目的語感覚を身に付けよう (2023年4月版)
小学校の英語が教科化されたけれども、活動に慣れ親しむ中で英語を身に付けることが推奨され、中学校でも所謂「明示的」な文法指導は文科省的には薦められていない状況で、私が主として指導している「高校生レベル」の学習者の「文法知識」は相当に温度差があります。
高校段階の文法教材の多くが「文型」という名の「動詞型」の指導に重点を置いて、分析・分類を求めることが多いのですが、その反面、そもそもの動詞の分類で「自動詞」「他動詞」とは?「目的語」とは?というところでは、多くの学習者を置き去りにしているようにも感じています。
たとえば、「他動詞とは目的語をとる動詞のこと」という説明をしてしまうと、「目的語とは他動詞の動作が影響を与える名詞のこと」という説明では「トートロジー」のようになり、理解が深まるどころか、堂々巡りとなってしまいます。
私自身は学習者としても教師としても「文型」に重きを置いてはいないので、動詞の使い方、使われ方をひとつひとつ丁寧に扱うことを心がけて、30年以上指導してきましたが、それでも「トートロジー」に陥らないような「目的語」の指導には苦心・腐心してきました。
新年度の教材を精査する中で、これまでの授業用ハンドアウトを改訂しましたので、期間限定でこちらで公開します。
既にツイッターの方では最初の2ページは公開していました
こちらが最初のページですね。
こちらでは有料記事としてA4判で全20頁を公開します。
その1:「目的語」ってどういう意味?
日英の対照で目的語の生息域を実感します
その2:「目的」に囚われすぎるとゴールを見失う?
「その1」の復習と、動詞の意味と目的語の名詞 の「意味」の関係を深堀します。
その3:地に足のついた学びで目的地へ!
身近な語を用いて、動詞の個々の用法から、その語の全体像を捉える試みです。
その4:「ない」ようで「ある」? 「ある」ようで「ない」?
「意味」の実感にとことんこだわります。
補遺:「その4」で取り上げた「授与しない授与動詞」が分かりにくい、という声がありましたので。「授与動詞」界隈を補足する「補遺」をA4で4ページ分あります。
その5:「罪を憎んで人を憎まず」の発想を援用して「コトガラ」の目的語の実感に迫ります。
その6:見た目がS+Vの文なのに、巷の教材での「文型」や「動詞型」では扱いが不十分な動詞を取り上げます。
番外編:接頭辞・接尾辞で煙に巻かれないために、意味の成り立ちを丁寧に扱います。チャンクで捉える効能も。
実際の授業では、これにさらに私自身の解説と類例の補充がなされますが、この記事だけでも、類書にはないきめ細かい配慮がなされていますので、自学自習も可能だろうと思います。
それでは以下pdfを。
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