海外の先進的な環境対策に学ぶ「SDGs」と「グリーンウォッシング」
2021年に入ってから、テレビや新聞などで、「SDGs」という言葉をよく目にするようになったと思いませんか?
コンビニで自分で袋詰めをするようになり、ちょっと面倒だな~と感じてしまう「レジ袋の有料化」もその流れの一つとも言えますが、2030年までの達成を目指した「持続可能な開発目標」がSDGsです。
トランプさんとやり合っていたグレタさんが有名ですが、欧米では環境に対する意識が、日本とは比較にならないほど以前から高くありました。
今回は環境先進都市のアメリカとドイツから、企業の先進的な取り組みをご紹介します。
タイトルにある「グリーンウォッシング」(SDGsウォッシング)ですが、「環境に良いと見せかけた」だけだったり、「実態以上に活動や効果をアピール」するなど、欺瞞的な訴求をする事を指しています。
【The Good Pencil Company】アメリカ
~購入者が寄付先を選べる鉛筆ブランド~
「寄付をしたけど、実際にどこに・どんな目的で使われてるんだろう?」という疑問が生じることがありますが、この「The Good Pencil Company」は、鉛筆の購入者が寄付先を選ぶことが出来ます。
The Good Pencil Companyの説明を簡単にしますと、ユタ州にある気候変動対策を行うブランドに付与される「Climate Neutral」認証と「B-corp」認証を受けている、アメリカ産のエコな鉛筆ブランドです。
「学校のサポート」を命題に設立されたブランドで、鉛筆を1本買うと、学校に鉛筆1本を寄付する取り組みを行っています。
鉛筆の購入者は、鉛筆を寄付したい学校をリクエストすることが出来ていましたが、最近ではさらに進化して、鉛筆のパッケージの色別に、鉛筆自体を寄付するのではなく、それぞれの販売金額に応じて青色は海洋保全団体に、緑色は環境保全団体にといった、目的別の寄付も行なっています。
鉛筆を購入することで、自分の母校に寄付をしたり、興味や関心のある分野に貢献できるのは良いですよね!
どの様な商品(目的)があるかなど、詳細は▼のサイトからご覧ください。
【VAUDE】ドイツ
~商品も製造過程もサステナブルなアウトドア ブランド~
食関係の業界と共に、批判の対象になる事の多いファッション業界ですが、ドイツの「VAUDE」は、一時はグリーンウォッシングという批判を浴びていたところから、本当のサステナブルなブランドに変容しました。
2009年に現社長に世代交代してから、サステナブルを経営方針の根幹として、2012年にはドイツ本社と、そこで生産される商品をすべて気候中立化(二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロの状態)にしました。
しかし当時はPFC(フッ素系の化合物・ガス)を使用しており、NGO「グリーンピース」に「グリーンウォッシング」だと批判されました。
グリーンピースといえば、日本では反捕鯨のイメージが強いですが、地球環境保護をミッションとしているんですね。
VAUDEがすごかったのは、批判をしてきたグリーンピースに相談をして、一緒に改善策を考えて実行していったことです。
その結果、商品の97%でPFCフリーを実現。2015年には「German Sustainability Award」で、最もサステナブルなブランドに贈られる「Most Sustainable Brand」を受賞。2018年にはサステナブルと機能性、デザインの調和が評価され、ブランドの中核をなすシリーズの「Green Shape Core Collection」が、「iF Design Award」で金賞を受賞するなどの成果をあげました。
一番のエコは、服を「長く着てもらう」ことだという事で、服のケアや修繕の仕方をウェブサイト上に載せており、徹底したサステナブルな姿勢が感じられます。
環境配慮やSDGsの重要性が、今後さらに高まってくることは確実なので、「グリーンウォッシング」と批判されないように、先行している海外の事例などを参考にしながら、「持続可能な開発目標」の達成のために出来る事をしていきたいですね!