「安定9段の効能」Part1

「現実的に天鳳位になれるのはどんなプレイヤーか?」そんな問いを投げかけられた時に私の中に1つの答えがある。安定9段以上の実力があり、月200~300戦くらいの鬼打ちができる人だ。イメージ的には太くないおさんがぴったりくる。今回は安定段位について、そして安定9段の効能をいくつか語ろうと思う。
 
 最初に、安定段位についてよく言われるのが信用できないというものだ。私もかつてはそう思っていた。こんなもん何戦打ったってわかんないだろと。しかし、途中である事実に気が付いた。ダブル天鳳位3人(トトリ先生19歳・右折するひつじ・藤井聡太(敬称略))の成績を思い出してほしい。全員が鳳南安定9.5段を超えている。この3人がたまたま運良く安定9段を超えていると思っている人はいるだろうか?いや、いない(反語)。
 私見を述べると、安定段位が信用できないというのは「強いから安定段位が高い人」と「安定段位が高いから強く見える人」の2種類に分かれるからだ。「卵が先か、鶏が先か」みたいなものである(違う)。前者にはダブル天鳳位、後者には確変を起こしている人が該当する。ここで私が言いたいのは信用できる安定段位の人はちゃんと存在するということだ。
 では、何戦くらい打てば実力通りの安定段位だと信用できるのだろう?私の中では鳳南なら2000戦以上が一つの目安である。理由としては2000戦以上打って安定9段を超えているプレイヤーが極めて少ないこと、そしてこれが最も大事な理由なのだが、そういうことにしないと私の立場がなくなるからである(切実)。
 
 次に安定9段を超えるとどんな効能があるのだろうか。ここでは実力=安定段位という前提で読み進めてもらいたい。
 1つ目は天鳳位に到達できる可能性が夢物語ではなく普通にあることだ。まず、安定8段台の人を例にするが、理論上は自力で九段にはなれる。しかし、そこから確変を引いて十段になり、さらに確変を引かないと天鳳位になれない。つまり二重の壁を突破しなければならないわけである。対して安定9段台の人であれば、自力で十段までいける。そこから確変を引けば天鳳位になれるわけだが、突破すべき壁は1枚で済む。ここにはかなり大きな差があると言っていいだろう。
 少し視点を変えてみよう。安定9段台の人は九段のラス-165ptに耐えうる力を持っている。そして十段の-180ptとはたった15の差しかない。180÷15=12である。机上の空論めいたことを言うが、仮に100戦打って今までよりもラスをたったの1回減らすことができるようになれば11回ラスるまでは九段で打ってるのと変わらない状態となる。私はそんなことを考えながら去年打っていたし、差が15ptしかないなら十段坂も別にやってやれなくはないかなと思っていた。

 続いて、天鳳の昇段シミュレーターで検証してみた。これがどんなものかというと最初に自分の成績(安定段位)・段位・所有ptを入力する。シミュレート内容はそこから昇段or降段するまで打ち続けたものを1回とし、それを1000回繰り返して何回昇段したかで昇段確率が算出される。条件を変えずにシミュレートを何度も行うと結果にバラつきは出てくるが誤差数%といったところだ。で、今回は十段原点+数種類の安定段位を用いてシミュレートを行い、昇天確率を算出してみた。その結果は次の図のとおり。

 シミュレート結果にはバラつきがあるので毎回この数値が出てくるわけではないが、まあ大体こんなものである。このシミュレーターがどういう理論で構築されているのか私にはさっぱりだが、安定10段の昇天確率が50%であるところを見ると信用できるものだと思う。上の表を見てどう捉えるかは人それぞれかと思うが、有識者(スロカス)からの意見を言わせてもらうと当たってくれたっていいじゃんと思うのは20%までだ。安定9段なら十段に5回なればその内1回は昇天できる計算だ。6~7000戦くらい打てばいけるのではないだろうか。3~4000戦くらいでクリアしたいのであれば安定9.5段はあった方がいいだろう。十段に3回なれば1回はいける(絶対ではないが)。このくらいの確率なら無理ゲー感はなくなってくる。シミュレート結果からも安定9段あれば天鳳位が現実的に狙えることがおわかりいただけるかと思う。
 
Part2へ続く。

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