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マーケティング戦略|コーポレート・コミュニケーションについて

Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|コーポレート・コミュニケーションについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。

社内外への意思伝達

企業は経済的主体ですが、社会的な存在でもあります。社内外に広く企業の理念、活動、社会貢献などを知ってもらい、長期的な関係を築くための意思伝達のことをコーポレート・コミュニケーションといいます。

コーポレート・コミュニケーション

★商品広告や企業広告などのいわゆる「広告」は、顕在的および潜在的顧客へのプロモーション活動として極めて重要です。しかし、企業は直接的な顧客だけではなく、さまざまな主体とリンクしており、社会に開かれた企業としてステークホルダーに認知、理解してもらうことが重要です。
★このための伝統的手法としてPRがあり、メディア企業への情報提供、パンフレットの作成、プロスポーツチームの所有、冠イベントの実施、奨学金の提供などの活動が行われてきました。ただし、PRはしばしば情報提供が企業から社会への一方通行であったため、対話が成立していませんでした。
★しかし、1970年代後半以降、コーポレート・コミュニケーションという言葉が登場し、企業は透明性を高めて積極的に社内外でコミュニケーションを図ることによってコーポレート・コミュニケーションを高めようという気運が高まりました。
IR(Investor Relations)はつとに有名ですが、たとえば企業が行うアナリスト説明会などにもトップ・マネジメントが出席し、質疑に応えるようになりました。また、社内でも企業のポリシーを終始徹底させ、企業目標を共有して成果の上がる行動を導くために、伝統的な紙媒体の社内報とともに、Web社内報ツールを導入するところもあります。

成功事例

ジョンソンエンドジョンソンのコーポレートコミュニケーション

製薬、医療機器などを含めたヘルスケア関連製品を取り扱う多国籍企業であるジョンソンエンドジョンソンですが、1982年に、同社の解熱鎮痛剤のタイレノールに第三者からシアン化合物を混入されたことで、それを使用した七人が死亡する悲惨な事件が起きました。
事件直後、ジョンソンエンドジョンソンは、すぐに2200万本の製品の回収を行い、マスコミに積極的に情報提供、専用フリーダイヤルの設置など徹底した対応を行いました。
その徹底した誠実な対応によって、ジョンソンエンドジョンソンは、早期の信頼回復に成功しました。
コーポレートコミュニケーションの観点からでいくと、事件直後、大きな損失は承知の上ですぐに製品回収を行ったことや、メディア等を通じて企業のあらゆる関係者を活用してブランド保持に努めたこと、企業の短期的な利益を気にして法律に反しているかいなかを判断した上で対応するのではなく、人の命の大きさなどのモラルの面も考慮した対応だったことが、企業の価値を長期的に損なうことを回避できました。

失敗事例

コーポレートコミュニケーションの失敗事例として、私たちの身近なメーカーであるナイキで起こった事態について説明します。
その事態というのは、ナイキの下請け企業にて、未成年の従業員が1時間あたり日本円で15円という安い賃金で一日14時間労働させられていたという問題が発覚したことでした。
この事態の発覚当初、ナイキの当時の会長であるフィリップ・ナイト会長は、事実を否認していましたが、やがて、会長は「他の企業も似たようなことをやっているのではないか?」と自己弁護を始めました。
それによって、人々の反感を買い、ナイキの社会価値は下がり、不買運動による財務業績の悪化が起こりました。
このように不誠実なコーポレートコミュニケーションは企業価値を大きく損ねる可能性があります。


最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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