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シャットアウトの星

シャットアウトの星、を彼は持っている。
テレビで見た占い師さんの本に、そう書いてあった。気分が乗らなくなると、急にコミュニケーションをシャットアウトしがち、なのだそうだ。
それなら、仕方ない、と、妙に納得した。
彼、つまり私の大好きな先生(ここでの勝手な呼称。学究肌で、ある分野の専門家、私の職場恋愛、そして不倫相手……いや、W不倫だったことがわかった人)から、ここ10日間ほどまったく連絡がない。
職場が一緒なのだから、特に問題はないのだが、目も合わせないし、必要最低限しか話もしない。
つまり、ケンカしたのだ。

先々週、私の担当の中で、ちょっとした、でも今後の展開を決定するような節目の会議を開いた。同じ職場関係の者だけでなく、外部の方々、いわゆる地域の役職のついた人たちも招いているので、私はともかく、上司や中間管理職である先生にとっては、気合の入った仕事だった。
実動してるのは、もちろん私なのだが、外向けの交渉は上司たち。日々の業務があり、会議の準備をお願いした私も悪かったのだが、そこで些細な、でも私にとっては眉を顰めてしまうことがあった。

先生が、会議の参加者の名札を作っていたのだが、それが間違っていたのだ。

詳しく書けないのだが、会議のもともとのメンバーと、実際の参加者が違っていて、それについては私の担当だったので、もちろんわかっていた。
そして、上司にも、人数そのものが、つまり席数も変わってくるので、そのことは相談していた。
ただ、先生には伝えてなかった、
いや、渡していた資料の数が違っていたのだから、いつもの先生なら、おかしい、と気づくはずだ、と私は思った。

名札も何を思ったのか、その私の担当の数人しかなく、そこだけ間違っていたので、
今日来られる方と違うんです、
名札、外してください、
と、お願いした。

それに対して、先生は怒っているに違いない。

この記事を読んでくださる方々にとっては、
そんな些細なことで!?子どもなの??
と、思われるかもしれない。
もしくは、
たしかに、年下の部下から(しかも不倫相手の)、そんな命令口調で言われたら、イヤかも……
と思われる方もいらっしゃるかもしれない。

しかし、それが先生なのだ。
そして私も、仕事については、我慢ができないし、時間や心の余裕がないほど、誰であろうと強い口調で迫ってしまう。

先生の「シャットアウト」した状態は、3年弱しか一緒に働いていないが、すでに数回、経験済みだ。
しかも、毎回ちょっとしたこと……もちろんそれは私基準なのだが、私からの「攻撃(ほとんどの場合、口撃)」に対する、過剰な防衛反応ともいえる、だんまり状態になる。

しかしながら、このnoteを書き始めてから、未だこのシャットアウト状態はなかったはずなので、半年近くは無事に過ごせていたのね、と、逆に驚いた。
そのくらい、先生のご機嫌を損ねることも、実は多い。
私も若手には、ある意味甘い、というかやんわり対応できるのだが、年長者……というより、立場が上の者に対しては、言いたいことを言ってしまうクセがある。
特に先生については、いろいろ心配りがあると言えばあるのだが、この名札の件のように、やり過ぎてしまう傾向がある。私の管轄の中でなければ、そして無害であれば、
またまた〜、やり過ぎですよ〜、○○さん(先生のこと)
と、ツッコんで終わるのだが、今回のように実害が出る場合は容赦しない。当然だ、仕事なんだから。

まあ、いいや、こんなことで仲が悪くなるのなら、それもまた仕方がないことだ。お互いこの年齢まで、この性格でやってきたのに、今さら改善できる可能性は低い。しかも、こんな諍い、これまでに何回もあった。それも踏まえて関係を進めてきたのではないか。それでダメなら、それまでだ。

と、数々の失恋をこなしてきて、しかも子育ても経て、人間的に成長したからか、それとも、もう恋愛でいろいろと策を練るだけの体力がないからか、もう諦めの境地である。
縁がなければ、そこまでだし、私一人が努力しても、どうしようもないことは、ある。

まあ、振り返ってみれば、このnoteに書くってことは、十分未練があることの証なのだろうが。

と、思いを巡らせ、自分の努力で取り組める、ランニングを終えたころ、先生からのLINEがあった。
まるで連絡が途絶えていたことなど、なかったかのような文面だった。

おお、先生も成長している、今までなら機嫌を直すのに1ヶ月以上かかっていたのが、こんなに早く、しかも自分から連絡ができるなんて!
と、少し感動した。

というわけで、この不倫はもう少し継続できそうです。
今回はいつもよりも、本当に大したことない独り言でした。

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