2022-010【迷う人】ラジオドラマ脚本1124
タイトル【カツ丼かけ蕎麦セットのキミ】
登場人物 青 ハナ(アオハナ)17歳 織 恵那(オリエナ)18歳
ハナ「お昼かあ?学食も飽きたよなあ」
エナ「おばちゃん、カツ丼かけ蕎麦セットね」
ハナ「あ〜、聞かなきゃよかった。迷宮にハマった感じ」
エナ「好きな人が毎日食べてるんだあ。願掛けってやつ」
ハナ「えっ?」
エナ「もう、タカシにも、言ったから…まぁ、いっか。僕、実はさあ…」
ハナ「えぇ〜、う、うっそ〜」
エナ「好きになってもらうためにカツ丼には、一味をかけて、お願いします」
ハナ「真っ赤だけど」
エナ「赤は、生命の色。僕の燃える情熱だよ」
ハナ「男の人は単純でいいな」
エナ「この辛さで、自分の迷いを吹き飛ばすんだあ」
ハナ「だめだ、タカオにLINEする!」
エナ「仲がいいなお前たち、血の繋がりのない兄妹なのに…やっぱ、だめか」
ハナ「返信来ないんだけど、バカあにき」
エナ「早くしないと、授業が始まるぞ」
ハナ「No Rain No Rainbow」
エナ「なに?それ」
ハナ「行動を起こさないと、何事も起きないということ」
エナ「無理に雨を降らせても、嫌われるだけだし」
ハナ「カツ丼かけ蕎麦セットのキミにコクらないと!迷うな!男子」
エナ「雨で別れ道が見えないだけ」
ハナ「あっ、忘れてた、なに食べようか?」
エナ「その笑顔、ずるいよな。あいつも迷うわけだ」
ハナ「なに、それ」
エナ「あっ、タカシ!」
ハナ「あ〜」
エナ「どちらかを選べなんて、到底無理なことだし、現実は残酷だな」
ハナ「タカシ、かけ蕎麦ちょうだい」
エナ「仲良く分け合うのが、ちょうどいいかも」
【完了】
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