【第一回】学振申請書を作成するスケジュール
最初の記事として、中山の学振申請書作成におけるスケジュールをご紹介しようと思います。
10月 業績欄を書いてみる&指導教員に学振の具体的な内容について相談した。
12月 2本目の論文執筆を開始した。
1月 学会参加1件(12月申込)&受賞する。
2月 学会参加1件(12月申込)。
3月 上旬 学会参加1件口頭(1月申込)&第1稿を書き始める&論文サブミット。
中旬 学会参加1件ポスター&第1稿を文字で埋めるところまでは来る。
下旬 第1稿の図を作り体裁を整えようと努力する&論文のリバイス。
4月 上旬 まるで書けなくて先輩に泣きつく&第1稿を書き上げる
中旬 改定作業を進める(第5稿くらいまで)
下旬 改訂作業を進める(第14稿くらいまで)
5月 上旬 提出用初稿が出来上がる&改定作業も大詰め&最終稿提出(5/13)
こんなところです。申請書を作成してみての感想は、「時間が無い…」です。
正直、3月は学会準備に学会発表、4月は申請書作成&論文のリバイス、5月は申請書改訂作業…
そう、お分かりの通り、ほとんど実験していません。3月までにそれまでの研究ほとんどにカタをつけてしまったから。と言うのもありますが…論文のリバイス用の実験くらいしかしてません。本当に学振提出し終わった後、「さあ、実験再開だ!」と思っても、「あれ、実験ってどうやってやるんだっけ?」という有様でした…それだけ学振に本気だったといえば本気だった…と思って自分に言い聞かせています。そんな状況に理解を示してくれた指導教員や研究機関の皆様には感謝しかありません。なにが言いたいかと言うと、それほど時間を割いて申請書作成したけど、それでも時間が足りないと感じたくらいヘビーワークでした…
そして、こうした私の時間のないと感じたスケジュールでも採用に至る申請書を作製できたのは、実際に申請書を描き始める前までの研究活動での業績と指導教員や先輩とのコミュニケーションが重要な役割を果たしたからだと思っています。
これについては、次回以降の記事で書いていこうと思います。
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まだ400字くらいあるので、ちょっとだけ加筆をしようと思います。
なぜこんなに時間がないと感じたか、その大きな理由を二つほど書かせていただければと思います。
1 ) そもそも申請書の書き方がわからなかったので、調べるのに時間がかかった。
これは多くの方に知っていただきたいです。申請書と言うのは独特の書き方があります。それはわかっていたつもりでした。理屈では。
申請書を書くまでに研究報告書や論文は書いてきましたが、それらはあくまで報告であり提案ではありません。だからこそ、申請書の書き方が今まで書いてきたものと違うというのはわかっていたんです。(わかっていたんです…)
それでも、やっぱり書き始めると申請書ってどう書けばいいんだろうと考えて、科研費.comとか先輩の申請書とかを読んで勉強していたら、とても時間を食ってしまいました…学振に関する情報は人伝に聞く事ができますが、実際に書き始めてみると、「あれれ…」と言うくらい迷子になります。それをどれだけ考慮してスケジュールを組むか、そして、迷子になった時に助けてくれる先輩研究者や優秀な同期などを見つけられるか、と言うのが重要になってくると思います。学振に応募する同期などは本当に心強いサポートをしてくれます。自分は自分の申請書に迷子でも、同期の申請書には有益なアドバイスができる。その逆もまた然り、といった状況なので、是非共闘するのがいいと思います。私の場合、就職活動を終えた同期なども、本当にすごくいいアドバイスをくれました。何時間も申請書の読み合わせをしてくれて、わかりにくいところや誤字脱字、改行の見にくいところを指摘してくれました。
2 ) 考えれば考えるほど改善点が山のように出てきて、修正に時間がかかった。
改善に時間をかけようと言うのは前々からちゃんと考えて(計画して)いました。そのために図の構想とかも用意してたし、全体の流れも申請書を書く前から考えていました。しかし、なのに、人に見てもらって一緒に話すと、出るわ出るわの改善点のオンパレードでした。結局、図も書き直し、本文も提出用初稿が出来上がってから大幅に改定しました。
そのおかげで質の高い申請書になったのは事実であり、結果オーライなのですが、何はともあれ時間がなかった…と言うのが感想です。
私の場合、時間の無さは睡眠時間を削って対応しました。朝研究室に来て1人での修正作業、その後夕食時から同期が集まり始め読み合わせ、ディスカッションとアドバイスをしあって、夜中、明け方、家に帰り少しの睡眠をとってまた朝研究室へ、といった生活でした。あまり参考になるものでもなく、参考にすべき生活態度ではありませんが、知りたいと言う方がいらっしゃいましたのでここに記しておきます。
そして、ここで得られた教訓は、
★「書き方に慣れるまでに時間がかかることを考慮すべし。」
★「図や本文は大なり小なり修正が入るので、初稿から本気を出すべからず。」
です。
しかし、どうしても、見せるからには質の高いものを、と思ってしまいがちです。
ただ、おそらく本記事を読んでいただいている読者の皆様は、時間がないといった内容はどこの指南書でも書いてあるし、理解されていると思います…
だからこそ、そうならないための具体的な解決策の提案を…
次回以降の記事で書いていこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。今後も、執筆に精進いたします。
「注意事項とモチベーション」という記事がりますので、これにも目を通してください。よろしくお願いします。
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蛇足のへび子さん※1
ただ一方で、こういうした時間が無いなどの問題に直面した時にそれをどう解決できるかっていうことの方が本質なんだと私は思います。
結局、私の周りのいろんな人を見ていても、何か問題に直面した時に先人が書物に残した知恵や手順といったもので解決できることばかりではないように感じます。
私がこういう問題に直面した時に「こうしたから」うまくいきました。などというのは、実は、こうしたから。のこうしたが最大の要因ではなくて、
こうしたから。のこうしたをあらゆる因子を踏まえて導き出した思考にこそあると思っています。
そういった、考えるということができない人が残念な結果に終わっている気が直感的ですが、します。
そしてこればかりは、どうにもできない。ただ考えよう、という他無いです…
考える習慣がないと悩んでいる方がいれば、意識してロジカルシンキングのワークショップ行ってみるとか、周りの優秀だなと思う人がどんな思考をしているかとか観察してみると何か掴めてくるものがあるかもしれません。
あと、自己分析や他己分析も結構有効なんじゃないかと思います。
※1:蛇足のへび子さん。文字通り本文には関係ないような著者のはしがきのようなものです。特に意味はありませんので、気にしないでください。