麻雀界隈シリーズ①「麻雀打ち裏4タイプ別傾向考察」
どうも、こんにちは。
先日約1年続いた戦術記事シリーズが終了したので新シリーズを始めることにしました。話したいネタが雑多に渡るのでシリーズ名をどうするか迷いましたが、大きな共通点ということで「麻雀界隈シリーズ」にしました。
コンセプトとしては麻雀界隈でみんなが日々漠然と疑問に思っているであろうことに「それってこういうことなんじゃない?」と独自の見解を述べていくものです。「いまいちピンとこない」「何言ってんだこいつ?」と思ってらっしゃる方がいると思いますが、まあせめて出だし部分くらいは読んでみてください。
さて、麻雀打ちの4タイプと聞けば「面前攻撃型」「面前守備型」「副露攻撃型」「副露守備型」を思い浮かべる人がいるかと思いますが、本記事はその類の話をするものではありません。やるのはその人の本質とも言えるもっと根源的な部分へのアプローチを試みるものです。
使用するのは岡田斗司夫さんのこちらの本。「欲求の偏り」から人は「司令型」「注目型」「理想型」「法則型」の4タイプに分けられます。あなたもこの4タイプのいずれかに属することになります。
各タイプの詳しい説明は後ほどするとして、まずは上の画像を見てください。
縦軸の上は外向的価値観で、その欲求は他者的です。他の人と比べて自分はどうかというのを重視するタイプ。
対して下は内向的価値観で自己的。他人と比べるより自分の中での納得感など内向きに考えるタイプです。
また、問題が起きた時の原因を外に向けるか内に向けるかという違いもあります。つまり、麻雀で負けた理由を相手のせいにするのが「司令」と「注目」、自分の打牌に問題があったのではないかと考えるのが「理想」と「法則」です。
今度は左右の矢印を見てください。横軸は考え方が具体的か抽象的かで分かれます。右は数値化などをして具体的に考えますが、左は数値化はせずに抽象的・感覚的に物事を判断します。
麻雀でいうと、配牌が悪いときやリーチを受けた際に「〇シャンテンでブロックも△個しかないから配牌オリ」「通ってないスジが◇本残っているから押し」と数値化して具体的に考えるのが「司令」と「法則」、「もう無理だからオリ」と感覚的に打つのが「注目」と「理想」です。
どうですか。ちょっとは興味が湧いてきたんじゃないでしょうか?
みなさんも一度くらいは自分と違う考え方をする人に「なんでなんだろう?」と疑問に思ったことがあるはずです。それは持っている欲求のタイプが違うからというのが1つの答えです。
この後の本編では各タイプの詳しい特徴説明と麻雀界隈(主にネトマ民)でそれぞれどのような行動を取るのか考察していきます。「あ~、こういう人いるわ~」ときっと共感してもらえることでしょう。
本記事は全文無料です。せっかくなのでこの際自分がどのタイプに属するのか見極めてみてはどうでしょうか?麻雀に限らず、社会生活を送る上でも自分のタイプと相手のタイプを理解できれば色々役立つと思いますよ!
基礎編
この章では、各タイプごとに特徴&麻雀界隈ではどのような行動を取るのか説明していきます。
軍人タイプの「司令型」
司令型のキーワードは「勝利」、動力源は「称賛」です。勝ちたい、上にいきたい、人を思い通りに動かしたい欲求が強いです。
反対に負けるのが大嫌い。仕切り屋気質で、具体的決断が早いです。社会的地位や序列を重視し、序列を無視することや損失に対しては敏感で怒りやすいです。
競争が好きで、「勝者がいるなら敗者がいるのは当たり前」と考えるため、必要とあらば他人とケンカすることも厭わないし、手を控えたりもしません。それゆえに「冷たく気が許せない」と評価されてしまう人も多いはずです。
出世や数値的な達成など具体的な成果は求めますが、自分が本当にやりたいことはありません。目標だけあって夢はないと言うべきか、退職後に何をして生きればいいかわからなくなってしまうのはこのタイプだと思います。
特徴的な行動としては、負けず嫌いゆえに自分の勝てるフィールドで戦おうとします。例えば、司令型で胸の大きな女性はバストを強調するような服を着ます。自分の勝てる部分で戦おうとしているからです。
アイドルにも司令型が多いです。自分の容姿が他者より優れている自覚があり、その武器を使って生きていこうとしているわけですね。テレビ番組などを見て、気が強そうな子が多いと言われれば納得できるのではないでしょうか。
