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私はアロマンティック・アセクシュアルです。

あるこです。20代、現在休学中の大学生です。

私はアロマンティック・アセクシュアル(当記事内では以下アセクシュアルに統一)女性です。ついでに、「女性」という自己紹介が必要なのかどうか疑問に感じる程度には、性別を気にしないシスジェンダーです。Xジェンダーと名乗るには少し女性に寄り過ぎている気がするので、一応ここではシスジェンダーとしておきます。

この記事を書くに至ったきっかけは、twitter上でとある漫画が話題になっていたこと(私自身は拝見していないので、意見を述べるのは控えます)と、私生活において、異性とのコミュニケーションに違和感を覚えたことです。そこで改めて「私はアセクシュアルなんだな」「アセクシュアルはまだまだ認知されていないんだな」と思うとともに、「世の中にはアセクシュアルの人達が思っていたよりも存在するんじゃないか?」という小さな希望を見出しました。そして、noteで自分のことを発信することで、私と同じように「アセクシュアルの人は少ないんだ」と不安に思われている方や、「アセクシュアルについて知りたいけれど、ネットの情報は専門的過ぎて分かりにくい」という方のためになれば、と思った次第です。

これからこのnoteに、私というアセクシュアルの人間の一つの考え方、生き方について、少しずつ書いていければと思っています。お時間のある時に、読んで頂ければ幸いです。


アセクシュアルの発見

私が自分をアセクシュアルであると認識したのは、高校生の時でした。

有難いことに人生で初めて告白され、その方とお付き合いを始めました。最初は告白されて嬉しい気持ちで舞い上がっていたのですが、一緒に過ごしていくうちに、私は彼のことを好きになれない、ということに気づかされていきました。手を繋ぐのも、キスをするのにも、何のトキメキもない。好きだと言われて好きだと返せない。告白された時はあんなに嬉しかったのに。

やがて私は、彼から向けられる好意を煙たく感じてしまい、距離を置くようになってしまいました。これらのことは彼に責任があるのではなく、私が自身のセクシュアリティを自覚しないまま、彼と付き合ってしまったことに問題があります。付き合って一年ほど経ったある日、SNS上で別れを切り出されました。今となっては、それすらも申し訳ないと感じています。私の方から離れていったのだから、私からちゃんとけじめをつけるべきだった。そう考えています。後悔の気持ちでいっぱいです。

ただ、彼との出来事は悪いことばかりではありませんでした。私がアセクシュアルだと自覚したのは、これがきっかけでした。人に恋愛感情を抱かない、人に性欲を抱かない。アセクシュアルという自分を発見したのです。


「出来ない」ではなく、恋愛感情が「無い」

アセクシュアルという言葉を知る前、私は自分のことを「恋愛が出来ない人間」だと思っていました。そして、恋愛が出来ないことを恥だと思っていました。親が幼い頃に離婚し、結婚や恋愛自体に希望を持てなくなっていたことも影響しているとは思いますが、今まで誰かと「付き合いたい」と思うことがありませんでした。誰のことも好きになれない、理想が高い、性格の悪い人間なのだ。そう思って、自分のことを必要以上に卑下していました。

上述した彼と曲がりなりにも恋愛のような経験をしてみて、私はやはり「恋愛が出来ない」のだと感じました。しかし、それは以前のようなマイナスな捉え方ではなく、「私は恋愛感情が無い人間なのだ」という気づきでした。

[恋愛感情 分からない]

アセクシュアルの方、もしかしたらそうではない方も、検索したことがあるのではないでしょうか。私は何度、この言葉で検索をかけたか分かりません。今、上記の言葉で検索をかけると、以下のような結果が出てきます。

スクリーンショット (5)

ご覧の通り、パッと見て「アセクシュアル」という単語は見当たりません。ページを少しスクロールすると……

スクリーンショット (6)

辛うじて回答を出してくれそうなサイトが出てきました。(私が調べていた頃にはこのサイトは出てきませんでした)

ちなみに[恋愛感情 ない]で検索すると、一発でアセクシュアルに辿りつくことができます。しかし、そもそも自分に恋愛感情がない、と初めから思っている人はそう多くないのではないでしょうか。個人的な意見ですが、最初は「誰も好きになったことがないけど、自分は恋愛が何か分かっていないだけかもしれない」という疑惑から始まるケースが多いのではないかと思っています。私もそのタイプでした。そこからどうやったのかは覚えていませんが、どうにかして「アセクシュアル」へと辿り着いたようです。そこに書かれていた内容を読んで、すごく納得しました。

「あ、私多分これなんだ」

恋愛感情が「無い」という性的指向。恋愛感情はあるけど恋愛が「出来ない」のではなく、そもそも恋愛を必要としていない人間なのだ、ということが分かって、ほんの少しだけ気持ちが軽くなりました。


恋愛しないのは「悪」なのか?

友人や親戚との雑談で、嫌というほど聞く話題。私にとってはそれが「恋愛」です。

「彼氏作らないの?」

「今好きな人いないの?」

「好きなタイプは?」

「結婚はしないの?」

念のためにお伝えしておくと、恋人がいるアセクシュアルの方もいますし、結婚したいと考えているアセクシュアルの方もいます。ただ、私にとってはこれらの質問が非常に答えにくいものである、ということです。不快になる、とまでは行きませんが、特に面白みもない返答になって会話が広がらないので、出来ればやめてほしいです。

結婚したい、恋愛したい。そう思うのは個人の自由です。だから、私は結婚や恋愛を否定したりはしませんし、わざわざ「結婚しないの?」と訊いたりもしません。それと同じように、アセクシュアルでない人達も、私達に必要以上のことを訊かないでほしい。結婚・恋愛はデリケートな話題、プライバシーです。相手との間柄を考えて、その質問をしてください。そして、「する予定はない」と答えても、それを否定しないでください。結婚しない、恋愛しないことは、決して悪いことではないのです。

二十数年生きていると、世の中の仕組みがいかに男女の恋愛・結婚を前提にして作られているかが分かってきました。多数に合わせた方が、世の中はスムーズに動く。それはそうだとして、そろそろ少数派のための制度や仕組みも導入していいのではないかと思います。そして、それと同時に世の中の価値観を変えていってほしい、そう願っています。

LGBTQ+という言葉が認知度を獲得しつつある昨今。恋愛をする自由があるのであれば、恋愛をしない自由も認められるはず。性的指向の一つとして、アセクシュアルがもっと認知されるようになっていけばいいと思います。


あるこ


今回は「恋愛感情」に焦点を置いて書きましたが、次書くときは「性欲」についても触れようと考えています。ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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