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フッ軽を求めて渋谷に引っ越す(3年ぶり2回目)

みなさん、引っ越ししてますか?自分はこのたび、なんとなく物件探しをして、会社から徒歩圏内の場所にいい場所が見つかったので、中途半端な時期にも関わらずほぼ勢いで引っ越すことにしました——と書くとめちゃくちゃフッ軽に見えるかもしれません。実際にはこの行間に大きな迷いがありました。

フルリモートで働くこともできるのに、わざわざ地価の上がる都心に向かっていく、ともすれば時代にもライフステージにも逆行しているこの動きに自分自身いくつも疑問が湧く中、なぜ引っ越そうと思ったのか。今回はそんな話を書いてみたいと思います。

TL;DR

  • 睡眠やプライベートの時間を犠牲にすることなくフッ軽に動ける状態を日常にしたい

  • むっちゃ迷ったけど、自分に合わせて環境を変えるチャレンジに注力する期間にする

  • ご飯や飲み会のお誘い歓迎です!!

そもそものきっかけ

昨年の暮れ、妻と一緒に長年付き合いのある友人の家で飲み会をしました。その際に、その友人カップルと大きい家をシェアして住むと面白いのでは、と話が浮上し大変盛り上がりました。実際のところ乗り気だったのは自分よりも、上京以来ルームシェア・シェアハウスを渡り歩いてきた妻の方でしたが、自分自身も、変な人(褒め言葉)が集まり続ける友人の家によく世話になっていた経験もあり、なんか色々面白そうだなと思い、実際に物件探しを始めました。

その後、友人のインフラ屋兼不動産関係者(変な人)にも協力してもらいつつ、年始から積極的にあれこれ探してみるも、なかなか条件の合う物件は見つからず、見つかって審査まで行ったものの一足遅くて敗れてしまうなど、仕方がない、気長に探すか、という状況がしばらく続いていました。

自分自身の状況の変化

その傍ら、今年に入って会社における自分の役割に変化がありました。自身の役割として、プロダクトについて、特に未来について具体化することに集中する、いろんな現場を知ったり人の話を聞く動きの重要性が高まっていました。シンプルに、もっといろんな人と会っていく必要があるという感覚です。

以前からなんとなく自分の中にある考えとして、東京という「特異点」にいることを活かした動きをしていきたいという思いがあります。その背景には、学生の頃に地方から東京に来た時に強く感じた「こんなに多様な人が集まる環境は特別だ」という感覚があり、せっかくこれだけ機会に恵まれている環境なのだから、もっとカンファレンスや勉強会、飲み会、会食、いろんな機会に飛び込んで行きたいと思っていました。そもそも自分自身が誘いを断らない性質で、そういう環境が好きという自覚があります。

そんなことを常々思いながら、特にここ何年かはコロナ禍を鑑みてもあまり積極的とはいえない状況でした。大きな理由として、夜遅くまでの活動がしづらくなったことがあります。昨年、特発性過眠症と診断されたこともあり、日常的な睡眠時間の確保は自分の中で重要な関心事になっています。今の環境では、業務後にあるイベントに参加すると、12時前に就寝するということはかなり難易度が高く、また帰る時間を気にしながら落ち着かない、睡眠時間が削れることになんとなく罪悪感を持ち続ける、というのも微妙でした。

また、今年に入ってから対面でのミーティングの機会が週2で入ったことを皮切りにほとんど毎日通勤するようになり、移動に掛かる時間的なコストをだいぶ意識するようになりました。ドアツードアで40分、帰りは通過待ちや乗り継ぎもあり大体10分は増える状況で、ほぼ満員の電車の中で周囲を気にしながら操作も困難なスマホを持って生産的な何かができる気はしません。短く見積もって毎日1.5時間、一日の勤務時間の2割弱、月に24時間以上の時間、何かストレスに囲まれるよりはもっと別のことに使いたいと思いました。

コロナ禍と結婚を挟んだこともあり、うやむやになっていましたが、飲み会の誘いに前向きでありながらも、睡眠時間や混雑する帰路を毎回天秤に掛けている自分は、かつて渋谷に住んでいたころと比べるとだいぶブレーキが掛かっているといえます。

意思決定にもフッ軽さが足りない

さて、話は物件探しに戻ります。シェアに向けた物件を探しているある日、妻が渋谷近辺のよさそうな物件をInstagramで見つけました。たまたまそれが知り合いの不動産屋のアカウントだったのを契機に、やりとりをしながら渋谷付近の物件もなんとなく探し始めました。何件か実際に内見もしていく中で、よさそうな物件が出てきました。予算は少し超えていましたが、諸々申し分なく、一旦申し込みを入れることにしました。しかし、自分はそこからだいぶ悩んでしまうことになりました。

自分達にとってこの物件は本当に適切なんだろうか、もともとの家賃予算を超えている、むしろ今の家と別に安いワンルームを借りるみたいな手もあるのでは、現居の契約更新して半年というタイミングも微妙だし、いまの家や周辺環境もとてもよく、好きなお店もあり、離れるのも名残惜しい。そもそも友人と一緒に住む話どうするの……などなど、次々出てくる課題にうーん、と頭を悩ますこと数日。

そんな話をいつもの英語のコーチに話したら、それ君のいつものパターンというか、決めた後でsecond-guessしてるよね、むっちゃエネルギーの無駄だからタイムフレームを決めてしまって、楽しみきって、1年後に奥さんと振り返りなよ、と的確すぎるツッコミをもらうことができ、また無意識に慎重さの資質を遺憾なく発揮してしまったか……という気づきが得られました。

そもそも何がやりたかったのかというと、仕事もプライベートもいろんな機会を得ていきたい、その機会を最大化したいということでした。自分の行動を変えるために、それを後押しする環境に身を置きたい。自分は意外なところから新しい何かを見出していくことが楽しいし、元々の友人とのシェアハウスの話にも、新たな機会の生まれる場を求めていた側面があります。

現在に視点を向けると、今はとにかくそれをやりたいと思って、やれる環境にあるわけです。気軽に引っ越せるのは、持ち家じゃなくて賃貸であることの利点。妻も乗り気だし、まだ子供もいない。大体のことは、持ち前の適応性の高さでなんとかなる。そして基本がここまで慎重だと、そもそもそんなに派手な転び方もしません。

その上で、最終的にそれをやるということがいい意思決定だったのかどうかは、やって経験してみないとわからないことです。やることを決めたら、本質を楽しむことだけを考え、残りは忘れて振り返りは後からやる。あんまり事前の計画や目標に重きを置かない自分にとっては、人生においてもそんなプロトタイピングに近いことを重ねていくのが最終的に良い結果に繋がっていく。試行錯誤を回せるように、自分を後押しする環境に身を置いて、フッ軽さを身につけていく、そういうことをやる期間を持ちたいと思い、最終的に引っ越しを決意したのでした。

フッ軽になるために、フッ軽に引っ越す

ということで、引っ越しは来週です。諸々手配は進めながら、引っ越し業者が置いていったダンボールはまだ新品のままで、足元なんにも準備できておりません。今週末は最後の週末だというのに既に両日イベントが入っています。はてさて、どうなることやら。

何はともあれ、飲み会やご飯のお誘い歓迎です!

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