この記事に関係のある前提
ChatGPT-4(ウェブブラウジング,プラグイン含む),Bard, Bing Ai等の生成系Aiを仕事でもプライベートでも週七日,1日平均6-7時間は触っています.
毎日がっつり触っているため,プロンプト作成能力は自然と向上.ビジネス,ノンビジネスでも支援必要な方はご連絡ください)Midjourney, Stabule Diffusion, DaVinci AIといった画像系はあまり触っていません.必要なプロンプトはどんどん世に出回っていますし,それこそChatGPTで作れるので「やろうと思えばいつでもできる」と思っています.
アカデミア(人文社会学系の分野で博士号取得)やビジネスの世界での経験(R&D以外は,執行役も含めほぼ全て経験したと思います)もあってか,ロジカルシンキング,クリティカルシンキングなど訓練はかなり積んでいます.
小学生の娘がいます.
英語では結構ハードボイルドな話題を英語で書いていますが,日本語はこんな感じで,エッセーっぽく適当にやります.
はじめは単に娘の宿題を手伝っていた,ただそれだけ
前提でも書いたように,私はそれこそ毎日,ChatGPTをはじめとする生成系Aiを複数使って,リサーチやライティングをこれまでにない異次元のスピードでこなしています.コスパ&タイパ最強の会社を持ったような感覚です.冗談抜きで.
ある日,娘が,学校の宿題で読書感想文を書く宿題を出されたとのこと.ちなみに私は普段から娘に:
「もはや勉強という点においては,ChatGPTとYouTubeで最強になれるから,タッチタイピングとITリテラシー(検索力,Ai活用力),できれば英語力(Deep Lは当然活用すべきだけど念の為),そして人への思いやりさえあれば,いけるんじゃないかな」
と伝えていたので,「じゃあさ,ChatGPT使いながらやろうよ(悪)」と伝え,もちろん娘は自力(人力)で宿題自体は終わらせたのですが,「番外編」として,昔話「桃太郎」を題材に遊んでみることにしました.
基礎編:まずはあらすじの要約から
生成系AIが得意とする技のひとつに「要約」があります.これまで官公庁や国際機関の発行物,業界レポート,論文,ブログ,メディア記事など,日本語と英語で作ってもらったものを,自分でも見直したところ,かなりというかすごく高い精度で要約してくれます.プロンプトを調整することで長さはもちろん,レトリックもポイントの焦点も情報粒度もかなり自由が効きます.ということでまずはこんなお願いをしました:
すると,もちろん秒で以下のように答えてくれました.
まぁ,当然これくらいはできますよね.引用みたいなものですから.では少し変化球を投げていきます.
すると,こんな風に返してくれました.
まぁ,良いんじゃあないかと.プロンプトも雑でしたし.
応用編1:桃太郎から読み取れる道徳的示唆について聞いてみた
形式の世界からもう少し,解釈の世界に入っていきます.
ちなみに,ちゃんと理解してもらいたいフレーズはダブルクォーテーション("")などで囲ってあげるとGPTは「そこがキーワードなのね」と捉えてくれます.道徳的示唆ってなかなか難しいんじゃないかな.まぁ月20USD払っているからいっか,みたいな心境でプロンプト発動したところ,,,間髪入れずに答えてくれました
ちょっと仰々しいところがありますが,上手いことまとめていますね.ちょっと感心しました.
応用編2:読書感想文を書いてもらった
もやは娘はどこかに行ってしまったのですが,私個人としては楽しくなってきてしまい,とうとう読書感想文を書いてもらいました.
プロンプト:
回答:
まぁ,がんばってくれたかな,というところでしょうか.あとは,人間がブラッシュアップすれば十分通用しますよね.
応用編3:学級新聞にリライトしてもらう
さて,もはや遊びの世界に入っていますが,今度は,桃太郎の読書感想文をジャンルを変えてリライトしてもらいました.
いただいた回答はこちら:
読者のみなさん,おわかりいただけたであろうか?第一印象として,とても感銘を受けました.素晴らしいと思いました.が,ここは心を鬼にして重箱の隅をつついてみました.
さて,どうなるでしょうか.
文体としては,なんとなく論述みたいになって冷たく感じてしまいましたが,中身は完全に納得はいかないまでも頑張ってくれているかなと思います.
桃太郎ネタ,もう少しこすります.さて,上記は小学校の学級新聞というたてつけでリライトしてもらったものですが,欲を出して,こんなプロンプトを書いてみました.
ここではもはや引用しませんが,レシピを披露してくれたあと,"これで、あなたも「ももたろう」のようにきびだんごを作ることができますね!家族や友達に作ってみて、おいしさを分け合いましょう。"とまで付け加えてくれました.
