渡り廊下の祈り(病棟の七夕)

昨日は七夕 一日遅れですが、七夕の記事を再掲します。

2013年7月、私が急な病で入院していた時の出来事です。
入院時の思いのままに、原文そのまま投稿しています(虎猫)。

私が入院しているのは大きな大学病院です。病棟が道路をまたいで建っており、その間を透明なガラスで覆われた渡り廊下がつないでいます。

七夕を控えて、その渡り廊下に幾本もの笹がおかれました。朝顔の可憐な造花もいくつも置かれています。
笹の葉の周囲には短冊と筆記用具があります。一言の願いを短冊に託して、笹の葉に飾るようにと書かれていました。

私は早速こんな短冊を書きました。
「病の回復、世の平和を  虎猫」

次の日の朝 短冊が次々と増えていきます。
患者さん、ご家族、お見舞客、医師・看護師さんなどが一言の願いを託しておられます。
(お名前はすべて匿名にしています)

「ボゥズが早く治りますように」
「家族とともにおだやかに過ごせますように」
「○○ちゃんの病が治りますように!」
「入院はこれが最後になりますように」

「辛いこともありますが、支えあって生きていけますように。」
「明るく生きていれば 幸せは必ず訪れます。」
「ナースの皆さま。いつもありがとう。感謝☆」
「お父さんの具合が早くよくなりますように。家族の健康を願います。」
「ガン消えた!!明日退院です!!感謝!!」

病院には産婦人科病棟があります。
お母様お父様ご家族の短冊もたくさんありました。
「元気に赤ちゃんが生まれてきますように」
「○○(お子さんの名前)が元気に育ちますように」
「検査の結果が良いものでありますように。
早産でも元気な赤ちゃんが生まれますように。」

毛色の変わったところでこんなのも。
「大好きな彼氏ができますように♥」
「美人になりたい」

看護師さんたちの短冊です。
「入院中の患者さんたちが一日も早く回復なさいますように。」
「患者さんが早く元気になりますように。13H Nrs」(ナース・ステーション一同の短冊でしょうか)

次々に増えていく短冊を見て「自分にはできることがある。」と思い起こしました。
病室に引き返し、スケッチブックを持って戻りました。
幾枚か失敗して、ようやく1枚描くことができました。
ひと言を添えました。
「祈る願いは様々 祈る心はひとつ」


そして7月7日
朝、渡り廊下に行ってみたところ、短冊が払底していました。
パソコンプリンタで、30枚ばかり作成して、置いておきました。
夕方、短冊はあと数枚残っているだけでした。さらに30枚ほど作って置いておきました。
その短冊も、次の日の午後には半分も残っていませんでした。


【病に立ち向かう】このタグの記事の一覧です。結構たくさん書いてきました。

虎猫(東京カベナント教会会員 玉上信明)


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