麻雀においては、団体の設立や大会の企画・運営をするなど曲がりなりにも麻雀界のまとまりが取れているのはリーダーシップのある司令型の尽力があってこそだと思います。
もう少し身近なX界隈での行動を見ると、仕事・恋愛・家庭等の生活全てが対決の場であるゆえ上から目線・マウントを取るような発言になりがちです。「わざわざ強い人が集まる鳳凰卓や王座の間で打つ意味がわからない」という人は司令型である可能性が高いでしょう。
人気者タイプの「注目型」
注目型のキーワードは「仲良し」、動力源は「承認」です。他人から好かれたい、認められたい、頼られたい、注目されたいという欲求が強いです。
甘えん坊で、人情的で、おせっかい焼き。その場の空気をとても大事にしますが、大事にするあまり疲れてしまうことも。安請け合いをしてしまって失敗しがち。無視されることをとても嫌がります。
注目型が良い方向に発現すると気さくでノリがいい親しみやすい人となりますが、反面悪い方向に発現すると泣き言の多い「かまってちゃん」や自己主張の激しい「承認欲求モンスター」となってしまいます。おまけに無責任の他責思考。麻雀に限らず、SNSで炎上しているのは大体このタイプです。
そんな注目型ですが、麻雀界においてはXに面白いネタを投下してくれたり、動画配信・私設リーグ戦への参加など場を明るくするムードメーカーとして界隈を一番盛り上げてくれる存在です。
いつも楽しそうにワイワイやっていたりもするし、話題になっていることには「俺に言わせりゃこうだ」と自分の考えを他人に言わないと気が済まないのもよく見かける特徴です。ツイート数が多い人ほど注目型の可能性は高まると思います。
職人タイプの「理想型」
理想型のキーワードは「極める」、動力源は「自己実現」です。自分の考えているとおりに物事をやり遂げることにこだわり、結果より過程、目的より手段を重要視します。
客観的な成功や完成ではなく、他人の目から見ても分からない確固たる基準や理想像が自分の中にあって、それに近づくことが喜びとなります。正義感が強く、頑固なこだわり派が多いです。お金や権力に惑わされない自由で自分らしい生き方を好む人が多いので、客に媚びない職人や本物の芸術家はこのタイプです。
反面、頑固過ぎて世間から浮いてしまうことも。個人的なこだわりが強い分、「何を考えているのかわからない」「プライドが高い」といった評価を受けてしまいがちです。
麻雀においては結果よりも過程を重視するので、正着打を打って負けたのならすんなり受け入れられるし、逆にミスして勝ったとしてもいまいち充実感がありません。また、目的よりも手段を重視するので、目標の段位を目指すにあたっては相応の実力をつけて到達しなければ意味がないと考えます。
魂天になった後は雀魂そっちのけで、今度は天鳳位を目指してひたすら段位戦を打っているなんていうのも自己実現を目指す理想型のイメージにぴったり当てはまります。
理想型はXでの発言は少なめで、基本的に業務連絡的なポストしかしません。自分のやりたいことに全力を注ぎたいので必要最低限のリソースしか割きたくないからですね。
学者タイプの「法則型」
法則型のキーワードは「自由・マイペース」、動力源は「興味関心」です。
物事の仕組み・法則を自分なりに理解したり、発見したり、推測したり、仮説を立てたりすることに喜びを感じるタイプ。
分からないことが1番不安で、嫌われても、負けても理由が分かっていればそれでよしと考えます。
自己主張よりも観察する欲求が強いです。目立たずこっそり面白く生きたいと考えています。いつも冷静沈着な反面何かに熱くなるということもありません。
感情表現や、それが重要視される恋愛等が苦手。少し空気が読めない節も持ち合わせていて、他のタイプの人からは不器用そうに見えると思います。
麻雀界においては、論理的思考力の高さから新たな戦術やセオリーを生み出してくれる存在です。Xではデータを用いた分析などをする人もいれば、一体誰が興味を持つのかわからない独り言のようなことをぶつぶつ呟いている人もいます。観察が好きなのでROM専という人もだいぶ多そうです。
応用編
各タイプの説明を終えたところで、そこから見えてくるもの・考察したことを述べていきます。
天鳳位に○○型はいない
「天鳳位は努力すれば誰でもなれる。なれないのは努力しないお前らが悪い。」
これは私が即興で作った言葉ですが、こういうことを言いそうなのはどのタイプだと思いますか?
