
ANNISOKAY [INTERVIEW : 再録]
[Interview/Translation/Review/Photo : Marina]
[Answer : Norbert(Ba.) ]
2016年11月にアルバム"Devil May Care"をリリース。
本国ドイツではシーンを担う重要なバンドの1つとして人気も高く、その美しいメロディセンスは逸脱。今後の活躍に更に期待の高まるバンド、Annisokay(アニスオーケー)
今回はその創始メンバーの1人である、ベーシストのNorbertにお話を聞かせていただきました。
・この度はインタビューを受けてくださり、本当にありがとうございます。
まずは、11月の最新アルバム"Devil May Care"のリリースおめでとうございます。既に幾つかのショーを昨年ドイツ国内で行っていた皆様ですが、今作の手応えとしてはいかがですか?
(Norbert – bass player)
・ボク達はまだ皆からの反応に緊張しているところかな。ボク達はまもなくツアーに出るところで、このヘッドラインツアーでもっと沢山の新曲を披露することができるし、皆が新曲にどんな反応を示してくれるか見たいんだ。今のところ、各ソーシャルメディアから受け取る反応はどれもとてもいいよ。
・アルバムタイトル"Devil May Care" (向こう見ずな、無頓着な、がむしゃらな)に込められた意味や、このアルバムを通してのコンセプトがあれば教えてください。
・この"Devil May Care"は様々な社会問題に関しての身勝手な態度について、ボク達が感じたことや考えたことについての歌詞が大部分なんだ。この世界の中では今多くの事が間違っている。ただボク達は別に政治的な事を提示するバンドであろうとはしていないし、"こうするべきだ、こうしていこう"と呼びかけているわけでもない。単純に、この社会の中で生きていく中で、そしてこのアルバムの曲を書いていく上で逃れられない話題だったんだ。とても沢山の不正や不公平な事が存在し、まるで"新しい物に取り換えるから問題ないよ"とでも言うかのように日々ボク達は自分達の惑星を殺しているんだ。それが、このアルバムを通して伝えたかった一番の事かな。
・今作のジャケットやブックレットのデザインも、少しダークな中に幼さや無邪気さを表したような素敵なデザインですね。このアイディアはどこからきたのでしょうか?
・ボク達は一目で何を伝えようとしてるのかが明確になっているものを作ろうとしていたんだ。この小さく無邪気な少女は素晴らしい将来を夢見ているんだけれど、我々がこの惑星を荒廃させてしまったから彼女はガスマスクを着けなければいけない。この一枚でそれがシンプルに伝わるだろう?ボク達は自身の子供達が生きなければならない世界を、まさに今破壊しようとしているんだ。
・また、SmileではNorthlaneのMarcus、"Thumbs Up, Thumbs Down"ではEmil BullsのChristophと現在のシーンでも注目のアーティストとFeatしていますが、この素晴らしいコラボはどのようにして決まったのですか?
・Northlaneはボク達に大きな影響を与えているんだよ。ヨーロッパでいくつかのショーをNorthlaneと一緒にやって、Marcusにこのゲスト出演について尋ねたんだ。Marcusはオーストラリアに住んでいるからボク達はこの曲を彼に送ったんだけど、彼はそれをすぐに最高のモノに作り上げてくれたんだ。
Christophとボク達はEmil Bullsとのヨーロッパツアーを通して友達になったんだ。Emil Bullsはボク達が音楽や楽器について学び始めた頃に聴いていたバンドの1つなんだ。Christophは三日間もの間Annisokayのスタジオに来て、(ボク達の方の)Christophと曲を書いてくれたんだ。まるでソウルメイトみたいだったよ。この繋がりと音楽的なインスピレーションはとても素晴らしいんだ。そうやってできたコラボレーションはいつだって嬉しいしとてもエキサイティングで、彼らはAnnisokayの曲に刺激を与えてくれるんだ。
・今作はCO(共同制作)プロデューサーにWilliam Putney氏を迎えていますね。彼との音作りはいかがでしたか?
・実を言うと、William氏はボク達のサウンドを作ったわけではないんだ。彼は今作の幾つかのメロディと歌詞、曲の構成に共同制作として関わったんだよ。ボク達のサウンドの担当、責任者はChristophで、彼はリズムギターだけでなくクリーンヴォーカリストでもある。そして彼は同じくボク達のプロデューサーとして、このバンドができた当初からこのバンドの曲の大部分を制作してるんだ。新しい作品についてはこれが全ての真実さ。リアルなドラム、リアルなギターサウンド。ヘヴィでかつタイト、だけど合成は使わない、独特でユニークな感性を発揮した作品だよ。
・Annisokayの曲はどれも美しく、切なさと激しさ、力強さを巧く融合させた芸術品のような仕上がりだといつも思っています。曲作りに関しては、ギターのクリストフが自身のスタジオで手掛けていると聞いたのですが、この歌詞/メロディパート/スクリームパート/インストゥメンタルのバランスはどのようにして制作しているのですか?
