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会計ルール変更のニュースから思考が広がった話
サラリーマンのとき仕事で決算書を扱うことがあって、その流れで会計の勉強をしてました。会計は、自分にしては珍しく、触れ始めてから興味が湧いてきました。そして最近、時間ができたのでまた会計の勉強をしているところです。簿記2級頑張りたい。。。
2021年4月から始まる決算期から、「収益認識に関する会計基準」が適用されるようです。売上に関するルール(「いつ」「どのように」決算書に計上するか)が今までは業種によってバラバラだったところを、統一するという感じです。いくつか変更点があるのですが、ここでは僕の目を引いたその中の一つをご紹介します。
販売奨励金やリベートは、原価や販管費に含めず売上から差し引く
原則なので、もちろん例外もあると思います。
販売奨励金やリベートは、自社の商品をより多く販売してもらうために、メーカーや商社などが販売店に払うインセンティブみたいなものです。
基本的に商品は、メーカー→商社→販売店→消費者というルートを辿ります。僕は以前、上の流れでいう商社で働いていたので、販売店に対して販売奨励金やリベートを使いながら、取引の拡大に取り組んでいました。
例えば、「1000万円以上販売してくれたら、売上高の0.5%をリベートとして支払います」という感じです。
こういった感じで定期的に販売奨励金・リベートを払い出すのですが、以前はこれが原価や販管費として扱われていました。つまり、売上を上げて、手元に残った自分の取り分(=粗利とします)から更にリベートが出ていくイメージです。上の例を使うと、以下のような感じです。
【変更前】
売上 高:100万円
粗 利:10万円
リベート:5000円(粗利からマイナス)
↓
最終的に粗利は9.5万円/利益率9.5%
何が言いたいかというと、リベートを払うと利益率が下がるということです。そして、ルールが変更されて、リベートが売上から差し引かれた場合、逆に利益率が上がることになりますよね!!
【変更後】
売上 高:100万円
粗 利:10万円
リベート:5000円(売上からマイナス)
↓
売上 高:99.5万円
粗 利:10万円/利益率10.05%
日経新聞の記載によると、変更の理由は『販売奨励金やリベートは値引き原資の側面が強いため、値引きとみなして売り上げから差し引く』とされていますが、効率化を求める社会の流れに対応する変化のようにも思えます。
↓今回紹介した元ネタ
世の中では働き方改革やRPAの導入が進められ、企業の投資判断には利益率や資本効率のほうが売上規模よりも重視されているように思えます(当たり前か)。そんな感じで社会では効率化が追い求められているのを感じます。
思考が広がっていった
基本的に立法って(今回は法律ではないですが)、必要に迫られてから行われる場合が多いですよね。最近では、著作権法の改正(2021年1月施行)で、すべての著作権侵害コンテンツのダウンロードが違法となりました。もともとは音楽や映像のみが対象でしたが、海賊版漫画サイト「漫画村」などの影響により、対象が広がったようです。
変化の激しい社会で、色々な事件や問題が次から次へと出てくるので、柔軟に立法・法改正しながら対応していくことは、社会が回ることに必要不可欠だと思います。しかし、立法する側から先に動いて、社会の流れを作り出すことも可能なのでは?と思います。流れを作りたい方向に、立法する。もしくはこれから作りたい流れを妨げるであろう規制をなくす。最近では、風力発電に関する環境アセスメントを緩和する方針を環境省が出してました。
風力発電は「これから拡大させたい」ものなので、こういった規制緩和は、立法側が先に動いているポジティブな印象を受けました。
書きながら、「なんでこんな偉そうな立場からものを言っているんだ...」と思ってしまいましたが、立法や法改正を、場当たり的な措置なのか、流れを作り出そうとしている一手なのか、という視点で見てみると、結構面白いです。みなさんもこのフィルターを使ってみてください。
おまけ
キングダムという漫画で、名前は忘れましたが、法律家みたいな人が出てきて、格言を吐きます。
「法律とはなにか」という問いに対して、「法とは願いだ」と答えます。人々がこうあって欲しいという社会に対する願いが法の本質だと言っています。このシーンをみて以来、僕の中でキングダムの格付けがめちゃめちゃ上がりました。スラムダンクのほうが好きだけど。
なんか大学のレポートとかこんな漢字で書けばよかったんじゃない?って今になって思うな(笑)
読んで頂きありがとうございました。