世渡りベタなバブル世代に降りかかる理不尽な仕打ちがつらすぎる『ティラノ部長』【堀江貴文の月イチ漫画レビュー】
【堀江貴文の月イチ漫画レビュー】は、漫画を愛する堀江貴文氏が超多忙を極める合間に読んでおもしろかった作品を毎月レビューするコーナーです。長文レビューもあれば超短文レビューもありますが、そこはご愛嬌。本当におもしろいと思ったものしかレビューしませんので、どうぞお付き合いください。(編集部)
【レビュアー/堀江貴文】
鈴木おさむ原作、したら領さん作画の漫画『ティラノ部長』がじわじわくる。というか、だいぶ前に鈴木おさむInstagramのタイムラインに突然連載漫画が始まった時はアレっ?と思ったが、すぐに連載を楽しみにするようになった。
私よりもちょっと上の世代でおそらくそれなりの企業の部長であるティラノ部長は、昭和の体育会世代でバブルも経験している、と言うかど真ん中の世代でスマホすら使うことができない。仕事ができないわけでもないのだが、なんとなく性格からなのか、損ばかりしている「実はいいやつ」だ。
そんないいやつを鈴木おさむはしつこく追い詰める。だいたい何かやるとティラノ部長は不幸になっていくのである。そんなティラノ部長を自分に重ね合わせる。
誰しもなんらかの理不尽な不利益を被っていることはあるものだ。時流に取り残されたものの悲哀に共感するのである。
ティラノ部長の行く末が気になって鈴木おさむに結末はどうなるのか聞いてみたことがある。なんというか悲惨な結末だけは避けてほしい、そう心から思える漫画なのである。