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ホリエモン的にアリ!今こそ東京に天守閣を!『江戸城再建』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/堀江貴文

皇居がかつて江戸城だったことは周知の事実だろうが、あそこに天守閣が建っていたことはにわかには想像し難いかもしれない。

明暦の大火で天守が焼失してすぐに再建を、との動きが当然あったのだが、既に江戸幕府が安定し、「軍事の象徴たる天守閣はすでに必要ない」との意見が幕府のご意見番だった保科正之より出てしまい、再建されぬまま現代に至ったのである。

それくらい江戸は火災も多かったのだ。

本作はその天守閣を民間企業主導で再建し、東京のシンボルとして観光名所というだけでなく、「日本人の心のシンボル」としても作りたいという熱い思いを抱く建設会社の社員が中心となって、この計画を推進していくという突拍子もないお話なのである。

しかし、やはり同じく突拍子もない思いつきから建設された東京タワーは、首都圏に電波を広く送るという使命を全うした後も東京のシンボルとして燦然と輝く。

同じように江戸城も再建されるとそうなるという主張なのである。

もちろん一筋縄ではいかない。

土台となる石垣を管理する文化庁や、最大の抵抗勢力となりうる宮内庁に突撃し、理詰と情熱で木造の江戸城再建を訴えていくのである。

人々の感情からくる世論の動きや資金調達、実際の施工に至るまで、どんなドラマが繰り広げられるのか。

この物語は明らかにこの作品きっかけで、映像化までもっていき、ひいては実際に建てるところまで構想しているとしか思えない。

かくいう私もこの物語を読んでいると「再建もありなんじゃないか」という気持ちになってしまったのである。