テスラ モデル3とボルボXC60のADAS比較

先日、テスラ モデル3を降りて、ボルボXC60 Rechargeにしました。

その2台比較としてADAS、主にレベル2の「部分運転自動化」について記載します。
レベル2の「部分運転自動化」の呼び名としては、テスラはAP(AutoPilot)、ボルボはパイロット・アシストと読んでいる機能です。

[先に結論]
どっちが優れているとか無いです。
似たようなものです。どちらも高速で使う分には、十分な機能です。
もっと言えば、モデル3の前に乗っていた、メルセデスベンツCクラス(2017モデル)も似たようなものでした。

別の言い方をすれば「やっぱテスラは自動運転だよなー」というのは嘘です。
テスラのAPすげーという意見をちょくちょく見ますが、あれはイキってるだけか、新しい層が購入しているので、単に他社のADASを知らないだけです。
なのでテスラのAPが言うほど他社より優れているわけではないです。同じ価格帯で見れば、デカいOEMはどこも似たようなものです。
一方、テスラをdisるためにAPクソとかいうのも違うとは思います。まぁ世の中の極端な意見は大概間違っているということで。

[レーンキープ]
どっちもあまり変わりません。同じように普通の高速道路では走ります。
強いて言えば、XC60の方がセンターからちょい外れる(車線内ですけどね)シーンが多いような気がしますが、もしかしたら気のせいレベルか、後述するとおりステアリング操作を受け付けるので、意識しないうちに自分で力を入れすぎていた可能性もあります。
いずれにしても当たり前の速度で、当たり前の場所(高速、自動車専用道)で使う分には、大きな違いはありません。

ただ、思想の違いは明確でモデル3は「俺に操作させろ」という考えで、XC60は「あなたの操作優先ですよ」という思想です。

モデル3は、APの意に反するには、相応のトルクをかけてステアリングを回す必要があり、そうした瞬間にハンドルのアシストが(反発力が強いせいで、感覚としては唐突に)解除されますが、
XC60はそこまでの反発力はなく、ハンドルアシストが効いた状態のままでステアリング操作を優先します。
これは良し悪しというより「自動化がゴール」なのか「アシストをすべき」という考えなのかの違いなので、甲乙はつけられないです。
個人的には、多少ステアリングの手動操作の領域がある方が運転しやすく思いますが。

なお車側がステアリング操舵を諦める時は、モデル3は警告音もなりアラートを与えますが、XC60はハンドルがブルって、画面表示(HUDもあり)からステアリングマークがなくなるだけです。
ここも思想で前者は自動で動かしているから止める時は明確に知らせる、後者はあくまでアシストしているのだからということかなと。
個人的にはXC60は、もう少しアラートあげても良いかなと思います。

また興味深いのは、ステアリング操舵を諦める時やレーンキープを失敗しそうになる道路は、XC60はいつ走っても同じところで、同じように失敗しそうになりますが、モデル3は日によって変わる印象でした。モデル3は画像解析に頼る度合いが大きいため天候や時間帯によって違いがでる?のでしょうかね。

[速度調整]
XC60は5km/h単位で、テスラは1km/h単位でできます。
個人的には微妙な調整が好きなので1km/hずつの方が良いですが、まぁどっちでもというところでしょうか。

[車線変更]
モデル3はFSD、EAPつけていれば自動で車線変更します。結構スムーズにやってくれます。但し、動きがたるいと思う人もいるでしょう。
例えば高速走っている際に、合流する車が見えたので追い越し車線に移るというシーンでは、自動車線変更では間に合わないタイミングが多いです。

ボルボは自動車線変更機能はありません。但しウインカーを点けるとステアリングのアシストが切れるので、ステアリングだけ自分で軽くきって、レーン移ったらウインカー切れば、そこから自動でステアリングアシストに復帰してくれるようになりますので、十分に楽です。結構シームレスに操作できるので悪くないです。

[ファントムブレーキ]
テスラで度々話題になるファントムブレーキは、XC60ではありません。
ファントムブレーキは、結構危ないので、これはXC60の勝ち。

[近接センサー]
駐車時にお世話になる近接センサーですが、モデル3は障害物まであと何cmまで出るので有難いです。(ただ、これは今のやつはカメラベースになって、今は無くなって将来復活予定?)ギリを狙う必要があるときに、非常に重宝します。またBEVのアクセルのダイレクト感、リニア感のお陰で、少しだけ車を動かすという操作がやりやすいのも利点です。
ここはモデル3の方が好き。

XC60は、ぶつかるよーのアラートは、より早くまた慎重な判断をします。
ハンドルこっち向いていたら、軌道考えたら当たらないよ、という細かい判断はせずに、単に「近いですよー」とうるさくアラート音が鳴ります。
うちの駐車場は、もう止めてーの音が鳴り続けてやるしかないです。
また、このアラートは車外にいても結構聞こえます。注意を促す為にわざとかな?不明。夜中はちょっと気になるかも。

なおXC60は360度モニターがあります。これは便利。

[自動介入ブレーキ]
事故る!というようなことにどちらもなったことがないのですが、XC60はバック駐車時に自動介入ブレーキが2度ありました。
どちらも結構早めにかかります。
ただ、不快かというとそうでもなく、確かにアクセスの踏み具合を少し間違えたらダメというシーンではあったけど止むなくギリギリに寄せていた時だったので、反応は真っ当だと思いました。

[ブラインドスポットアシスト]
個人的にはミラーに出てくれる方が好きです。
モデル3の画面に出るのはカッコいいし、未来的ですが、現実あそこ見ながら運転しないです。

そんな感じでした。
まぁ、テスラも十分すごいけど、他社も十分やっとるよということでした。
もちろんFSDになったら評価は変わりうるとは思いますが。


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