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Netflix『マニフェスト』

 長かった。
 シーズン4、全62話。
 この程度の長さはアメリカのドラマとして稀ではなく特別に長い訳では無い。
 では、何が長かったのか。
 長かったと言えるのは、この結末が最初から用意されていて、そこまでの道のりも全て整えられていたとした場合の話だ。


 これが普通のテレビドラマだったら、取り敢えずシーズン1から始めて評判が良ければ次のシーズンという風に拡張していくのだと思う。そうなるとどうしても話に纏まりが無くなっていって、シーズンを重ねる毎に惰性感が強くなったり、何を目指しているのか分からなくなったりすることがある。

 このドラマもテレビから始まったもので、途中からNetflixに引き継がれたようだから、やはり惰性だったのかと思いきや、最初は6シーズンの計画で製作が進められていたものだったらしい。それが視聴率の低下で打ち切り、そしてNetflixで復活という経過を辿ったというから、やはり最終話の構想は最初から計画されていたものだったのだろう。

 そうなると、途中の視聴率低下は中だるみと言えなくもないだろうし、実際見ていてそう感じもした。だんだん訳の分からない世界に連れ込まれて、最終的に何だか分からないまま放り出されてしまうだろうなとの予感もしていた。

 ところがその予感は良い意味で裏切られたのだ。
 全ては最後のクライマックスに向けたものだった。
 正直、最終話の最後にこれほどの感動が待っているとは思っていなかった。
 考えさせられることが多いラストだった。
 そして、これまでの話を振り返りながら染み染みしてしまうラストシーンの数々。
 この種の感動はこれまで経験したことが無かった。

 飛行機の遭難事故をキッカケにした家族の物語、というのがこのドラマの大雑把な説明になるだろうか。
 ちょっとというか、かなりミステリアスな設定もあるが、それは結果的に許容範囲だ。
 奇怪なSFドラマと思い込んで途中で飽きて見るのをやめてしまうのだけはやめて欲しい。見るのが辛くなっても意地で見通して欲しい。そうで無ければあの結末に辿り着けないからだ。
 間違っても最終話を最初に見るなんてことはしてはならない。話を端折ったら感動は訪れないからだ。

 元々6シーズンのものを4シーズンに縮めてしまった為だろう、後半は飛ばし飛ばしのストーリーになってしまっているように思えたが、それはそれで今は受け入れられる。
 もちろん6シーズンからのラストシーンはもっと感動的になった可能性があるが、そこまで見る側の集中力が続かなかっただろうとも思える。

 見終わった今でも、登場人物、特に主役級の人たちは私の心に残像となって住み続けている。
 今はまるで充実した長い夢を見て目が覚めた時のような感覚だ。もうあのドラマの中にいられないという淋しさも拭い切れない。でもふと何処かで彼らに会えそうな気もしてくる。
 単なるハッピーエンドともまた違うこの結末を多くの人に見届けて欲しいと思う作品だった。

おわり

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