データ分析初心者に「目的設定」の重要性を伝えるには?
はじめに
こんにちは。Tomitaです。
先日、Xを眺めていたら下記のnoteを拝見しました。
こちらの記事の意見については私自身完全に同意の立場です。
また、日頃からデータを扱う人にとっては至極当たり前の考え方かもしれません。
ですが、この手の話はネット上にたくさん載っているにも関わらず、特にデータ分析初心者の人が陥りやすいポイントでもあります。
それは一体なぜでしょうか?初心者にも一発で目的をもつことの重要性を伝えるためにどうすればいいのでしょうか?
この記事では上記テーマについて、主に以下の人を対象に記載します。
・これからデータ分析を始める人、データ分析に興味を持っている人
・なぜデータ分析に目的が必要なのか十分に理解できていない人
・データ分析初心者に、データ分析のノウハウを伝える人
データ分析初心者は何を考えるか(経験談をもとに)
なんだか偉そうに書き出しを作りましたが、何を隠そう私自身、データ分析初心者であります。
元々文系であり、就職先も、とある地方の自治体で事務職に就いたためデータ分析などとは縁遠い仕事をしてきました。
それが2年ほど前、ひょんなことからデータ分析をしなければいけない状況となりました。ただしそんな分析スキルはないので、分析自体は業者に委託する形です。
さて、データ分析することになったけど、何をしていいかわからない状態の私。最初に取った行動は「とりあえず必要そうなデータを集め始めた」のです。
そう、まさにこのとき私は典型的な「目的なきデータ分析」に陥っていました。
なんとか「必要そうなデータ」の目星がついたところで、次に私は委託業者と打ち合わせをセッティングし、「このデータを分析してください」と伝えました。
するとそこで、恐ろしい一言が飛び出します。
「承知しました。このデータ分析の目的は何ですか?」
この瞬間、私は頭が真っ白になりました。
(え?データ分析って、データを集めて分析すれば何か課題が見えてくるものじゃないの?)
(データ分析の目的・・・データを分析して課題を解決することです??)
その打ち合せがどのように終わったのかはもはや覚えていません。
当時の私は「データ分析」というものを、「それっぽいデータをプロに渡せば自動的に深い示唆を得られる万能な作業」のように捉えていたのかもしれません。
この経験を経て、ひとまず私は「データ分析にはまず目的を設定する必要がある」ということを理解しました。
が、頭では理解しつつも、まだ何か喉奥に引っ掛かり、すべてをすんなり飲み込めたわけではありませんでした。
(でも、データを見ていく中で発見することもあるんじゃないか?)
あれだけ苦い思いをしたにも関わらず、往生際が悪い。
ただ実際、この問いに対して完全に納得できる答えを当時持ち合わせていなかったのも事実でした。
ネットに上がっている記事をいくら読んでも、大体同じようなことが書いている。
「目的をもっていないと、論点や本当に必要なデータが定まらない。」
「必要ない作業をしなければいけなくなり、時間と労力ばかりかかってしまう。」
(それはそのとおりだと思うけど、なんかすっきり納得できないなあ・・・)とモヤモヤし続け、私なりに出した答えは・・・
データ分析は「買い物」である
前置きが長くなりましたが、この記事で言いたいことはこれだけです。
つまり、「データ分析」という一連の行為を「買い物」で例えるとめちゃくちゃわかりやすい!!
「これだけ長々書いておいて、ただの例え話かよ」と呆れられてしまいそうですが、実際に私はこの例えでデータ分析における目的設定の重要性を完全に理解し納得できました。
以下の図はデータ分析の流れを示したものですが、これに買い物の例を当てはめると下記のようになります。
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①現状に不足するものを調達しようと考える=目的設定(Task)
例)「そろそろ寒くなってきたから、冬用のアウターがほしいな」
↓
②価格やそのときの流行りなどを調べる=データ収集(Get data)
↓
③人気のモデルやインフルエンサーが着ている写真を見る=可視化(Choose visual mapping)・データ分析(View data)
↓
④写真などを参考にして、自分に似合うかどうか見極める=示唆を得る(Develop insight)
↓
⑤販売店やネットで購入する=意思決定(Act(share))
まさにデータ分析の流れそのものですよね。
ただ、「いやあ、でもショッピングモールをただぶらぶらすることもあるじゃん。」と思う人もいるかもしれません。
まさにその状態こそが「目的なきデータ分析」です。
では「ショッピングモールをただぶらぶらすること」の問題点は何でしょうか?一度、その状態を想像してみてください。
ここでの問題点は以下のとおりです。
①買い物に来ているのに、何も買わずに帰る可能性がある。
→何も品物(成果)も得られない
②時間をかけ、たまたま買いたいものを見つけたが品切れだった。
→時間をかけた割に、思っていた結果と違った
③衝動買いをしたが、その後一切使用することはなかった/ほかの店の方が安かった
→誤った意思決定
もちろん「買い物」の場合は、ショッピングモールをぶらぶらする時間そのものに価値を感じる方もいるので一概に無駄とは言えません。
ただ、「データ分析」に関しては、多くの場合何かしらの示唆や成果が生まれなければ、その行為に価値は発生しません。
以上、「データ分析」を「買い物」で例えるとわかりやすい!というお話でした。
最も「買い物」以外にもっとわかりやすい例があるかもしれません。
ここで述べた「買い物」は例え話の一例で、詰まるところ他の例があれば「買い物」でなくても問題ないと思います。
要は、初心者がしっかり腹落ちできる説明ができればよいのです。
まとめ
この記事の要点をまとめると以下のようになります。
データ分析初心者は、「データ分析をすれば何かスゴイことが起こるはず!」と思い込んでいる可能性がある。
データ分析初心者は、「目的なきデータ分析は無駄」と説かれても完全に納得していない可能性がある。
データ分析初心者に納得感を与えるためには、データ分析を「買い物」などで例えるとわかりやすい。
この記事が、データ分析に向き合う人たちの一助となれば幸いです。
ご精読いただきありがとうございました。