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おトクでオタクな企業キャンペーン:COMP×pixiv「#ずっと描き続けてきたぞ」

Twitterで「フォロー&RTしたら抽選で商品あげるよ、お金をあげるよ」

最近、こんなキャンペーンをよく目にするようになった。企業が自慢の商品を多くの人に届けたい気持ち、すごくわかるけれど、それをRTする人の気持ちはどうなんだろう。その商品をすごく試してみたいとか、企業を応援したいとか、そんな暖かい気持ちよりも、「なんでもいいからタダなら欲しい」。そんな欲しか見えてこなくて、なんだかちょっと冷たく感じる。

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私がここ数年、もっとも愛しているプロダクトの一つが、完全栄養食のCOMP(コンプ)。COMP DRINKは豆乳のようななめらかなドリンクで、多忙で食事の時間も取れないときも、これさえ飲めば必要な栄養をバランスよく、手軽に摂取できる。私はすぐに胃もたれするし、普通の昼食後は眠くてたまらない(※炭水化物が多く血糖値の急降下が起きるため)。面倒くさがりだし、熱中すると寝食を忘れてしまう。そんな私にとっては、キチンとした食事を考えること、食べることへの負担を完全に消し去ってくれた、本当にありがたい製品です。

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COMPのウェブサイトやパッケージデザインも、とてもシンプルでお洒落で好きだ。でもそれ以上に好きなのは、サービスやプロモーションの仕方。「お客様は神様だろ?」的な過剰でキラキラして眩しすぎるような接客はないし、つくりあげたイメージで購入者を罠にかけるような広告も出さない。本当に必要最低限、シンプルでスタイリッシュなのだ。

その一方でCOMPはそのイメージとは裏腹に、eSports(ゲームプレイヤーがプロとして戦う競技)のスポンサーシップ活動をしたり、「COMPちゃん」なる二次元美少女キャラを生み出したりと、日本の良きオタク文化をサポートしている。ブランドイメージと真逆な世界を迎合しているギャップが凄い、大きすぎ。正直なところ私は最初は「COMPさん、何やってるんですか?」と戸惑ってしまった、けれどそこに「本当に好き」を感じられたことがすごくいい。時間を忘れるくらい夢中になることがある人達への純粋な応援の気持ちや、様々な個性、努力と継続が存在する場への思いを、COMPの姿勢から感じるようになった。なんだか、とてもいい。さらにCOMPはアメリカでの車いすのテニス大会のスポンサーをしていたりする。でも大きな声で「社会的に良いことしました!」と言わないし。

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そんな私の大好きなCOMPさんの最近の企画が「#ずっと描き続けてきたぞ。」アウトプットはSNSでの展開とCOMPの各商品+画集からなるボックスセット。7月にオーダーしてはや3ヶ月。。。やっと手元に届いた!

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「#ずっと描き続けてきたぞ。」は、誰でもイラストや小説などの創作物を投稿したり閲覧できるサービス「pixiv」さんとのコラボキャンペーン。内容は、pixivが選んだ世界中のイラストレーターに対し、COMPがイラスト制作を発注して、1冊の画集をつくるというもの。前述のとおり、何かに夢中な人をサポートする完全栄養食のCOMPは、夢中でイラストを描く人にピッタリ!。

可愛いボックスに詰め込まれているのは、メインアイテムの画集(さすがに良い紙!)とCOMPの商品たち。水やコーヒーに溶かして飲むパウダータイプ、そのまま飲めるドリンクタイプ、鞄やポケットに忍ばせて気軽に携帯できるグミタイプ、栄養価を壊さず味つけできるフレイバー。それにシェイカーがついているCOMPLETEなフルセットだ。とてもお得にCOMPの世界、フルラインナップを試すことができる。

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COMPからイラストレーターさん達への発注も、作品に企業ロゴの記載を要求しないなど、これまた素敵ポイントたくさんあるのだが、説明すると長くなるので興味のある方はこちらの記事をどうぞ。プロでもアマチュアでも、「企業案件をこなした」という経験は大きな自信に繋がるし、その後の活躍への最高の布石にもなる。

