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「雨を知った日のこと」
谷水春声さんには「今日も空が青い」で始まり、「そっと笑いかけた」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば2ツイート(280字)以内でお願いします。
#書き出しと終わり
https://shindanmaker.com/801664
今日も空が青い、昨日もそうだったから、明日も変わらないだろうと根拠のない確信を抱いていた。雨や曇りなどというものは絵本の中にはあったが、どこか異世界の出来事だと認識していた。
白い床に白い壁の部屋で、天井の色だけが緩やかに変化している。活動中はいつも青色だった。橙になればご飯が出され、食べ終えると天井は徐々に紫じみてきて、藍になり、黒くなった。そうすると就寝である。
そんな規則正しい生活をぶち壊されたことを、今では感謝している。
「助けに来たよ、被験体」
ブルドーザーで白い壁を突き破ってきたお姉さんはこちらを見ると予想もしていなかった位繊細に、そっと笑いかけた。
(280字)