財政破綻論に対する回答例(インフレ問題)

前回の借金問題の続きです。

インフレ問題

国の借金問題が解消すると次はインフレ問題となりますので、こちらも解説してみます。

インフレそのものは問題ではない

基本的にはお金を増やしても減らしても現実の物やサービスの供給は変わらずに、その分配が変わるだけ、
結果として需要に変化が生まれる事で供給も増減する。

例えば、政府が明日から今までの1円は新10円と定めて、
それに応じた現金の交換や銀行預金や借金の等の額をすべて10倍にしても、
数字上は物価も為替もそれに応じて変化するが生活には大した変化はありませんね?

問題は政府支出による供給されるお金が偏る事にある。

支出自体で偏る場合もあれば、市場に供給されたお金が市場経済の中で偏る場合もある。

物価が上昇しても、それ以上に所得が伸びていれば経済成長と言えます。

悪性インフレ問題

海外での需要増や供給減で必用な資源の価格が上昇したり、
国内での生産が減少して実際の物やサービスが足りなくなってのインフレに対しては、
財政支出を絞ったり、金融引締めを行っても現実の問題は何も解決しない。

供給のボトルネックとなる問題を解決しない限りは現実の物不足には対応できず、
財政支出を絞るより、どうしても足りない分は使用制限を設けながら、
予算を付け
生産をする、
別の調達ルートを探す、
代替品を開発する、
等の支出を増やしボトルネックの解消を目指すことの方が現実的なる。

JGP的なインフレ対策

JGP押しではないので間違っているかもしれないが個人的な考えを書いてみます。
Job Guarantee Programではインフレを対策しているというより格差対策を取っている様に思えます。
生活に困らない最低賃金を強制的に設定する事で、ある程度の生活の保障と労働分配率の上昇によって格差の縮小を狙う。
必要な人にだけJGによって給付を行うことで市場での格差拡大を最小限に抑える。

格差拡大を抑えつつ安定した景気を維持する事を目的として政策となっていると私は考えています。

問題点は格差問題には強いが、悪性のインフレにはあまり効果がないことだろう。
JGは労働バッファー的な一時的な雇用による社会保障なので、
研究費を付けたり、JGではなく公共事業として行った方がボトルネックの解消としては結果が出やすいのではないかと考えています。

まとめ

インフレそのものは問題ではなく、
問題は格差や現実の物やサービスの不足である

一般的なインフレ対策とされる財政的な抑制と金融引締めは
デマンドプルインフレをつぶす効果はあっても、
悪性のインフレ対策とはあまりならないのではないか?

つまり、インフレはあまり気にせず現実の問題の解決に注力する事を考えていれば破滅的ハイパーインフレに陥る可能性はほとんどない。
どれだけ財政的に抑制して金融政策も引き締めていても、
国家として生産能力や国力が落ちてしまえば、現実的な物やサービスの供給不足によってハイパーインフレと成りえる。

貨幣現象より現実をみるのが大切と私は考えます。

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