天皇賞秋②
昨日に引き続き天皇賞秋について、今回は出走各馬について分析していきたいと思います。今週は秋晴れが続き、無事当日も絶好の”競馬日和”で迎えられそうですが、果たしてレース後も晴れ晴れとした気持ちでいられるでしょうか。すべては自分の戦略次第、死ぬ気で考えていきます。
まずは前回の振り返りとポイントの整理から。前回ポイントとして挙げたのは、以下の要素です。
①過去のレース結果から観察できる実力差は本物なのか
②実力がある馬はこのコースの適性があるのか
③レースまでの臨戦課程に不安はないのか
④これらの情報がオッズにどれほどの粒度で反映されているか
最終的な取捨に必要な情報はオッズへの反映度ですが、一般的に過去のレース結果や以前のレースの勝ちっぷりはオッズによく反映されます。ですので、特にそれらの点に着目しながら各馬のポジティブ・ネガティブ要素を見ていきたいと思います。見ていく順番は、前日11時時点での単勝オッズ順になっています。
7 イクイノックス(単勝オッズ3.0倍)
春の2冠はともに2着。ともに大外枠を走らされたこともあり、勝ちに等しい内容といえる。2戦目の東スポ杯はタイム・勝ちっぷりも相当優秀で、今回は絶好の内枠を引き当てたこともあって本命視もできる
【ポジ要素】
・2歳時の成績は文句なし
・皐月賞ではジオグリフに負けたものの大外枠&展開が向かず
・古馬より斤量の恩恵(2kg)は大きい
【ネガ要素】
・実際はG1ウィナーではないので格落ちではある
・陣営のトーンが落ち着きぎみ
9 ジャックドール(単勝オッズ4.2倍)
去年の秋から2000mを主戦に戦う4歳馬。中京・札幌と違うコースでG2を2勝している点は評価でき、安定したレース運びを期待できる。
【ポジ要素】
・2000mの実績は抜群
・東京2000mでは特に実績・走破タイムも極めて優秀
【ネガ要素】
・G1での最高着順は5着(1戦のみ)なので1線級との対戦でどうか(ただその大阪杯は重い馬場だったことが影響したこともあり無視することもできる)
・先行脚質は他馬の目標になりやすいため決め手に自信がある馬が多い今回は難しさも(そこらへんをうまくできる名手が鞍上ではない点も△)
・同型の馬も多くおりそことの兼ね合いも難しいか
8 シャフリヤール(単勝オッズ4.8倍)
去年のダービー馬。今年のドバイも制しており、実績は十分。鞍上には引き続きプリンス・クリスチャンを迎え、好気配が漂う
【ポジ要素】
・ダービー・ドバイでのG12勝で実績は十分
・近走の負けは敗因がしっかり⋀どうしようもないもの(馬場・不利)で、それでも崩れていない点はさすがとも捉えられる
・3歳時の毎日杯でのレコード優勝は高速馬場への適性を十分に感じさせる
・海外遠征を経て成長を見せられるか
【ネガ要素】
・4歳時の実績はそこまで出色ではない
・クリスチャンは大事なところで出遅れが目立つ
・あくまで大本番は次走のジャパンカップか?との観測も
・比較的軽い馬の部類で初の斤量&他有力馬との斤量差がどうか
・海外の中でも特に特徴の違うイギリス競馬を経験したことでそれがどうでるか
5 ダノンベルーガ(単勝オッズ7.6倍)
春の2戦はともに4着も、2戦目の共同通信杯で見せた末脚は強烈。まだまだ奥が深そうなイメージが持てる馬なだけに、覚醒があるのかどうか。
【ポジ要素】
・東京コースの実績・勝ちっぷりは相当な器
・新馬戦も早い上がりを出せており東京コースでの信頼は厚い
・皐月賞の敗退は馬場の悪い内を通ったもので度外視できる
【ネガ要素】
・実績は一枚落ちる
・ダービー4着は実力負けの感が強い
・早い時計に対応する裏付けは強くなく評価は一枚下になるか
6 ジオグリフ(単勝オッズ10.4倍)
春皐月賞の優勝馬。強力3歳勢の中で唯一のG1戴冠馬で、実績最上位。皐月賞の勝利を本物とみるかどうかが鍵。
【ポジ要素】
