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焼肉の和民報道で思ったこと

先日、取引先との話題は「焼肉の和民」の話。和民は以前から居酒屋事業の不振に苦慮し「ミライザカ」という和民のイメージを消すような業態転換を進めてきていたが、それでも居酒屋ではあるので根本問題として居酒屋という業態の寿命については解決できなかった。「村さ来」や「つぼ八」から始まった総合居酒屋は和民や白木屋といったブランドで飲食店舗の一ジャンルを占めた時代が続いた。総合居酒屋は繁華街にあり、会社帰りに仲間で楽しむという、そんなコンセプトで成功したが、昨今は百貨店が専門店に取って変わられていくように、総合居酒屋も専門店に変わっていく過程にあった。そんな時のコロナ渦は総合居酒屋の「会社帰り」というシュチュエーションそのものを破壊したため、和民も決心したのだろう。総合居酒屋という場を提供する業態から焼肉という動機があって来店する業態に転換することは色々な意味で変化が必要だ。居酒屋より少ない来店頻度や、ロースターやダクトなどの重設備投資と排煙問題など、居酒屋の時とは違った問題が待ち受けている。一方で一からある程度の規模で展開するため、店内設備の機械化には力を入れているようだ。ぱっと見たところ、当面の競争相手は牛角あたりになるのだろうか。焼肉は地域性も強いので、これから入り込むのは、難しさもあるだろう。市場を大きく失った飲食業は大きな変革期に差し掛かっていて、単にウーバーイーツを利用したり、持ち帰りを強化しても失った売り上げは元には戻らない。どこが残るか、椅子取りゲームの結果は2021年には判るだろう。

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