【幼なじみは作れる】何歳になっても幼なじみになれるパーフェクト理論、知ってますか?『今日から始める幼なじみ』
【レビュアー/澤村晋作】
男子中高生に聞いた一番欲しいものランキング1位はなんでしょうか?
僕の脳内しらべですと、かわいい「幼なじみ」です。
異論はないかと思います。
しかし、実際に幼なじみがいるという人は少ないもの。
じゃあ、なればいいじゃない。今日から。
そんなわけで、ご紹介するのが『今日から始める幼なじみ』です。
1・NEW幼なじみ
主人公の男子中学生・相田航平。
彼の隣の席は転校生の柚木楓。
楓は航平の隣家に引っ越してきました。
2階の自室は向き合っているため、ちょっと無理すれば窓越しで会話もできる距離なのですが……。
「私と…幼なじみになってください!!」
放課後、航平を呼び出した楓はそう言います。
転校を繰り返してきた楓は、幼なじみに憧れていたのです。
前述のとおり、航平は席も家も隣で窓越しに会話も可能。
「そんなのもう幼なじみだもん!」
パーフェクトな理論です。
かわいらしい楓の申し出を、航平が断れるはずもありません。
そんなわけで二人は幼なじみになりました。
2・理想の幼馴染
楓には「幼なじみならこうする」という理想がありました。
「下の名前で呼び合う」
「寝坊した幼なじみの男の子を起こしに行く」
「一緒に勉強をしているのにさぼろうとする幼なじみを注意する」
などです。
ちょっとファンタジーが入っていますが、漫画でよく見るシチュエーションですね。
しかし、もはや意識をせずにそういうことができる天然の幼なじみと違い、彼らは思春期になってから即席でなった幼なじみです。
下の名前で呼ぶのも恥ずかしがるし、起こすために家に上がる勇気もなくて玄関先でうろうろしますし、二人で勉強している姿は恋人にしか見えないので誤解されたりします。
そう、気づきましたね?
本作は、そんな初々しい二人の青春を愛でる作品なのです。
・まとめ
本作は、「こんな幼なじみが欲しかった」という作品でありつつ、「こんな青春を送りたかった」と思わせる二重構造です。
航平と楓の、ピュアな交流は、日々の生活の中で忘れていた青春を、思い出させてくれるかもしれません。