ホリエモンも応援!「一年以内に売れなかったらAVデビュー」を回避するためにがんばるアイドル応援漫画『バックステージ!』
※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)
【レビュアー/堀江貴文】
『バックステージ!』に登場するアイドルグループ”マイルストーン”は、事務所が潰れてマネージャーごと放り出された。
それを救ったのが今の所属事務所。
しかし突然、契約を盾に全員が元アイドルとしてAVデビューさせられることになってしまう。これが物語の導入だ。
たしかに、超有名AV会社の所属AV女優には聞いたこともない「元アイドル」が多数存在する。
中には騙されたのではないかと思われる事例も散見される。
本作はフィクションとはいえ、それを赤裸々に描いている。事務所社長はよくわからないままに彼女らがサインした契約書を盾にAV出演を強要してくる。
四面楚歌のマネージャーが出した苦肉の策が、一年以内に東京ドームを満員にするくらいのメジャーアイドルになって契約書に記載されている契約金を返すという無謀なカウンターだ。
いわく「一年以内に売れなかったらAVデビューしてしまうアイドルグループ」だ。
啖呵を切ったはいいものの、具体的な施策は持ち合わせず行き当たりばったり。
彼女らは自分たちだけでなんとかしようとするがうまくいかない。
しかし共通の敵を持つ敏腕プロデューサーを何とか味方に付け、大物アイドルへの道を少しずつ登っていこうとする。
この物語は単なる色物アイドルの話ではなく、アイドルビジネスの本質を解き明かしていくいわばアイドルビジネス漫画でもあるのだ。
まだ連載中が故に、どのような結末になるのかわからない。
彼女らが裏切りなどの困難を乗り越えて東京ドームを一杯にできる国民的アイドルになることを望む。