リストラ・離婚で風俗に現実逃避した46歳ハゲ親父が、青春時代をやり直す漫画!?『ハイポジ』
※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)
【レビュアー/堀江貴文】
80年代の青春を描かせたら右に出る者はないかもしれない「きらたかし」の新作漫画『ハイポジ』。
まるで「FM STATION」の表紙イラストのようなビジュアルで、46歳おじさんのベタなタイムスリップの物語を描いている。
私も実は46歳になったばかり。人ごととは思えない。
一歩間違ったら、このさえないハゲ親父と同じ人生を歩んでいただろう。
46歳ハゲ親父の人生リセット
主人公の天野は、会社をリストラされ妻には三行半を突きつけられ、22年ぶりに行った風俗で写真とは全く違う女の子とマットプレイを楽しんでいた。
するとその風俗店で火事に巻き込まれ、非業の死を遂げる、という奴である。絶対こんな死に方したくない。
物語はここから始まる。
死ぬと思ったら、高校生時代にタイムスリップしていたということだ。
私より2歳ほど上の世代の設定だが、ほとんど共有していた時代は同じだ。
残念ながら私は男子校だったので同級生に恋をするということはなかったのであるが、人生経験を経て再び高校生に戻ると人生ってこんなに有利に進むんだって感じだ。
当時のファッションや洋服の流行などを懐かしく思いながら、当時は口説けなかった女子を口説いてデートに誘ったり、童貞だったのに軽く年上女性とのセックスを経験してさらに余裕をかませるようになる感じが、ある意味痛快ではある。
現実の今が悲惨だからこそ、そのギャップが感じられる。ある意味長い夢を見ているような感じで切なさを感じる。
身体が軽いとか、その辺は実際タイムスリップして当時の身体に戻れたら自分も感じるんだろうなあってシミジミする感じ。これからの展開が楽しみだ。