文字で表すと、
ABC、ABc、AbC、Abc、aBC、aBc、abC、abc
の8パターンが考えられます。表にまとめると以下の通りです。
条件と比較していくと、
アより、3人に投票した生徒はいないため、ABCは消去します。
イより、だれにも投票していない生徒はいないため、abcは消去します。
ウより、AとCの両方またはBとCの両方に投票した生徒はいないため、AbC、aBCは消去します。
エより、Bに投票せず、Cにも投票しなかった生徒はいないため、Abcは消去します。
表にすると、以下の通りです。(黄色のパターンが消去されます)
残りのパターンは、
ABc、aBc、abC
となるため、これらパターンを使って選択肢を検討していきます。
選択肢3、4は誤りです。
選択肢5は正解です。
しかし、選択肢1、2は確実とはいえないものの、可能性としては残るため、問題として不備があると思われます。
問題14 カードゲーム
問題
1~7の互いに異なる数字が1つ書かれた7枚のカードがある2組ある。A、Bの2人がこの組を1つずつ手札として以て、各自が手札からカードを1枚ずつ出し合い、出したカードの数字を比較して、数字の大きいカードを出したほうを勝ち、同じ場合は引き分けとするゲームを行う。今、このゲームを手札がなくなるまで行い、次のア~エのことが分かっているとき、確実にいえるのはどれか。ただし、一度出したカードは手札に戻さないものとする。
ア:Aが2回目に出したカードの数字は6であり、Bが最後に出したカードの数字は1であった。
イ:Aが奇数回目に出したカードの数字はすべて奇数であった。
ウ:Aは3回、Bは4回勝って、引き分けはなかった。
エ:Bが勝ったときのカードの数字の差はすべて1であった。
解説
この問題は表に整理して考えましょう。
アの条件を表にまとめると以下の通りです。
イの条件について、奇数回目と偶数回目の条件をまとめやすくするため、表を少し変えてみましょう。
また、Aは奇数回目に奇数のカードを出しているため、偶数回目には2か4のカードを出していることが分かります。表にまとめると以下の通りです。
ウより、引き分けがないことから、Aの7回目に1は入りません。
エより、Aが1を出したとき、Bは1点差で勝っていることから2を出したことが分かります。
また、Aが2を出したとき、Bが1を出すことはないため、Bは3を出して勝っています。
ウより、Bは4勝しており、勝ったときの点差は1であったことから、BはAが偶数を出した3回と、奇数を出したうちの1回に勝利していることが推測されます。
この時点で、Aの残りのカードは3と5と7、Bの残りのカードは4と6であるため、考えられるパターンは以下の1つのみです。
よって、正解は2となります。
No15 10個の駅と所要時間
問題
次の図のような10この駅からなり、両方向に電車を運行させている環状線がある。各駅とも、両隣の駅までの所要時間が2分又は3分であり、A駅から各駅までの所要時間を表のとおりとするとき、所要時間が最も短い経路として妥当なのはどれか。ただし、表の所要時間はより短い経路での時間を示したものであり、同一区間であれば、所要時間は両方向とも同じであるものとする。
1:B駅からI駅まで
2:D駅からE駅まで
3:D駅からJ駅まで
4:E駅からI駅まで
5:I駅からJ駅まで
解説
隣の駅までの所要時間が2分か3分なので、ここから推測していきます。
まず、Aの隣の駅はAからの所要時間が3分以下なのでCとGになります。
CとGの隣の駅はAから5分以内なのでEとIになります。
ここまでをまとめると以下の通りです。(CとG、IとEは順不同です)
Iの隣の駅はAから7分以内なのでD、Eの隣の駅はAから8分以内なのでJとなります。
さらに、Dの隣の駅はAから10分以内なのでF、Jの隣の駅はAから11分以内なのでBとなります。
残りのHについては、Aからの最短時間が12分であるため、FからHの所要時間が2分であり、BH間の所要時間は不明(2分または3分)です。
ここまで出来たら選択肢を検討していきましょう。最短時間を比較するため、BH間は仮に2分かかるとします。
(経由駅はこの図の通りの配置の場合です。)
1:BI間→H経由で10分、J経由で15分→最短で10分
2:DE間→I経由で12分、F経由で13分→最短で12分
3:DJ間→I経由で15分、F経由で10分→最短で10分
4:EI間→J経由で16分、G経由で9分→最短で9分
5:IJ間→C経由で12分、D経由で13分→最短で12分
よって4が正解となります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?