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リクエストお題「実績もノウハウもない人が外タレを招聘するためには!」 その① 国内企画編

Twitterにて「noteで読みたいお題等ありますか?」とお伺いしたところ、リクエストのあったお題について今回は触れていきたいと思います。

まず私の過去の海外アーティスト招聘履歴はこちらから……。

さてここからはお題について。あくまで私の個人的な視点からの意見なので、色んな経験者のお話を聞いてそれでも「やってみたい!」と思う方はチャレンジしてみるのをお勧めします。

ということでまずは軽くSEというか大前提のお話から。

そもそも私が海外のバンドを招聘したのは、インタビューで繋がったオーストラリアのTHY ART IS MURDERが「日本行きたいんだけどさ…プロモーターいないよね?」って話をした事から始まります。

色々私も知ってる限りの情報をやりとりしたんですが、いまいちザイアート側が乗り気じゃない。んじゃ一緒にやるか、なんとかなるっしょ!くらいのノリで組んでしまった(まさかインペリコンでParkway Driveのトリ前でプレイするとか、AUSではデスコア王者的なレジェンド枠だと知らなかったのでめちゃくちゃ後から焦った)

まず真っ向からぶった斬ってしまうかもしれませんが、私は「海外バンドの招聘は初めてだったけど、バンドのスタッフ/ライブハウスのアルバイト/国内バンドのイベント主催」これを全て経験していました。PRESSやアテンドの経験もプラスすれば、海外のバンドとお仕事で接する機会も何度かありました。


全部を経験しておいた方が良いとまでは言いませんが。

せめて
国内のバンドをブッキングしたイベントを主催する
これは経験しておいた方がいいです、絶対。

私は「行動力化け物」と昔からの友人に言われるくらい、「悩むなら実際やってみよう」な感覚派。あんまりお勧めはしないですが、全部責任取りきる覚悟を装備すればこの生き方しても良いのかも。
もちろん勉強代(色んな失敗してそれをカバーする為にかかる手間や金銭)もとんでもないですが、得られるものは大きかったです。
でもあんな苦労、しんど過ぎるので後から同じ道を目指したい人はしなくてもいいよな…と思うのでここに書き記しておきます。


イベントってどうやるの?そこから始まった私の突撃エピソード

WOA 2019 にて THY ART IS MURDERの撮影

もう十年以上も前の事。
自分の住んでいる地域で好きなバンドを観たい!友達にも観せたい!という気持ちだけで、何にも知らないのに自主企画をスタート。当時多分19歳かハタチ。

ライブハウスの日程を抑え、ホールレンタルの予約をし(平日と土日祝でレンタル料金が全然違うのですが、土日祝の方が集客が望める事やバンドや自分のスケジュールを考慮して日程を決めます)いざ自分の好きなバンドにお声がけを!

やっている規模はかなり違いますが、同窓会やカラオケ飲み会とか、友達との飲み会幹事の延長線上。場所借りて、スケジュール立てて、イベントして、精算をするまでが簡単な流れです。

出演の依頼メールに自分の名前を記載し忘れて、当時結構精力的に活動していたバンドのメンバーさんから「自分の名も名乗れないような人は信用できないのでお断りです」と滅茶苦茶ボロクソにメールの返信でこき下ろされたこともあります(苦笑)
熱意だけで必死に丁寧な言葉で依頼文を書いてアピールしても、そういうところ見られる事もあります。まず一つ勉強になりました。

バンドが結構自分達でブッキングして各地を回っている時代だったので、コンタクトを取る方法も結構ありました。

ただ、人となりと熱意を知ってもらおう!とここで私は全国行脚へと出発。
時間とお金を必死に夜勤や掛け持ちのアルバイトで捻出し、ひたすら全国各地のライブへ足を運び「主催企画をやるので出演してください!」とアピール。
やってる事は完全に営業マン。人見知りなのに。

そしてここ重要なのですが、"実績って必要"です。
何のイベント関わってた、自身はバンドやってるのか、誰と知り合いか、これまで何を実際にやってきたか。
これ聞かれます。聞いた上でお断りされる事、多々ありました。出演の有無はもちろん、ライブハウスのレンタルもです。

まあ今考えたら当然かもしれない。当時の私はまだ大学生。
何十万もするライブハウスのレンタル料金、本当に払えるのかとか。
実際に当日ちゃんとライブイベントやってくれるのかとか。
単純に「コイツ誰やねん」って思われてたんでしょう。

地元のライブハウスに行って、地元のバンドと仲良くなってライブハウスのスタッフさんとも顔見知りになり…そこからは普通に企画をスムーズに日程出せるようになったかなと。


で、ひっくり返すようですが。
『未経験一発目から自主企画はやらない方がいい』
誰かのアシスタントとか共同企画とかを経験したり、バンドの主催に関わらせてもらってどんな流れなのかを見てから実際にやったほうが安全です。時間の流れやお金の流れをここで一旦経験してからの方が絶対に良い。お客さんも関係者も安心できる。
もちろん「ダメだ」ではないし、飛び込んでいく勇気と気合いは素晴らしいものだと思います。なのでここではあくまで「一番しんどくない方法」を私はすすめたいなって。

これは前述したnoteにも書いていたのですが、自分が好きな音楽、バシッと決まったと思えるメンツ、大して他の人に響いてないことあります(苦笑)

でも今はSNSも昔より発達しているし、アピールして露出できる事は沢山あります。当時はライブハウスの出口でビラ配りくらいしかできなかったけど。そこは今から始める人にとっては凄い強みかなって。

あと『最悪集客ゼロでも全部の経費支払えるくらいの貯蓄』は持っておきましょう。ライブハウスにも出演バンドの印象的にも大迷惑が掛かってしまう。
一人で全部やれるっていうのも強みだけど、誰かと一緒にしっかり担当決めて企画をやった方が隅々までケアも行き届くのでお勧めです。
ちゃんと連絡取り合って一緒にやれる信頼できる人と一緒に、が大前提ですが。

何もかもが手探りだったので、たくさん失敗したし色んな人に迷惑をかけてしまった事もありました。だけど沢山の人の理解やアドバイスがあったり、しっかり全責任は取りきるという姿勢を持ち続けたからなんとかなった私の駆け出しの時期でした。当時知り合ったバンドや仲間と今もずっと縁があるのはそのおかげかなって。


自分一人じゃ手の届く範囲に限界がある。
これは今になってあの頃の自分によくよく言い聞かせたい事。
根性と努力で大抵の事はなんとかできると思ってました。今も若干そうかもですが。
でもそれだけじゃどうにもならない事、沢山あるんですね。特に海外からバンドを招聘してツアーするとなると尚更です。それはまたこの次にでも。


個人的には、下の世代の人達が何か道を見出せるような企画がいつかやれたら良いなとも思ってます。こんな風にするんだよっていう一公演限定スタッフとかですね。
もちろん、バンドが自主企画で海外バンドを呼んだり、色んな企画やツアーチームが動いてる時代なので、私が動かずとも…な気もしますが。


ということで、今回は海外からのバンドの呼び方ではなく。
まずは国内の企画をやってみて経験してみよう!というお話でした。
何か質問やご感想等あれば、Twitter等でお気軽にお声掛けくださいませ。

読んでくださりありがとうございました!

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