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週末Deep Work合宿というのをやってみた
ゴールデンウィーク直前ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今月も最終営業日に滑り込んでいきます。
ここまでチームの話が続いてきたので、今回は会社から離れて、ここ最近の自分の話を書きたいと思います。
皆さんは自分の現在や未来について深く考える時間、持ててますか?
自分はもう何年も概ね「平日は仕事、週末にプライベートと休息」という形で生活しており、一度「ちゃんと振り返りや未来を考える時間も確保しよう」と毎週末に繰り返し予定を入れてみたものの、なかなか定着できずにやめたことがあります。
例えば、「自分や生産性を高めたりアウトプットを最大化するのに、現状を振り返ったりこの先について考えたりしながら、どういうことをやっていくのか」を見いだすことは、今後何をするにもめちゃくちゃ大事そうです。こういう内容を、普段ぼんやり考えることはあれどガッツリ考えて結論を出すのは日常的にはできていませんでした。
そんな中、週末に小旅行して考える時間作るといいよ、という話をいつもの先生にオススメされたので、4月も下旬になった先週末に実践してみました。
缶詰めになる週末を作る
週末の小旅行の話の時に一緒に薦められた本があったので、実際に買って読んでみました。
本の中では、我らが計算機科学の大先生であるDonald Knuth教授も集中力を確保するために1990年1月1日からメールアドレスを手放しているという逸話をはじめとして、大事なことに集中できるように、その考え方や時間を確保するための戦略が書かれています。文化の違いか、全体的にちょっと「SNSやインターネットから自分を切り離せ」って話の比重が大きすぎる印象はありますが、それを差し引いても生産性を高めるのに役立つアイディアが得られて良い本でした。絶版になってて電子版もなくちょっと買いにくいのが難点。
この戦略の一つに「どこかに“缶詰め”になる」という話がありました。有名な小説家J・K・ローリングも、執筆が捗らずに環境を変えようと思い立ってホテルにチェックインし、調子よかったのでそのまま滞在したことで「ハリーポッターと死の秘宝」を書き上げることができた、とにかく短期間でも閉じこもることは価値を生むぞ、という話でした。
という話をざっくり奥様に話してみたところ、「めっちゃええやん!私もやりたい作業あるし」とうことになり、その場でNotionに要件をヒアリングしつつまとめてシュッと条件に合いそうな宿を見つけてくれました。仕事ができすぎる。
さすがにハリーポッターの作者が滞在した5つ星スイートとはいかないけど、作業できるスペースがあって、夕食が付いてて、一泊なのに30時間滞在ができるというよいプランを見つけてくれました。
という流れで、同じ東京都内で電車で行けるところに週末わざわざ泊まりに行くという体験をしてきました。
やってみた
ホテルには土曜日の15時チェックイン。15:30からライブラリーラウンジでワークを始めました。MacBookのネットワークは切断して、オフライン状態のNotionにひたすら箇条書きを続けていきます。
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何を考えるかは事前に決めていなかったので、まずはその検討から始めました。気がつくと最初の1時間で「やりたいこと」「やるべきこと」「感じている課題感」「最近の自分の行動の振り返り」あたりの列挙ができて、この先考えることのテーマが決まりました。この時点で2,600字ぐらいのアウトプット。この1時間は感覚としてあっという間でした。
コーヒーを取りに行きつつ5分程休憩し、また1時間ぐらいのワーク。最初の1時間よりも思考は深まる一方で、集中力がちょっと落ちてきたなと感じ、その後休憩を挟んで更に30分ほどやるも、眠くなってしまい完全に集中力が切れてしまいました。思考を避けて目の前の安直な答えに飛びつきがちになってきていたので、一旦そこまでの流れを簡単にまとめて終了。
というわけで1日目は約2時間半のワーク。ちょっと短く見えるものの、本には「人間が極度の集中を保てるのは熟達者でも1日4時間が限度」と書かれており、しかも普段使う頭と違うところを使ってるので、初回はこんなものかなという感触でした。