はい、察しの通りこれは自分と他者を比べたがる外向的価値観を持ち、勝つことが大好きで自分の優位を確認したい司令型のセリフです。過去にこのような発言をした、あるいはこういうことを言い出しそうな雰囲気のある天鳳位が誰か思い浮かびますか?誰も思い浮かばないのではないでしょうか。
天鳳位に司令型は1人もいないと思います。理由は2つ。
1つ目は先述のとおり、自分が勝てるフィールドでしか勝負したくないからです。鳳凰卓はトッププレイヤーでさえ連対率が.550程度しかなく、約2回に1回は3着か4着を引くことになります。楽勝で勝てるフィールドとはとても言えません。
トッププレイヤーでさえそうならば他のプレイヤーはなおさらです。連対率が.500を超えていればいい方なのに、その人達ですらptをコツコツ稼いではラスを引いてドカンと失い、同じ段位間をループし続ける苦しい戦いを強いられています。
そのような環境であるからこそ、頭が良く自分のレベルを客観的に把握できている司令型の人は「分の悪い賭けはしない」「損をしたくない」と思って途中でやめてしまいます。
2つ目は動機付けです。麻雀界隈では技術的な話ばかり取り沙汰されますが、天鳳攻略で最も重要なものは「情熱」です。皆から認められるどんなに強いプレイヤーだったとしても、やる気がなくなってしまえば退場したのと何も変わらないからです。
情熱を持ち続けるための原動力となるのが動機付けということになりますが、司令型はこの部分が弱いです。「天鳳位になって周りから評価されたい」という外的な動機付けはありますが、そのために「自分はどういう打ち手になりたいか」という内的な動機付けはありません。目標だけあって夢はないわけです。
一方、情熱という点で最強の適性を誇るのが「理想型」です。「天鳳位になってチヤホヤされたい」という外的動機以上に、「こういう打ち手になりたい、誰よりも麻雀が上手くなりたい」という内的動機の方が強いからです。より達成が困難なものに挑戦したい気持ちが強く、壁が高ければ高いほど燃えてくる性質を持っているのも攻略に一役買ってくれます。
思うに、天鳳位には注目型と思える人もあまりおらず、大体が「理想型」か「法則型」です。両者の共通点はともに「内向的価値観」を持っていること。負けた時は自分に原因があると考えるので修正力・成長性が高く、理想型は「理想の自分に近づきたい」、法則型は「わからないことを理解したい」という内的動機が強いのでモチベーションを維持し続けることができます。
これらの要因が天鳳位に到達できる背景的な理由だと思います。個々人の差はあれど、全体的な傾向として見た時に「他者から称賛されたい」「承認欲求を満たしたい」というのよりも、黙々と麻雀を打っているのが好きそうな人達ばかりと言われれば腑に落ちる人も多いのではないでしょうか。
天鳳位同士の交流がそこまで盛んでないのも、みんなでワイワイやるよりも自己の内的欲求を満たすために1人で段位戦を打っている方が有意義と感じる人が多いからだと思います。
従来(?)の麻雀打ちの4タイプ「面前攻撃型」「面前守備型」「副露攻撃型」「副露守備型」で見ると天鳳位に全てのタイプが分布していて傾向が掴めませんが、実はこちらの4タイプで見るとだいぶ偏りがありそうだという話でした。
同じ発言でも受ける印象がなぜ違うのか
「天鳳位なんてなったところで大して評価されないから目指すだけ時間の無駄。コスパが悪い。」
今度は即興ではなくSNSで実際に目にする言葉です。当然私としてはカチンときてしまうのですが、人によって軽く流せることもあれば凄く頭にくることもあって「なんでだろう?」と不思議に思っていました。
これも4タイプそれぞれの発言で分けて考えれば説明がつきます。学者気質である法則型(っぽい人)が言う分には「心の底からそう思ってるんだろうな」と価値観の相違ということで割とすんなり受け入れられます。
対して司令型がこの発言をするのは勝てないことへの負け惜しみを言っているようにしか聞こえないし、注目型の人だとそういう発言をすることで人目を惹こうとしているようにしか見えません。心の底ではなれるものならなってみたいと思っているくせにいかにもな理由をつけてやらないことを正当化した挙句、コケにされてる感じがするのが腹立たしいと考えれば自分の中で納得がいきます。
ちなみに理想型の人はそもそもこういう発言をしません。天鳳位という結果も大事ですが、それ以上に攻略過程そのものにやりがいや楽しみを見出しているので「コスパが悪い」などという発想自体出てこないからです。
みなさんもこれまでの人生において、自分の発言が全く意図しない形で相手に伝わってしまう経験をしたことがあると思います。というか麻雀界隈では頻繁に起きていますね。原因は様々だと思いますが、上記の例のように同じ言葉であっても人によって意味合いが異なるのが理由の1つだと思います。
