体育祭にて。
長男の体育祭を見に行く。
弟たちは祖父母とともに、テントの中、私は長男のベストショットを撮影するべく、単独行動する。
時計を見ると、もうすぐ11時。ああ、先生は今頃、喪主として忙しくしているのだろう、と青空の下、ここから車で約4時間の、見たこともない地方都市の葬儀場に思いを馳せる。
先生のご尊父様の死を聞いてから、人知れず、まさに人に知られてはならないのであるが、追悼の気持ちでいっぱいだった。出会ったこともないままにこの世を去られたわけであるが、先生の話に寄ると、すでに婚約者がいた女性を愛し、見事結婚に至った男性。そしてその息子が自分です、と教えてもらった。
お父様に伝えたい。あなたの息子さんも、あなたと同じように、いや、あなた以上に情熱的に人妻を愛し、その人妻はあなたの息子さんの存在によって只今別居状態です、と。
長男が入場してきた。リレーの1走を走る。あんなに小さかったあの子が、特に走ることを得意とした幼少期ではなかったのに、急に背が伸びたこともあって、走力が伸びた。その自信によって陸上部に入り、充実した中学生活を送っている。
そんな彼も私の葬式では、喪主を務めるのだろうか。三兄弟で力を合わせて、なんとか乗り切ってほしいな、と躍動する体育祭には、些か不似合いなことまで想像した。
その前に私も、両親の葬儀では喪主を務めるだろう。そのときに私の隣でサポートしてくれるのは誰だろう。
少なくとも、夫ではないはずだ。