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LIVE!〜立見の感想、そして反省〜

日記です。
去年の今頃だったか、先生(博識、研究肌、同じ職場の上司、仲良し)から、
来年12月のLIVEが当たりました。また先行販売してるので、申し込んでくださいよ、
と情報をもらった。

ややこしい書き方だが、つまりは、
先生は2023年12月のLIVEにチケットがとれたので、同じアーティストが好きな私に申込みしませんか、と連絡がきた。

そこから、早速チケットを申し込むのだが、
プレリザーブ2次→落選、
(多分プレリザーブ1次で先生は当たったのだろう)
オフィシャル先行→落選、
チケット取扱店先行→落選、
オフィシャル先行→落選……
ここまできたら、縁がないとしか考えようがなく、

先生、ダメです。やっぱり紅白出たからか、全然チケットとれません。
と、あきらめのLINEを送っていた。

しかし、10月の最終先行で、見事、当選した。
立見席だったのだが、もちろん満足。どうせLIVEが始まれば、立ちっぱなしだからだ。

さて、このLIVEに行けるかどうかとは別に、私は夫と別居し、先生との仲は深まっていった。といっても、誓って言うが、本当に別居するまでは言葉のやりとりのみ、指一本触れてはいない。
しかし、世の中の「どこからが浮気?」みたいなアンケート結果をみていると、言葉のやりとりだけでも浮気だ、と考える人もいれば、いわゆる肉体関係を持ってから、と言う人もいる。
結局、先生と出会ってから、この世の中の浮気ラインを行ったり来たり、むかし体力測定でやっていた反復横跳びみたいな状態である。そして今も最終ラインだと言われる状況には到っていない(いくら2人きりでも、職場でそんなことできますか。いや、無理です、私には)。

だから、LIVEの日、帰りにどこか寄れたらいいですね、という2人の約束は、かなりの期待と予感を含ませたものになっていた。

先生から
お子さん達には何時に帰るって言ってるんですか?
と訊ねられた。
LIVEで順番に退場する指示が出て、最後になっってしまったら、おそらく終電で帰る、場合によっては次の日の朝になるかも……と、話してます。もちろん子どもたちは、大丈夫だよ!と言ってもらってます、
じゃあぜひ、帰りは一緒に。行きは、さすがにリスクが高いので。

そんなやりとりがあったにも関わらず、LIVEには行きも帰りも、私1人だった。
先生の妻が待つ自宅の、地域の村用……消防団に出なければならない、という理由で、LIVEに行けなくなったのだ。

LIVE前日まで仕事の締切に追われていたので、かなり当日になってもテンションが上がらず、出発ギリギリまでダラダラしていた。どういう準備をすればいいのかを考える気力もなかった……出発30分前までは。

到着時刻から換算して、我が家を出るべき時刻の30分前に飛び起きて、単独行になった私に必要なものを用意した。
服装、冬場であるが都会はここより暖かい、会場となればさらに、だ。しかし深夜のわが町の無人駅から駐車場までが寒い。となると。タートルネックにフリース、そしてストールを巻いた。
持ち物、まずは長男の大きな、でも軽い通学用のリュックを借りる。携帯電話の充電を無闇に減らさないように、電車で読める本を入れる。食べられるかどうかわからないが、おにぎりを2つ、そしてお茶、エコバッグ。うまくグッズ販売に間に合えば、帰りはかなりの荷物になるはずだ。

結局、乗りたい電車に間に合わず、その次の電車を待っていると、先生からLINEが入る。
もうそろそろ出発されるころかな?いや、まだ早いか……
と、いつものように、絶妙なタイミングで連絡が入る。喋りたい気持ちは山々だが、ここは充電優先で返信はスタンプのみ。
会場最寄駅までに乗り換える一番大きな駅は、在来線の電車トラブルの影響を受けていた。学生時代に慣れ親しんだ駅のホームはいつも混雑しているが、当時の記憶が甦るように、人波をすり抜けて歩いていく。
乗り換えたホームは、先ほどの電車トラブルの影響をさらに受けて混雑し、私の目指すLIVE会場に向かう人々の存在がわかるようになっていた。

会場に着いたのは、開演50分前。ここで会場入りせず、グッズ販売の矢印を目指す。
若者に囲まれながら、何を買おうか悩む。わが家の三兄弟に色違いで買えるものは、どうやらアーティスト名の入ったタオルだけ、あとは先生ご所望のステッカーセット、自分用にツアーTシャツ、そして先生にも別のツアーTシャツ。
結構な量になったが、さすが長男の通学リュック、日本のアウトドアブランドのものだが、収納力が素晴らしい。さっきまで背中で薄くへたっていたリュックは、重さはさほどではないが、その形をはっきりさせていた。

会場入りしたのは、結局開演15分前。もうすでにスタンドの一番高いところの通路は、私と同じチケットを持った人々が2列で立ち並んでいた。

これだけは後悔した。
そうか、立見なんだから、番号なんて関係ない。入った人から好きなところに行けばいいのだ。
身長156cmでは、この時間からでは、どこに立っても太刀打ちできない。まあでも、とにかく最後列で好き勝手音楽楽しめればいいのだ。
会場は案の定、暖かかったので、フリースを脱いで、ツアーTシャツを着る。
もうあとは、人と人の隙間からアーティストを見られればいい。大きなモニターもなく、どちらかといえば顔をはっきり見せるタイプではないので、音楽と、彼の発する言葉で十分楽しめた。

もうステージが終わりそう、という頃、会場のスタッフさんがそっと近づいてきて、
これどうぞ、
と、銀色のアーティストの名前が印字されたテープを手渡された。
スタンドもアリーナも、そして立見も同じ額のチケット料金だ。
でも、いいよ。ここでたくさんのファンの皆さんと一緒になって、楽しめることがいいんだから。この場でなければ、20代の若者たちが叫んだり、歌ったり、喋ったりするのを近くで見ることもない。私と同年代の女性グループが、アーティストについて語るおしゃべりを聴くこともない。
田舎に住んでいる私にとっては、すべて新鮮。
この時間、この場所のすべてが含まれた料金なのだから、そんなに高くは感じなかった。

アンコールもなく、退場も自由だったので、いち早く会場をあとにし、帰路に着いた。

帰りの電車で先生に連絡をとる。
今日はごめんなさい、この埋め合わせは年末に、
とは言われたものの、妻帯者な上、非常に用心深い先生の言葉はあまり信用できない。
期待せずに、その機会をお待ちしてます、
とは送らないが、
現実はこんなものだ、
と半ば諦めの境地で、夕食に持ってきていたおにぎりを食べた。

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