その後は、夕食と散歩。夕食はプランに含まれていたのでホテルでいただいたのですが、めっちゃ美味しかったです。散歩も普段この時間にこの辺は歩かないので違う景色が見れて良い刺激になりました。本には脳を休めるのも大事と書いてあったので、後はワークは何もせず、休みを満喫しました。
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2日目は少し早めに動いて、散歩がてらオシャレなベーカリーに入って朝ご飯。
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その後ホテルに戻り、再びワーク。ただ少しコンディションが悪くて1時間半程度はしっかり集中できたものの、それ以上は集中力が続かなかったので、昨日の内容を振り返りながら整理して、最後にまとめて終了。
結果的に2日間で 2.5 時間 + 1.5 時間の合計 4 時間の集中した思考の時間を保つことができました。
出た成果
短いながらも実質4時間という時間の中で、ここ直近感じていた課題感の根本を見つけることができました。また自分が直近目指したい状態と、今後の自分自身がやる次の行動と、その思考に繋がる軸をいくつか見つけることができました。
またこの議論の道筋で、直近モヤモヤとしてた部分を一通り洗い出して並べて考えることができたので、思考がクリアになり、気分的にもだいぶスッキリすることができました。
2日間あったというのも良くて、初日に考えたことを時間を置いてから改めて見直すことで得られることも多々ありました。本にも「休息時間が洞察力を高める」と書いてあり、これは実際の体感とも合致します。
また普段と違う環境で、散歩やゆっくり朝ご飯を取れたのも良い刺激で気分転換になり、休日としても充実した週末になりました。
普段できてないことができた感想
今回この週末合宿をやってみて一番実感したのは、この深度の思考は普段できてないな、ということでした。しかも、目の前の日常とは別のことについて集中して考えるのはその機会自体がなかったなと思います。日常から切り離した思考をするために、敢えて場所を変えて、時間を確保することはとても効果的でした。
自分の集中できる時間に限界があって、それ以上に長く時間を取ることの効率の悪さを体感で理解できたのも、よかったことの一つです。深い思考は1回に連続2時間が限界だということが分かりました。コード書いたりブログ書いたりする時は、深い思考以外に読みやすくするための表現の手直しのような「浅い」思考が入るのでもう少し頑張れますが、全ての感覚を一点に保つような集中は1回2時間、1日に2回が限度だなと感じました。
なんだかんだインターネットから切断されるのも大事でした。検索キーワードが思いつくと無意識にブラウザを開きがちな体質なので、コンテキストスイッチを発生させることなく思考を続けるにはそもそもネットに繋がらない状況にしておくのは有効でした。
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作業場所はライブラリースペースで開けた場所で、本当は個室がよかったんですが、そもそも昼間だと人も2〜3組ぐらいしかいなかったのと、いい感じのBGMに加えロビーの自然な流水音があったので、話し声にも引っ張られることなく十分集中できました。イヤフォン持って行ってたけど結局使うことはありませんでした。
なお、本では「わざわざ金銭を投入してやっている」という点も集中する気分を奮い立たせるための後押しになるって話があったんですが、そこは自分にとってはあんまり意識するポイントにはならなかったです。場所と時間を確保していることの方がよっぽど重要な感じでした。
おわりに
というわけで週末合宿をやってみたのですが、大変体験がよかったので、今後も月1で継続してやっていくことにしました。
本には缶詰めになる以外にも日常的なルーティンとして入れていく手法がいくつか書かれているので、今後も取り入れられるものは取り入れてやっていこうと思います。
普段考えなきゃいけないんだけど手が付けられてないな、という思いを抱えている方にはオススメです。思い切って場所を変えて集中してみると凄く捗るので、このゴールデンウィークにまだ予定のない方は是非お試しください。
今回は実際に考えたテーマや内容については触れなかったんですが、折を見てご紹介できればと思います。
ではでは、今月はそんな感じで。