Global Communication 本日よく聴いた音楽
マーク・プリチャードとトム・ミドルトンという2人組は数多くのユニット名を使用して、様々なタイプのエレクトロニックミュージックを奏でてきましたが、特に重要なのがアンビエントを出す際の名義"Global Communication"ではないでしょうか。
個人的にはオールドスクールエレクトロというかエレクトロファンクをやる際の"Jedi Knights"名義で出したアルバム「New School Science」や、"Link & E621"のシングル「Antacid」のJedi Knightsリミックスなども大変重要なのですが、本日は1994年に発表された唯一のオリジナル・アルバム「76 14」をよく聴きました。
雑誌時代のEle-kingで、バルコミという略称が使われていましたが、誰も使ってなかったと記憶しております。
彼らの凄い所はいろんな音楽に手を出しつつも、そのどれもが驚く程クオリティーが高く、その分野における名盤とされる作品を作ってしまう所でしょう。
ちなみにトム・ミドルトンは初期エイフェックスツインのメンバーだったという噂もありましたが、本人はそれに触れられるのがとても嫌なようです。但し、「アナログバブルバス」には彼の名前もクレジットされているので、元々交流はあったようです。また彼はピアノやチェロを弾いていたらしく、音楽的に素人ではないのかもしれませんね。それもひょっとしたら彼らの音楽を特別なものにしてある要因の一つかもしれません。
最近はマーク・プリチャードがソロでワープから作品を出しているようです。もう今は一緒にはあまり作っていないのでしょうか?
さて、前置きが長くなりましたが、何故こんなに古いアルバムを聴いたかというと、「Remotion」というGlobal Communicationとしてリミックスをした楽曲をまとめたアルバムを聴きたくて購入したのですが、そちらが大変素晴らしく「76:14」の方も久々に引っ張り出して聴いてみたところ改めてクオリティーの高さにたまげたというのがきっかけです。
「Remotion」には日本のNav Katzeのリミックスも収められておりますが、これが結局ベストトラックでした。
自分にとってアンビエントは、やはりクラブ帰りの電車や、辿り着いたもののなかなかすぐには寝付けない自宅など聴くのが一番効く音楽ではあります。なので、ある程度のビートが乗っているものの方が好みだったりします。
このアルバムはノンビートのトラックとビートありのトラックのバランスが大変よく、まさにアルバム通して聴くのが最適な作品です。
他の方々のレビューを読むと宇宙空間を感じる方が多いようですが、自分はどちらかというと自然を感じたりします。なので、クラブ帰りでなく、天気の良い山などでポケーと聴くのも良いと思いますし、寝る前の暗い部屋で聴くのも良いかと思います。
アンビエントとリラクゼーション的な音楽は紙一重な所がありますが、このアルバムではよく練られたシンセの音やメロディー作り込まれたビートが鳴っているため、数多あるリラクゼーションものとは全く異なるものかと思います。もっと牧歌的なアンビエントが本来好きなのですが、この作品にある緊張感のようなものが何故か自分はたまらなく好きなのです。
いつかハードシンセをたくさん使ってこういった作品を作ってみたいなとも思ってます。
またこの記事を書いていたら気づいたのですが、新曲なのか未発表なのかは分かりませんが、SpotifyにGlobal Communicationの新しいリリースがあるようです。
紹介リンク
Global Communication - 76 14
アルバムを通して聴くのが一番とは思いますが強いてあげるならこの曲が一番好きです。
Global Communication - 9 25
おまけとしてJedi Knightsのリミックスも是非。
Link&E621 - Antacid II -Jedi Knights Remix-