⑫ 日常生活における論証の発達段階3
日常生活における論証の構造に当てはめると 、論証の最初の段階は以下のようになります。
・ お父さんは遊んでくれる
・ お父さんはお小遣いをくれる
↓
お父さんは とてもやさしい
つなぎの段階は以下のようになります。
・Aさんは消しゴムを貸してくれた
・Aさんはノートをコピーしてくれた
↓
Aさんは優しいひとだ
↓
Aさんはお友達になりたい人だ
最終段階は以下のようになります。
・私はAKBのCDやグッズを買いまくっている
・私はAKBのコンサートに行きまくっている
↓
私はAKB48の大ファンである
↓ ・横山由依のこと
↓ ・高橋みなみのこと
↓ ↓
↓ ←←←← AKB48は人生を教えてくれる
↓
私はAKB48のファンであることを通して人生を学んでいる
(だから夢をあきらめないで努力をしていく)
いかがでしょうか。最終段階の構造は⑨で示した日常生活における論証の一般的な構造そのものであり、最初の段階とつなぎの段階は、その構造の一部であると言えるのです。
つまり、最初の段階では、以下のように日常生活における論証の一般的な構造の「データ」の部分のみを言っていることになります。この発達段階では抽象的に自分の意見を述べることはできません。目に見えている具体的なものから感想を言うことで精いっぱいとなります。
・ お父さんは遊んでくれる (根拠となる具体的な事実①)
・ お父さんはお小遣いをくれる(根拠となる具体的な事実②)
↓ *帰納
お父さんは とてもやさしい (判断・考察「データ」)
つなぎの段階は、「データ」から直接「主張」が導かれています。つまり「理由づけ」が省略されていることになります。
・Aさんは消しゴムを貸してくれた (根拠となる具体的な事実①)
・Aさんはノートをコピーしてくれた(根拠となる具体的な事実②)
↓ *帰納
Aさんは優しいひとだ(判断・考察「データ」)
↓ *演繹
Aさんはお友達になりたい人だ(「主張」)
なぜ「理由づけ」が省略されるのでしょうか。それは次の⑬で考えていくこととします。