今こそ新型コロナに立ち向かう(19)官庁のシステム開発運営・不祥事対応は独立組織を設けよ。
基本的な疑問です。
大企業ならばシステムの開発運営は、専門のセクションが設置されます。
どの事業部のシステムであれ、事業部だけで勝手に開発運営することは許されず、専門セクションが必ず介在します。
なぜ各省庁のシステム開発運営を統括するセクションが存在しないのか。
同様の疑問は不祥事発生時の対応にも見られます。
大企業ならば、内部監査やコンプライアンス等の組織が、どの部署の不祥事であれ、積極的に介入し、対応していきます。
なぜ各省庁の不祥事を統括してチェックする仕組みができていないのか。
それこそ会計検査院の機能を拡充して、会計に限らず、各省庁の不祥事対応に乗り出すことができないのか。
組織論として、我国の官庁は、おかしな姿になっているとしか思えません。
「まず厚労省に調べさせます。」等というのは、民間企業の感覚では信じられません。不祥事を起こした官庁が、自らの問題について客観的的確な調査などできるはずがないのです。
厚労省には前科があります。
毎月勤労統計の不正調査問題での「厚生労働省の特別監察委員会」です。
今回の問題は、国民の生命に直結する問題です。
厚労省の身内の調査、それも一目見て何の役にも立たない提言をしてお茶を濁してるだけです。
まず直ちに外部第三者委員会を、厚労省から完全に切り離して設置すべきです。
さらに、少なくとも、厚労省に関わるシステム開発に関しては、厚労省の手から切り離すべきです。
そして今後、各省庁のシステム開発運営、不祥事対応については、各省庁から切り離した独立組織で対応することを明確にすべきです。
コロナ騒ぎが落ち着いてから等といっていれば、ゾンビ官庁が息を吹き返します。
今ともかく「各省庁のシステム開発運営、不祥事対応については、各省庁から切り離した独立組織で対応すること」を国会で決議してしまうのです。
1.日経新聞4月17日朝刊第5面
COCOA無責任の連鎖 行政デジタル改革に教訓
不具合報告書 多重委託、厚労省に専門知識なく
「COCOAは単純そうに見えて、技術的には高度なアプリだ。不具合の原因も、米アップル製のスマホiPhoneとグーグルのアンドロイド端末の間の数値設定の微妙な差異による。
東京大の川原圭博教授は『行政経験しかない職員が高度な判断をするのは無理だ』と断言する。」
「日本から3カ月遅れて同様のアプリを導入した英国は、ダウンロード数が2月に2100万件を超え、人口の3分の1ほどに達した。2月9日にはアラン・チューリング研究所とオックスフォード大学が「60万件の感染を予防できた可能性がある」との検証結果を政府と公表した。」
「日本はこうした検証の入り口にすら立てていない。アプリのダウンロード数は3月末で人口のほぼ4分の1の2653万件。肝心の陽性登録数は1万2千件にとどまる。信頼の失墜も大きい。」
2.厚生労働省ホームページ
報告書概要より抜粋します。
【評価】
(2)業務体制等
① 厚生労働省の体制等について
○ COCOA の開発や運用保守を引き受ける上で必要となる体制強化について、幹部職員を含めて、十分な状況把握及び対応がなされていなかったと考えられる。
アプリの開発・運用保守は不具合の検証・修正を継続的に行っていくことが通常である点を踏まえれば、組織としてノウハウを蓄積する観点から人員体制が講じられるべきであった。
○ また、意思決定等は数名の職員に集中し、専門性が高いことも相まって、幹部を含めて他の職員によるチェックが働きにくい状態であった。CIO補佐官の配置も含め、専門的判断を行うことができる人員が不足していた点も指摘せざるを得ない。
【再発防止策】
(2)業務体制・関係者の連携体制等について
○ 「思い込み」の発生を防止するため、関係者間のより継続的かつ明確なコミュニケーションをより緊密に行っていくこと、事業者側のプロジェクトマネジメントの機能強化や、厚生労働省側における開発・運用保守を委託した立場として全体の進捗管理や優先順位付けの見直し等を行うための体制・機能強化を講じていくことが必要。
3.(参考)毎月勤労統計の不正調査問題での「厚生労働省の特別監察委員会」
4.(参考)COCOA騒動:なぜ、日本政府が作るソフトウェアは使えないモノばかりなのか?
(タイトルで「今こそ新型コロナに立ち向かう(19)」としているのは、私の別のブログで毎日のように書き溜めてきたものをnote でも公開することとしたためです。私の別ブログのバックナンバーは次をご覧ください。
【記事の一例】
(2)うがいの効果は科学的に証明されてきていた!
(4)厚労省大宴会があっても、私たちは宴会を自粛し、大声を我慢する。
(6)菅総理の架空の演説
(8)コロナ渦こそチャンス②新しい発見のきっかけ
(11)マスク会食は単なる愚行
(14)テレワークを躊躇する余裕はない。医療ひっ迫の本当の原因は?
(16)さらば厚労省
銅鑼猫
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