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地球戦隊ファイブマン配信応援企画「ファイブマン配信応援します!」第1話「五兄弟戦士」感想

はじめに

 そんなわけで予告の通り地球戦隊ファイブマンの感想を第1話から書き始めていきたいと思う。他の作品ではYoutubeへのリンク付きツイートをUPしていたが、下手ながら絵がそこそこ描けるようになったのと、熱量が大きすぎて短文にまとまらないのとで、noteにイラスト付き感想を書くことにした。
 ちなみに配信応援企画の名前は地球戦隊ファイブマンという直球どストレートなネーミングに相応しいものをと思い、あえて直球の名前にした。本当は「ファイブマンはいいぞ」って名前にしようかと思ったが、すでにタグで使われていてごっちゃになりそうなので、なるべく使われてない名前にした。

ドラクエ4を連想させる悲劇

 この地球戦隊ファイブマン第1話であるが、冒頭にて20年前の話が綴られている。過去に滅んだシドン星をよみがえらせようと、シドン星人の生き残りであるイーヤ・トーヤとともに、星川家族がシドンの花を咲かせるシーンから始まる。記念撮影した直後、銀帝軍ゾーンにより襲撃され、イーヤ・トーヤは殺され、星川夫妻は自らを犠牲にして五人の子どもとサポートロボ・アーサーG6をマグマベースで他の星へ逃がし、親子離ればなれになってしまう。

シドン星人 (2)

 まずこの冒頭では宇宙人とはいえ子どもが真っ先に殺されるシーンがとにかくハードということを改めて感じた。時は1990年。連続幼女誘拐殺人事件や暴力・怪人のグロテスク描写への新聞投書など、特撮・アニメなどオタク文化への風当たりが強くなり、メタルヒーローシリーズは従来の怪人を倒すヒーローものから犯罪者を逮捕し災害から人々を救う救急警察路線へシフトすることになる。
 そんな中、地球戦隊ファイブマンは従来のヒーロー路線を貫いている。いや従来のヒーローもの、実写版仮面ライダーや電子戦隊デンジマンみたいに怪奇を売りにしたものでも怪人が子どもを殺害することはほぼ稀だった。強いて言えばコンドールマンで少女が毒により死亡したり、漫画版仮面ライダーの最終回で公害により少年が死亡したりしたことぐらいである。しかし本作では時期的に(今だったらBPO経由で叩かれて放送終了に追い込まれるレベルなぐらい)禁忌であろう少年少女の殺害シーンを挟むあたり、
 「時代がどうあろうが本当に倒されるべき悪をしっかり描写すべき
 というスタッフの皆さんの意気込みを感じた。この試みは本作だけで終わりかと思いきや、次回作の鳥人戦隊ジェットマンでは同じく何の罪もない、しかも宇宙人ではなく人間の少年がジャグチジゲンの蛇口により殺害されており、ますますエスカレートしている感がある。
 さらに子どもを逃がし親子が別離、両親の生存が絶望的である展開は本作の中でも屈指のハードさを誇っており、同期の桜であるドラゴンクエスト4の第五章の冒頭を連想させるものだった(ほぼ同時期発表なためどちらが真似したとかいうわけではなく)。どうにか脱出した子ども達が悲しむ中、アーサーG6から記念写真が出力される悲しさは、長石演出の真骨頂だと思う。
 そして20年後の現在、ニュータウン小学校で教師になった五人の前に再び銀帝軍ゾーンが出現し、小学校をはじめ街を爆撃するあたり、追いオリーブならぬ追いシリアスという感触があった。

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戦隊特撮史における最大のターニングポイント!

