無言の愛
あの子は出会ってすぐの頃はたくさんの愛の言葉をくれた
今はあまり言ってくれなくなった
会いたい
好き
そういった愛する人から言われるととにかく嬉しい言葉を言ってくれないのだ
そうなってくると当然不安になる
心配になる
そして問うようになる
もう気持ちはないのか?
会いたくないのか?と
するとあの子は激怒するのだ
何とも難しい
そう、あの子は難しいのだ
恋愛というものを経験するようになって
おおよそ20数年
今までに出会ったことのないタイプの子なのだ
まさかこの歳になってこのような経験をするとは…と今でも思う
しかしこれは後悔ではない
愛していることには変わらない
話は戻るが、なぜ言ってくれないのか?と聞いても
それすら教えてくれない
好き?と聞いても、うんとしか言わず
会いたい?と聞いても、うんとしか言わず
自分が聞きたいのはその単語なのだ
しかし返ってくるのは、うんという返事だけ
前々回?の投稿にも書いてあるが、自分は過去の経験で女性不審を味わっている
いまだに拭えていない
そのトラウマが、また浮気されるんじゃないのか?と警鐘を鳴らす
もう気持ちがないから言ってくれないんじゃないのか?
すでに別の男がいるんじゃないのか?と
これは憶測だが、おそらく本当にそのような相手はいない
なぜならあの子は嘘が下手くそなのだ
何かを隠しているとすぐに気付けてしまう
こちらは地方
あの子は都内
東京を本州の中心とするならばほぼ本州半分の距離が離れている
この距離があっても何かを隠しているということがわかるレベルで下手くそなのだ
なぜその下手な隠し事をするのか疑問に思い色々考えた
どうやらあの子は自分に少しでも嫌な思いをさせたくないのだ
たとえば別の誰かと花火を見に行くとしよう
その誰かが女友達であっても隠す
なぜか?
距離のせいでなかなか会えないため一緒に行けないのはしょうがないが、おそらくその話をすると自分が行きたがって残念がるからだ
別の例えで言えば
仕事仲間の演奏かなにかの公演があったとしよう
その仲間が男性であった場合、やはり隠す
自分とは別の男性の公演のためにわざわざ夜に出かける
この行為がまた自分を傷つけるか不審がらせるんじゃないか?
あの子自身が疑われるんじゃないか?
と、思うからだ
全て憶測だがほぼ間違いない
あの子は一途なんだ
この投稿を書きながら再確認した
もしかしたら自分がどうにもならないお人好しで、また過去と同じ結果をもたらす前兆かもしれない
でもあの子は何か違う
違和感を感じたのは、自分が都内に行くとき必ずしっかり時間を作ってくれるという行為だ
もし仮に別の男性がいるのであれば嘘をついてでも予定が入ってることにすればいいのに…
というより、そもそも別れを切り出せば早い話だ
でもそれはしてこないし、いつもしっかり時間を作ってくれる
結論としては、おそらく感情の文章化や単純に説明が下手なのと億劫なのだ
あの子からしたら、
会うための時間を作ったり、
愛し合ったり
言葉ではなくそういう行動や態度で感じてくれということなのだろう
好きでもない人とキスはできない
と過去にあの子は言った
好きでもない人と身体を合わせれない
とも
仮にとか、おそらくとか、
当然真実はあの子にしかわからない
何とも難しい愛情表現だ
しかし、その一つ一つが愛のこもった行動なのだとしたら
その無言の愛がとにかく愛しく感じられる
果たして自分は
とんでもないお人好しなのか
とんでもない幸せ者なのか…
結果、前者だったとしても悔いはない
後者であることを信じて今日もあの子を想うことにする