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しっかりした厚みのあるプラカード。これ、各イラストレーターさんのファンにとっては嬉しいだろうなぁ。裏面にはpixivとCOMPそれぞれのクーポンコードが印刷されていて、新規ユーザー獲得の導線もしっかり。もちろん、既存ユーザーにも超お得。

イラストレーターさん達の作品と共に、胸に刺さった言葉がある。「#ずっと描き続けてきたぞ」… の英訳。I have never quit drawing 'till now. ――今まで描くことを決して辞めなかった。I've でなく、I haveとなっているのにも強い意図を感じる。なぜかというと、このキャンペーンでは、ただ描いてもらうのではなく、作家さんの新作と自身の過去の作品とを比較して見せている。パッと見でわかる程、どなたもびっくりするくらいに技術が上達している。でも、その方の個性というか、持ち味のようなもの、テイストは現在も過去も一貫している。

技術の上達と、その根底にある何年経ってもブレないもの。それを感じるのはきっと、描くのが大好きだから。大好きなものを描いているからに違いないから。好きという気持ちの持つ大きなエネルギーと、積み重ねられた努力の継続という輝きを見せられた気がした。これはイラストに限らず、他の創作でもそうだ。さらに勉強、仕事、人間関係…きっと、何においても同じ事が言えると思う。他人は変えられないけれど、自分は自分の力で変えることができる。人は学んで成長することができるのだ。

ある事をずっと続けていると、その過程で想像もできないようなことが起こる。例えばスランプだったり、嫉妬や酷評、怪我や病気をしたり、仕事や家族の都合があったり、挫折したり苦しむこと、たくさんあると思う。それでも辞めない、諦めないで続けるnever quit。作ることと学ぶことは、人類に与えられた最も素敵な平等の幸福だ。

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冊子の終わりに、COMP社の簡単な年表が入っている。表立って語られてはいないけれど、COMPの皆さんも、今まで本当に凄い努力を重ね、そしてこれからもそれが続いていくのだということを想像させてくれる。「常により良いものを」を提供するため、ソフトウェアのようにアップデートを重ね続けるサービスというのは、本当に大変だと思う。特に食品の開発は繊細で安全性に気を使うだろう。完全食を謳う商品がたくさん発売された時期、私はひそかに、ストイックな姿勢のCOMPがなくなってしまうのでは、と不安を感じていたことがあった。でも今や、そんな心配はもう無用だろう。

私は商品を購入したり、サービスにお金を支払う時に、そのお金がどう使われていくのか考えるようにしている。COMPは製品のアップデートと、どこかにいる「夢中な人」のこころとカラダを満たしてくれている。私にとって、それは良いお金の循環だと思うのだ。

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私はプログラミングで音や音楽を作っているけど、夢中になって没頭したり、数年間やらなかったりと、すごく波がある。辛かったことを思い出してみると、望む音が出せない、なぜか本番になると動かないプログラム、問題ないはずなのにプログラムが落ちる(のちに私のせいでなく開発環境のバグが発覚)、無線信号が混戦する、海外でのビデオ信号トラブル(日本と規格が違うため予期して準備していたのに!)、パリで朝食を食べながら日本での夜公演のシステムをSNSで祈るように見守る(何とMacBookの電源アダプタが外れて公演直前にシステムがダウンした)、ここには書けないこともまだまだたくさん。。。

全盛期は良いお仕事をいただいて、中学生の頃からの憧れの人に会えたり、海外に招聘していただいてプロと同じステージに立ったりと、それなりに評価していただいたと思う。でもいくら周りのひとから、良かったね、面白かった、と言われても、満足したことがなかった。外からの期待はいつの間にかストレスに変わったが、それも今となってはすっかり忘れてしまった。今は誰かのためにではなく、自分の好きな世界を作りたい。次の舞台を用意していただいたので、また熱いのを稼働していこう。たぶん。


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