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【冷静に見て闇】 登録者150万人を超すゲーム実況者のリアル『パパはゲーム実況者 ガッチマンの愉快で平穏な日々』
【レビュアー/西川裕貴】
こんにちは! ゲーム制作会社「サイバーコネクトツー」の西川裕貴です。
皆さん「ゲーム実況」というお仕事はご存じですか?
ウィキペディアでは「ゲーム実況とは、プレイヤーが実況をしながらコンピュータゲームをプレイする行為、その模様を配信する事、職業。これを行う者、職業として従事する者をゲーム実況者という。」といった説明がされています。
「なんだ、案外簡単な仕事そうだな」とか一瞬でも思った、そこのアナタ……!
トンデモナイ!
私も過去、開発したゲームのPRで「開発者とオンライン対戦しよう」みたいなネット配信番組に出演したことがあるのですが、緊張したりプレイに集中するあまり、全然面白い言葉が出てこず、ゲーム実況の難しさを痛感しました。
そんな高難易度のゲーム実況ですが、人気の実況者たちは皆、プレイスタイルやリアクションが個性的でトークも面白く、視聴者に「次の動画も見よう」という気にさせる魅力を持っています。
ゲーム実況者……マジでスゴイです!
ということで今回のレビューですが、そんなゲーム実況者が主役の漫画『パパはゲーム実況者 ガッチマンの愉快で平穏な日々』です。
主人公は、実在するゲーム実況者「ガッチマン」。
本作はゲーム実況者のお仕事の裏側や知られざる日常を、妻である「トラちん」さんが四コマ形式で描いた漫画です。
■ガッチマンのYouTubeチャンネル
ガッチマンは、ゲーム実況歴10年以上の大ベテランで、YouTubeチャンネル登録者数150万人以上の大人気ゲーム実況者です。
ただ、そんな大人気ゲーム実況者も最初から上手くいっていたワケではなく、予期せぬ機材トラブルがあったり、イベントが急に中止になったり、不眠不休でゲームクリアを目指したり……と、お仕事が軌道に乗るまでに色々な苦労があったことが、次々に明かされていきます。
トラちんさん曰く「なるべく明るい内容をネタに選んだ」とのことで、可愛らしい作画でオモシロおかしく描かれているのですが、冷静に見ると闇すぎる内容も多く、ゲーム実況というお仕事の大変さについて改めて良く理解できました。
また、当たり前といえば当たり前なのですが、視聴者のスマホやPC画面の向こう側にいるゲーム実況者も、生身の人間であり、お仕事以外の日常があります。
ゲーム実況のお仕事を続けるためには、チャンネル登録者数や動画再生数、視聴者の応援がとても大事だと思いますが、それと同じぐらい、活動を支えてくれる「家族」がどれだけかけがえのない存在であるか……それを気付かせてくれる漫画になっています。
どんなお仕事でもそうですが、一番の味方が「家族」なのって……素晴らしいですよね。
どれだけ開発に時間とお金をかけても、どれだけ面白いゲームに仕上がったとしても、世の中に広まらなければビジネスとして成功しませんし、ゲームクリエイターは勿論、プロジェクトに携わった全ての方々の努力が報われません。
だからこそ「ゲームの魅力を伝えてくれる」ゲーム実況者は、ゲーム作りの仕事をしている私自身にとって、とても有難く、尊敬する存在です。
……でも、そんなゲーム実況や実況者の存在やお仕事は、世の中にはまだまだ知られていない気がします。
ゲーム実況って、どんなお仕事なんだろう?
ゲーム実況って、どんな人がしてるのかな?
このレビューを読んで、ゲーム実況というお仕事やゲーム実況者の生態について興味が沸いた方は、ぜひ本作を手に取っていただけると嬉しいです。