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背中を見て

 映画「ルックバック」のエンディング。「Light song」。物語のラストの展開で既に「!」なのに。さらに「!!!」なことに。  音楽 haruka ...  映画のタイトルさえ知らされず、なんの予備知識もなく映画館へ。夫に連れて行かれた。  この作品は全てのクリエイター(自称含む)にとっての聖書であり、「Light song」は讃美歌だ、と思った。  haruka ...の楽曲は先に配信で聴いていた。驚いた。このような物語と繋がっていたとは。  さて。遡って小

    • Lost Corner

      - amehurianpo -  私は何度も角を曲がってきた。  喪失してきた。  中2の息子が米津玄師の「ピースサイン」をダウンロードして欲しいとせがんだ。放映中のアニメ「僕らのヒーローアカデミア」の主題歌だった。  正直。私の好みじゃないなあと。息子の小遣いのツケでダウンロード。  なんとなく米津玄師の楽曲を聴いて「サンタマリア」に辿り着いた。彼のメジャーデビュー曲だ。MVも視聴。イラストは彼自身によるもの。あらま。驚いた。こんなにお若いのに、、、。  ハチの

      • がらくた待ち

        - amehurianpo -  誰かの背中に投げつけられたガラクタ。蹴散らして現れた原宿交差点。巨大化した米津玄師。ガラクタは羽となり羽ばたいた。ちょっと出かけてくるわ。アジア、欧州、米国。渡り鳥になったらしい。  新しいアルバム発売を前にボカロPのwowaka「アンノウンマザーグース」を聴いた。YouTubeチャンネルThe First Takeでヒトリエのメンバーがこの曲を歌っていたから。  あらためて歌詞に注目。米津玄師は度々彼のことを言及してきた。ボカロP時

        • 低気圧の過ごし方

           台風。気圧が低いと鬱々しくなるのは何も私だけではないはず。  何かが疼く。不穏な感情が湧き上がる。ああ。そうか。低気圧。  経済的な優劣で親である権利を奪われて5年。すぐ手元にあった愛息子の不在に心荒れた日々。あの子がお腹を蹴った感触から始まった母と子の喜怒哀楽。愛おしい思い出が全てなかったことに。私は骸になった。  息子の手を最後に握ったのはいつだろう。当たり前のように握られて握り返した日々。今、あの子は泣いているだろうか。笑っているだろうか。  台風が来ている。

        背中を見て

          米津玄師「毎日」が光る。

          ー amehurisanpo  ー  米津玄師ヴァージョンの「春と修羅」の一つとでもいうか。彼の若者特有の青臭さがなくなり、結実して、さらに熟成し、爽やかに軽く爆ぜている。彼が食した文学世界をよーく噛み砕いて反芻し消化し、栄養として心身に取り込んだ挙句、歌として、遊ぶように転がり、踊り跳ねてほとばしっている。その軽快さが耳に心地よい。  あまりに軽やかに、あっという間に歌い上げるものだから、うっかり聞き逃してしまうところだ。  「光ることがすべてならばこの世界はあまりに

          米津玄師「毎日」が光る。

          儀式

           ジブリ最新作「君たちはどう生きるか」。 エンディングが匂い立つ、米津玄師「地球儀」。  子供達は祝福されるべきだ。米津氏が「パプリカ」の楽曲制作で語っていた言葉が頭をよぎる。  世界は混沌としている。戦争は止まない。矛盾を抱えた社会は世界を分断し続ける。  一方で、1個体の、生まれて死ぬサイクルは同時多発的に無限に続く。  私が死んでも世界は 終わらない。  私が死んでも世界は 変わらない。  ならば。どう生きるか。  子供達は祝福されるべきだ。  地球が回る。命が