 でもってBパートは銀帝軍ゾーンの爆撃シーンと、ゾーンの爆撃機であるバルゴールと謎の3機のマシンによる戦闘シーンが中心となるわけだが、戦闘シーンの特撮がダイナミックであり、初見のときには衝撃的だった。
 それもそのはず、特撮監督が特撮研究所創始者である矢島信男さんから、ターボレンジャーまで特撮シーンの美術を担当なさっていた現・特撮研究所代表の佛田洋さんに交代したことが要因として大きいと考えている。
 ファイブマン放送前に雑誌・宇宙船にて特撮監督交代については知っていたが、特撮監督の役割がわからなかったためほとんど期待していなかった。そんな中、矢島演出の良さを継承しつつ、戦闘機や巨大車両が三次元的にグリグリ動く佛田演出に、本放送当時は夢中になったし、その味は30年後の今でも色あせないと思っている。
 ネットにて「当時の戦隊のライバル番組だったトランスフォーマーシリーズが一旦終わり、戦隊は安泰だと思っているスタッフがファイブマンの頃にはいた」とか語られているが、プロデューサーなどの上層部は放送時間変更による視聴率低下に危機を感じ、段階的な改革としてまずは本作で佛田監督を登板させ(同期の桜である特警ウインスペクターは矢島監督続投)、次回作であるジェットマンにて曽田脚本・長石演出から井上脚本・雨宮演出へ交代したのではないかと推測している。
 あとファイブマンの専用マシンが3機しかなく、これまた「トランスフォーマーに勝ったから舐めプしたのではないか」という説がネット上で唱えられているようだが、佛田監督の特撮監督デビューにあたり基礎を固めるため、マシンの数を絞ったのではないかと推測している。
 こんな感じで特撮シーンは地球戦隊ファイブマンの魅力の一つだと思ってるので、特撮が好きな方は戦隊特撮史におけるターニングポイントを体感するという意味でも本作の視聴をオススメする。さらにファイブマンが終了しても、ジェットマン以降の作品で特撮技術が段階的に進化している様子が非常にわかりやすく、見ていて非常に趣があると思う。

スカイアルファ (2)

謎の戦隊ヒーロー、最後に名乗る!

 ダイナミックな特撮シーンもさながら、特撮シーンとシンクロした本編演出も第1話の見どころである。なんと
 3機のマシンの搭乗者の姿が部分チラ見せ
で、
 一体何イブマンなんだ…?
と思わせる演出がアクセントになっていて特撮シーンをさらに盛り上げているところが本当に素晴らしいの一言に尽きる。そして5人の戦士が駆け抜け、全員が走ってくる全身が見え、最後に「地球戦隊、ファイブマン!」と名乗って話を締めくくる流れは完成された美学と言っても過言ではないほどである。
 本編監督である長石多可男さんはそれまでにマスクマン以降の第一話を担当なさっていたが、本作の第一話はその集大成であり完成形だと考えている。(ちなみに以後の戦隊でも第一話を担当なさっているが、メガレンジャーは前年のシャンゼリオンでの功績による参加、ゴセイジャーはライダーから戦隊へ帰ってきたお祭りという印象がある。)
 ちなみに第一話でヒーローが最後に名乗って締めくくる流れについては、ハートキャッチプリキュアあたりのプリキュアでも使用されており、本作の演出がいかに傑作であるかを示したものと考えている。また、アニメ「ドラゴンクエスト・ダイの大冒険(2020年版)」においても、武闘家マァムの登場シーンにて同様のチラ見せ演出手法が用いられている。

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おわりに

 そういうわけでファイブマン第一話の感想を書いてきたわけであるが、本当に熱量が大きくてツイッターどころかnoteでも長文になる始末である。こんな感じで熱量を放出していきたいと思う。

おまけ

・・・と、本文をこんな感じで書いてきたわけだが、なんでこんなに時間かかったかというと
 イラストを4枚も書いていて溜め込んでたら遅れてしまった
わけで。
 大変申し訳ございません。
 ツイッターにUPするため4枚書こうと思っていたが、いくら熱量高いとはいえさすがにイラスト書く時間が足りないので結局今後は1話につき1枚にすることにした。(それでもターボレンジャーの2話に1枚よりは負担が増えるわけで。)
 でもって慣れてきたら増やそうかと思ったが、たぶんBFカブトの配信が終わってカブタックの配信が始まったらDVD化希望企画でまたイラスト書くと思うので、ペースは崩さないことにした。
 そんなわけで半年間、よろしくお願いします。


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