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マーケティング戦略|QRとECRについて
Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|QRとECRについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。
効率化のための協業システム
企業は自社の存続、発展のために個別に努力します。しかし部分最適化は必ずしも全体最適には結びつきません。製、配、販で情報を共有化し、全体最適をもたらすシステムのことをQRまたはECRといいます。
QRとECR
★QR(Quick Response)は、1980年代に低価格の輸入衣料品の大量流入による空洞化を恐れた米国のアパレル産業が考案したシステムです。価格的にも品質的にも競争力のあるアパレル製品を作るために、メ-カー(製)、卸売業者(配)、小売業者(販)が情報を共有化し、全体最適化を目指したシステムを作り上げたのです。これにより川上のメーカーは見込み生産による過剰在庫を回避することができるようになりました。また卸や小売りも欠品によるオポチュニティ・ロス(機会損失)や過大な在庫を被らずに済むようになりました。
★ECR(Efficient Consumer Response)は、QRと同様のシステムを食品業界に適用したものです。FMI(米国食品マーケティング協会)が1993年5月からこの用語を使っています。
★これらのシステムでの主要な成果は自動補充によるコスト低減です。日用品大手メーカーのP&Gと世界最大の小売業ウォルマートのECRでは、ウォルマートから提供されるPOS情報に基づいてP&G側が生産計画をたて、適時に商品を納入します。これにより生産ロスや過剰在庫、さらに欠品などが回避でき、コスト・ダウンが図れました。ウォルマートでは、在庫量が3分の1に減り、欠品率は3割縮小したといいます。
事例
QRで成功したアパレルの代表例が靴下チェーンのタビオ(2006年9月に「ダン」から社名変更)です。約200店舗の単品売り上げ情報をオンラインでメーカーに公開することで、メーカーの材料手配や製造計画策定を支援し、品切れなく店舗に商品供給できる体制を築きました。これによって顧客満足度を高めたタビオは、現在は英国にも出店し成功を収めています。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。