応用編4:なんなら自由研究のアイデアも練ってもらう
正確には小学生の宿題の一環である"自主勉強"のテーマなんですが,まぁそこは置いておいて...今度はこんなプロンプトを描きました.
こんなプロンプトを小学4年生が書いたら面白いですが,こんなフリにも快く,秒で以下のアイデアをくれました.
応用編5:そして自由研究もやってもらう
まいっちゃいますよね.ここまで来たらもう尊敬の域です.ということで,提案いただいた「ももたろう」の続編を書く,を採用してGPTと会話を続けます.
で,返答はこちら
うん,いいよ,いいですけどもうちょっとブラッシュアップできそうですよね.どうアプローチするかいろいろ迷ったのですが,文法を直したり,表現を直したりというのは芸がない気がしたので,今度はジャンルというかストーリーの仕立て方の変数をいじってみました.
と聞いてみました.返答はこちら:
キャラが学校の先生になったり,逆襲の鬼たちが現れたり,想像力をそれなりに発揮してくれてますね.
応用編6:なんならコピーライティングも発注してみる
ただもう一息なんだよなぁと思い,追加のタスクをあげました.
返答はこちら:
GPT,君は一体何者なんだい?と言いたくなるくらい優秀ですね.ちなみに”〜〜を演じてください”や,"あなたは〜〜です"といったフレーミングも流行っていて,それはそれで大変結構と思いますが,そういう言い方でなくても”〜〜の技法を使って”とか"〜〜のアプローチで"でも十分狙った回答をしてくれます.プロンプトの基本は”マルチタスクを避ける,順番を示してあげる”ですので,何かを演じてもらうよりは,ある特定の専門知識や技法を使う,という手段に対して限定をかける方が,GPTの負荷のかかり方が効率が良い気が経験上します.そこはご自身でも試してみてください.
話は桃太郎に戻りますが,バッドエンドのコピーについてもう少し刺激が欲しかったので,あえて感覚的な表現でプロンプトを描きました.
今度は結構意地の悪いことしちゃったかな,と少し罪悪感を感じながら,半ば祈るようにしてエンターを叩いたところ:
まいりましたね.謹んで採用させていただきます(礼)!
一旦の結論:GPTとよりよいチームワークを発揮するための7つのヒント
ここからまた怒涛の展開が待っているのですが,つづきは後半をお待ちください.でも,一応,GPTとの使い方に関するヒント,おいておきますね.
原則(プログラミングのように)相手のせいにしない.自分のプロンプトに問題・課題があるという前提でコミュニケーションをとる.プロンプトの観点での壁打ちを経て,プロンプト作成の技術が格段にあがります.
あれもこれも一気に聞かない.お願いしたいことは極力シンプルに,そして時系列で伝える.
修飾,被修飾関係を明確にする.「大きな左手に見える赤ちゃんが握っていたおもちゃ」みたいに,何が何を修飾しているか曖昧だと,「あれ,どっちだろ?」って迷ってしまい.回答の作成も時間がかかりかつ,求めていたものとは違うものになってしまう恐れがあります.マニアックに言うと「スコーピングを明確にしよう」ということです.
特にGPT-4でブラウジングを選択している場合:2021年9月以降の情報がなくても解決できそうな課題であれば,GPT-4単体でやるか,プロンプトで"このタスクについてはインターネット検索をしないでください”とした方が処理時間も圧倒的に短くなりますし,エラー率も格段に下がります.
プロンプトのタイプを明確にしてあげる:いろいろなやり方があるのですが,例えば # task(課題):〇〇とか# conditions(条件):〇〇 とか,分析してもらいたいテキストがあれば,始まりと終わりをハイフンなどで区切るとかすると相手にとっては情報を構造化しやすくなり,結果,処理スピードと回答の質が向上します.
一発でパーフェクトな回答を期待しない:もちろんプロンプト作成能力にもよりますが,いきなりホームランを打つことはできません.疲れるなぁ,というマインドよりも対話を楽しんでみてはいかがでしょうか?その果てに欲しい回答が得られたら嬉しいですし,対話しているうちに,新しい視点をもらえたり,論点がシャープになったり,よりよい表現が見つかったりしてとても楽しいですよ.さらに結果的にあなたのプロンプト作成能力が結果,向上するんです.
質問をしよう:直前のポイントとかぶるところもあるのですが,質問(もう少しわかりやすく,とか,具体例を挙げてください,とか)を繰り返していくと回答の質も向上します.ただ,その際は一つずつ,パーツパーツで聞くのがベターです
次回は,もっと破茶滅茶な展開になっていきます.GPTとやりとりしていると本当に面白いし,こういうのをビジネスや研究にも応用できてしまうんですから,最高の"遊び仲間"だと思います.
ではまた!