陽気な私たちは横浜とドイツを歩く
ゴールデンウィーク前半、夫と一緒に久しぶりの遠出をした。行き先は横浜。
関東に出かけるなんていったいいつぶりだろうか。そもそも横浜に行ったことがあるのかないのか記憶がない。中華街には行ったことがあるのに、横浜だったのか神戸だったのか覚えていないのだ。なんと適当に歩んでき人生か。
比較的すいていた新幹線で2時間。普段大阪府内を車で移動するのにもすぐに1時間が経ってしまうのに、同じ時間でこんなに移動できるのって不思議すぎる。
おそらく初めて降り立った(ことにする)横浜は、電車が到着するときのメロディーも、道歩く人たちも心なしか品が良かった。港町ってそうなんだろうか。少しそわそわしながら待ち合わせ場所に向かう。
待ち合わせをする友人たちは、以前書いたnoteで登場した毎週オンラインゲームで一緒に遊んでいる同年代の仲間たち。関東で一緒に出る予定だった大会の抽選にはずれ予定が浮いてしまったが、せっかくなので会おうという話になったのだ。
あまり会ったことがないことからくるドギマギは初めの1時間くらいのこと、いつもボイスチャットで話す声と姿が一致すればすぐに慣れ、いつものとおりに会話をしながら中華街へ向かった。
突然に現れる門、賑やかな通り。お上品だった街並みがガラリと印象を変えてチャイナ一色に。門をくぐる前、「中華街は占いの店がいっぱいあるイメージ」と言っていた友人の言葉を怪しんでいたが、本当に手相のイラストがそこかしこで見られた。そして私は静かに確信していた。私、横浜に来たことないな。
食べ放題の中華料理店で食事を済ませ、消化を促すために山下公園まで歩くことになった。終始風が強く、この日2度目の港町ってそうなんだろうか。何度も呟いていたら、半分はビル風ですと友人に冷静に言われた。
遠くに見えるなぜか「トゥース」のポーズをとったガンダムや、花と緑を堪能して、胃袋を浄化。この日最大の目的地、赤レンガ倉庫へ歩を進めた。
この時点ですでに足が棒のようになりつつあったが、赤れんが倉庫が見えてくるとテンションアップ。ここでは4月28 日(金)から 5月7日(日)まで『ヨコハマフリューリングスフェスト2023』というドイツの春のお祭りにちなんだイベントが行われているのだ。
お酒にグルメに賑わうこのイベント、普段からお酒を飲みながらゲームに興じる私たちのオフ会にはまさにうってつけ。
横浜初心者の私が大阪で想像していた何倍も規模が大きく、装飾も凝っていてテンションが爆上がり。ビールも選びきれないほど種類があり、どれにしようか悩んでしまう。
フルーツなどの普段あまり飲めないビールや、ノンアルコールビールも充実していた。飲み比べができるセットもあって、少しずつ比べながら飲みたい私のような人にも嬉しい。
みんな思い思いのビールをゲットして念願の乾杯!会場はさすがにゴールデンウィークということで大賑わい。赤ら顔の大人たちが笑顔でビールやおいしいおつまみを楽しんでいる。
お酒があまり飲めない夫は最初の1杯だけビールを選び、あとはアイスがついたメロンクリームソーダを嬉しそうに飲み、それはそれですごくおいしそうだった。
時間になると楽器を持ったおじさんたちがステージに立ち、陽気な演奏が始まる。盛り上がってくると誰からともなく席を立って、知らない隣人と腕を組み音楽に揺られて踊り始めた。まさに春を祝うお祭りを思わせる、爽やかで幸せに満ちたイベントだ。
すっかり日が暮れるまで飲んで話して歌い笑い、大きな満足感に包まれながら会場を後にした。
もう正直このあたりでは酔っ払っていて、横浜に詳しい友人の進むままにヘラヘラついて歩いていたが、景色はちゃっかり撮影。
いやブレブレやんけ!女の子の友人の同棲した彼との馴れ初めを聞きながら、360°エモい街を歩く。おしゃれだよ横浜。ちょっとやそっとのくだらない話も補正してくれそうな力を感じる。
前々日くらいに読んだ雑誌で野毛の飲み屋街がイイというのを読んでいて、「野毛って知ってる?」という言葉に食い気味に「行ってみたいと思ってた!」と言った私に気を遣ってくれたのか、いつのまにか野毛にたどり着いた。
お酒を飲むとみんな気持ちが若返っていくのだろうか。乾杯とともに懐かしの星を作り撮影。これいつ流行ってたんだっけ。
このお店がまたお刺身やしそのお酒など、どれもおいしかった。器も九谷焼のような絵付けのお皿が使われていて、きれいだった思い出。
終電いっぱいまで遊びまわるなんて、いったいいつからしていないだろう。久しぶりがたくさんの1日だった。会ったことは数回しかない長い付き合いの友人たちとまた会おうと約束して別れ、ホテルでは気づけば意識喪失。
翌日スマホを確認したらこの日、約20,000歩も歩いていた。ちなみにその前の日は2,000歩。10倍はすごい。
なお、その翌日も17,000歩歩き、さすがに足をいじめすぎたと帰宅して速攻銭湯で労った。ここまでくると、この旅をひとことで言い表すには、いっぱい歩いた旅ということになってしまうな。
また行こう、おしゃれな街ヨコハマ。