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今年は旅の振り返りをしたい。
背景
僕は、大学院の後半で少し時間ができた時期と、仕事が始まるまでのギャップ期間の一年間を使って、20カ国をバックパックで旅しました。
その後、東京で就職し、現在は会社員として働いています。仕事が始まってからは、毎日を生きるのに精一杯の日々が続いています。
今年は、そんな忙しさの中で少し立ち止まり、旅の記憶を振り返っていこうと思っています。
星野道夫さんの著者を読んで、旅の記録を残しておきたいと思った
僕は動物カメラマンの星野道夫さんの写真集や著書が大好きです。
その中でも、著書『旅をする木』に登場する印象的な場面があります。
クジラの撮影のためにアラスカを旅していた星野道夫さんに、東京から友人が1週間だけ同行しました。そんな一同の目の前で、一頭のザトウクジラが海面から飛び上がる瞬間が訪れます。その光景を目の当たりにした友人は、こう語ったそうです。
「東京での仕事は忙しかったけれど、本当に行って良かった。何が良かったかって?それはね、私が東京であわただしく働いている時、その同じ瞬間、もしかするとアラスカの海でクジラが飛び上がっているかもしれない――それを知ったこと」
そして、星野道夫さん自身も次のように語っています。
「ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい。」
僕は周りの影響を受けやすいタイプです。会社員として働いていくうちに、徐々に視野が狭くなっていくのを感じています。数ヶ月前まで世界はあんなに広かったのに、たった一人の上司が世界のすべてのように感じる瞬間さえあります。キャリアだけを突き詰めていける強い人間なら別にそれでも問題はないのでしょうが、私はそこまで強くありません。
世界がすごく狭く感じて苦しくなったとき、ふと肩の力を抜いて、心が軽くなる時間をもてるように、旅の記録を残しておきたいのです。
というこうでこれからマイペースに更新していきます。
次回からは、僕の初めてのバックパック旅である東ヨーロッパ編から始めようと思います。