空気を読むのが苦手な法則型の人が何の悪意もなく言ったことが、他のタイプの人から見れば「それは自分が相手をコケにする時に使う言葉」となって嚙みつかれてしまう事例はよく見かける気がします。人間って難しいね。
天鳳民と雀魂民
数年前、雀魂が普及し始めた時に鳳凰民の一部が雀魂に流れるという現象が起きました。これは「勝てるフィールドで戦いたい」司令型や「魂天になって多くの人から承認されたい」注目型の人が雀魂に移り、「これまで通りあくまで目指すのは天鳳位」である頑固なこだわり派の理想型や、「麻雀の研究をするのに今の環境で十分」な法則型の人がそのまま天鳳に残ったように感じます。
個人個人では差があるでしょうが、全体的な傾向で見ると「司令型」「注目型」の雀魂民・「理想型」「法則型」の天鳳民という感じがします。雀魂はコミュニケーションが盛んで楽しそうな人たちが多くいる印象を受けますが、天鳳はなんか地味で暗い人達の集まりといったイメージです。
「天鳳民は陰湿」と言われるのも、ケンカ上等な司令型やストレートな感情表現が得意な注目型に比べて、内向的な理想型や法則型はどうしても皮肉や嫌味ったらしい言い回しになってしまうのが陰湿と捉えられてしまう原因になっているのかなと思います。
ただ、天鳳が雀魂の下位互換なのかと言ったらそうは思いません。人気では雀魂が圧倒的優位なのは誰しもが認めるところですが、実力者が多いのは天鳳の方です。
理屈で説明すると、本気で麻雀を極めたい硬派な層からすれば可愛らしいキャラが出てくる雀魂のぽわぽわした雰囲気は合わないからです。そういう人達にとって余計なオプションやエフェクトは入っておらず、「研ぎ澄まされたシンプルさ」という表現がしっくりきますが、必要最低限の機能だけが備わっている天鳳は純粋に麻雀に集中できる最高の環境です。
同じ考えの人達が集まることで相対的に卓のレベルが洗練され、噂を聞きつけた腕自慢達が参加してさらに魔境になっていく。そんな風に私は捉えています。天鳳はオワコンなどと言われますが、一定層からの需要はあり続けるだろうし、個人的には上手く棲み分けができているから別に今のままでいいんじゃないかなと思っています。
まとめ
本記事を通じて私が主張したいことは「どのタイプが偉い」とか「雀魂と天鳳どちらの方が優れている」とかそういうことではありません。
著者によると、なぜ人は4つのタイプに分かれることになったのかというと社会的動物である人間が「文化」を伝えるために生み出した仕掛けだと言っています。本能というほど原始的なものではありませんが、性格ともまた違うものです。「魂・ゴースト」と言えばわかりやすいかもしれません。
仮に1つのタイプしかないのだとすれば文化を上手く伝えることはできません。それぞれがバラバラに行動しているように見えて、実は4つのタイプごとに役割があります。
麻雀でいうなら注目型が面白さを大きな声でアナウンスして広め(魅惑)、理想型が本質となる芯の部分を押さえ(理念)、法則型が分析をして新たな理論を提唱し(法則)、司令型がそれらを取りまとめていく(指導)。この4タイプが上手く嚙み合って機能することで麻雀文化を次の世代に伝えることができます。
幸福とは「欲求が満たされている」状態のことを指します。そして人によって求める欲求が違うのなら幸福の形も人それぞれです。内向的欲求を持つ「理想・法則型」が無理に「司令・注目型」のように生きようとしてもタイプ不一致できっと満たされないでしょう。その逆もまた然りです。
本記事の内容を真に受ける必要はありません。でも、そういう風に考えれば気が楽になる人もいるのではないかと思います。他人がどうこうは関係なく、自分の欲求に合った麻雀ライフを送るのが1番なのではないでしょうか。ひいてはそれが幸せな人生を送ることにもつながると思います。
本編は以上で終了ですが、最後に皆様に1つお願いがあります。
当シリーズは勝てるようになるための考え方や技術を提供するものではないので全て無料公開にしますが、それゆえに需要があるのかないのか皆目検討がつきません。そして読み手が少ないものを書き続けるモチベーションは持っていません。
そこでお願いしたいのが「面白かった」「無料だったら次の記事も読んでみたい」という方はスキで評価してくださると助かります。スキ数が100を超えれば次の記事を書きますが、100に満たなければ需要なしと判断してシリーズはそこで終了とします。
参考までに、次に予定している記事の内容は「上級者の中でトップ層にいける者とそうでない者の差は何なのか」です。興味がある方はぜひどうぞ。よければXの方でもいいねやリツイートをよろしくお願いします。
では、機会があればまた。