「俗に言う二六演習場の悲劇」
※少しグロテスク、救いがない
谷水春声さんには「青空に手を伸ばした」で始まり、「そっと目を閉じた」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば2ツイート(280字程度)でお願いします。
#書き出しと終わり
https://shindanmaker.com/801664
青空に手を伸ばした。
コレハ訓練デハナイ。コレハ訓練デハナイ。
そんなことは分かっていると、繰り返す自動音声に怒鳴りつけたくなる。訓練であればこんな怪我を負うことはない。
左右に響く爆音で鼓膜が破れていないのが不思議な程だ。
自分が狙われているのだろうなと、悠長に思う。
だとすれば心臓を外しすぎだし、利き手以外の手足がもがれた者を執拗に標的にし続けるとは、全自動爆撃機も随分とサディスティックだ。
それとも他の生命体は既に滅していて、自分にしか生体反応がないのだろうか。
ならばもう、どうでもいいか。
せめて朋輩たちが、痛みを感じずに済んだことを願いながらそっと目を閉じた。
(280字)