・皐月賞は今回と同じ2000mで、実績は十分
・皐月賞のラストで差し切った脚は本物か
・ダービーは距離と割り切ることができる
【ネガ要素】
・やや血統背景的に東京2000mは合わない
・東京実績や持ちタイムの信頼感は欠けるか
3 パンサラッサ(単勝オッズ16.6倍)
海外G1を勝利した逃げ馬。その独自のスタイルからファンには根強い人気がある。
【ポジ要素】
・前走はジャックドールに負けたもののそれが逆にマークが薄くなる要因となりうる
・ドバイの1800mを好タイムで駆け抜けた脚力は目を見張るものがある
【ネガ要素】
・やはり逃げの戦法は難しい側面がある
・東京2000mでは力不足感も否めない
1 マリアエレーナ(単勝オッズ18.6倍)
前走小倉記念で6馬身差の圧勝劇。勢いに乗って好枠から最高の結果がもたらされるかも。
【ポジ要素】
・前走はタイムも相手関係も優秀
・他の強力馬に囲まれてばれていない
【ネガ要素】
・小型馬にとって斤量2キロ増は酷か
・実績はあまりにも見劣る側面がある
2 カラテ(単勝オッズ31.4)
前走新潟記念は本格化の証。東京コースの実績は一定程度あり、着は拾えてもおかしくない。
【ポジ要素】
・前走はG3とはいえ好結果といえる
【ネガ要素】
・やはり安田記念での結果は少しいただけないか
その他、ポタジェは近走があまりにもだらしなく、ノースブリッジはやや実績面で見劣るため軽視
これらの検討項目をもとに最終的な判断を考えていきたいと思います。
今回の最終結論は
本命シャフリヤール
対抗ジャックドール
穴マリアエレーナ
注ジオグリフ
注イクイノックス
としました。
シャフリヤールよりイクイノックスを評価した理由としては、G1を2戦勝ちきっているところに敬意を払う必要があると考えたことです。イクイノックスは素質が認められるとはいえ、まだ3歳馬で数を多く使えているわけではありません。それらの不安要素がオッズに反映されていないと考えたので、評価を一段下げる決断をしました。対してシャフリヤールに関しては、ダービー含むG1 2勝が適切に評価されていないと感じました。イギリス競馬帰りで本来的な実力が出しきれない不安感があるためこの人気になっていると推察しますが、近年の輸送技術の進歩はその不安を一掃してくれると考えます。そのため、シャフリヤール>イクイノックスというジャッジを下しました。
次にジャックドールに関してですが、G1未戴冠馬の中ではもっとも旨味があると思います。東京2000mにおける実績はメンバー中随一と言っても良いですし、今日の内が伸びる馬場も有利に働くような気がします。
ダノンベルーガは過剰人気だと判断しました。新馬戦や共同通信杯の勝ちっぷりは見事ですが、やはり高速馬場になってどうかというところが疑問符がつきます。一定程度強いとは思うものの、今回のメンバーで今回のオッズでは買えないです。
人気どころ以外ではマリアエレーナが妙味があります。前回のレースは単に見事というほかないですし、前走の再現があってもおかしくはないと思います。それなのにオッズは20倍程度と、まだ”バレていない”ように感じるので、少し狙ってみたいところです。
以上が今回の取捨になります。買い方としては、3連複でシャフリヤールとイクイノックスを軸に、アップサイドでマリアエレーナを厚めにジオグリフ・ノースブリッジ・イクイノックス・ダノンベルーガまで、3連単でシャフリヤール・ジャックドールを2頭軸で上の馬を3着に置くといったところでしょうか。ただやはりイクイノックスの実力に疑問符をつけるのは難しいので、イクイノックスを軸の3連複も買うと幅広く抑えられると思います。
今回の備忘録は以上です。快晴の日曜日、存分に秋天を楽しみましょう。
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