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セックスは好意の証? 軽度の知的障害者の生々しい恋がヒリヒリ痛い『初恋、ざらり』【堀江貴文の月イチ漫画レビュー】

【堀江貴文の月イチ漫画レビュー】は、漫画を愛する堀江貴文氏が超多忙を極める合間に読んでおもしろかった作品を毎月レビューするコーナーです。長文レビューもあれば超短文レビューもありますが、そこはご愛嬌。本当におもしろいと思ったものしかレビューしませんので、どうぞお付き合いください。(編集部)

【レビュアー/堀江貴文

軽度の知的障害者の可愛い女の子の恋愛を描いた漫画。

軽度の知的障害は外見からはもちろん区別もつかず、ちょっとおっちょこちょいだなぁとか、空気読めてないなぁとかそんな感じに見えるので周りも区別がつけにくい。

それが、トラブルの原因にもなったりする。

日常生活でも、部屋がちゃんと片付けられないとか、身体を満足に洗えないとかさまざまなトラブルが発生することもある。重度の障害だと、いきなりキレたりしてわかりやすいのだが、軽いとわかりにくい。

そんな周りにいそうで、でも隔離された場所にしかいない軽度知的障害者のリアルがわかる。

主人公は時々温泉旅館のコンパニオンとして働いていた。知的障害のせいか、男性客から無理やり関係を迫られても、それが自分に対する評価だと勘違いして性的行為をしてしまったりしているが、障害のコンプレックスもありまともな恋愛をしたことがない。親もネグレクト気味である。

そんなある日、堕落した生活を続けてはだめだということで求職。採用されたバイト先で出会った男性に好意を持たれてしまう。そこから始まるさまざまな知的障害者の恋愛ならではのことを描いた作品である。普段我々が目にすることのない、そんな出来事で満ち溢れている。

作者もADHDなどの障害がありネット上に作品を発表して評価されたことで出版にこぎつけたということがあり、なかなかリアリティがある描写も多い作品だ。