・ボク達は音楽を制作する時に、どうしたらいいのか、どうやったら"わぁクールだ!"と思えるかを考えながら行っているんだ。正確なものを書きたい、またはあんな風にしたいとかアレに似せたようにをしたいと考え始めてしまうと、それは他のバンドのコピーになってしまう。全ての作品や曲はボク達を表すモノなんだ。これがボク達だ、ボク達はここにいる、とどんな時間や空間にいても発信している。ある嫌な気分や悲しい気持ちの日には、ボク達は悲しい曲を書くだろう。政治的な事に怒りを感じた日にはそういう怒りのこもった曲を書くんだ。
・MVの公開された"Blind Lane"ではメロディパート中心の構成に驚いたファンも多かったと思います。サウンドの面で今作はまた新たに挑戦した面もあったのでしょうか?
・ボク達は全ての曲、1曲毎にクリーンヴォーカルを入れるようにしているんだ。“Blind Lane"は新しいスタイルでは無いんだよ。もっと言うなら、これがボク達にとっては典型的なAnnisokayの曲なんだ。唯一の違いは、今回はこの曲でミュージックビデオを公開を制作したという事。アルバムが発売される少し前に“Loud”と“Blind Lane”のミュージックビデオを制作したんだ。そしてボク達はより刺激的で変化に富むように、この2つの全く異なる曲を作りたかったんだ。
・2016年にはEP"Annie Are You Okay?"のリリースもありましたね。バンド名の由来が彼の曲からきていると知っているファンからすれば、待望の1枚となった作品だと思いますが、全てマイケルジャクソンのカヴァーソングを収録した作品を作ろうと思ったきっかけは何ですか?
・カヴァーはとっても魅力的で、とても素晴らしいことができるんだ!ミュージシャンが誰もが知っているような有名な曲を彼ら自身のスタイルに変換して表現するという事になったのなら、それはスリリングな事さ。ボク達は既に女性アーティストによる最新の2つのポップヒットソングのカヴァーをしている、Lady Gagaの"Telephone"とMiley Cyrusの"Wrecking Ball"だね。キミが言及したように、このバンドの名前はMichael Jackson(マイケルジャクソン)の"Smooth Criminal"からきているんだ。そう、ボク達はこの偉大な音楽の天才に対して尊敬の念を抱かずにはいられなかった。でも彼の書いたポップヒットの音色を1曲だけにするんじゃ不十分だなって。誰もこうなるとは予期してなかったかもしれないけれど、ボク達は4つのトラックを選んだんだ。最も貴重な経験の1つは、マイケルジャクソンによる強い社会的な批評の歌詞がどう現代社会にも関連しているかって事。この狂った世界は何度も何度も同じ間違いを繰り返してる、そして20年も前にマイケルがこの世界をより良い場所にするために言わんとしていた事に、ボク達はより耳を傾けるべきなんじゃないかなって。
・実は皆様のショーが観たくて、昨年のEskimo CallboyツアーのDortmund公演に参加したんです。とても素晴らしいショーをありがとうございました。
ドイツは多くのバンドが存在し、世界の中でも特に巨大なミュージックシーンのある国だと思っています。間違いなく皆様はその中でも最も注目されているバンドの1つだと思っているのですが、デビューしてから今までバンドとして活動をしていく中で大きな変化等はありましたか?
・もちろんボク達はより大きな地位を得たいと心から思っているし、もっと多くの人々がショーに足を運んでくれるようになってほしいと思ってる。でも例えば音楽を作る時、そうする事が好きだからやるんだ。『この曲はボク達をロシア、もしくはアメリカへ連れて行ってくれるだろう』と思いながら曲を書いたことは一度も無いんだよ。ボク達の目標の始まりと終わりは、常にボク達自身が好きだと思う良い曲を書いていくことなんだ。それは変わらないよ。
・ドイツのミュージックシーンと言えば、昨年初めてドイツを訪れた際に皆様のライブで巨大なボート漕ぎ(rowing crowd)を見てとても驚いたのですが、アレはドイツではポピュラーなものなのですか?
・コンサートで一番重要な事は楽しむこと。もしキミが単に聴きたいのならそうする事ができるし、もしクレイジーになりたかったら是非参加してみて!つまりさ、ボク達は皆にクラウドやジャンプなんかをしてほしくてヘヴィな曲を持ってくるんだ。ロックショーはカクテルパーティーじゃないからね。でもピットの中での一番大切なルールは"ここにいる皆は1つのファミリー"もし誰かが倒れたり落ちてしまったとしたら、彼を助け起こしてあげて!
・初めて目の前で皆様の代表曲ともいえる"Sky"を聴いて、とても感動しました。あの曲ができた背景についても教えていただけますか?
・"Sky"はボク達の全ての始まりになった曲なんだ。そして明らかに、この歌詞は大きな喪失について書かれてる。
ボク達がどう思ったか、そしてどの経験がこの歌詞に繋がったかはボク達は今のところ話さないようにしてるんだ。それはこの曲が好きになってくれた皆の、それぞれの自身の考えや思い出になる(重ね合わせて聴くことができる)ことになるから。これは音楽の魔法だよね。それは誰かをを幸せにすることができるし悲しい時は助けてくれるんだ。キミにとってもそうだよ。
・この春にはリリース後初のヘッドライナ―ツアーも控えていますね。ドイツを中心にUKや周辺諸国を周るツアーのようですが、今後ツアーで行ってみたい国や地域はありますか?
・正直に言うと、ボク達は凄く日本にツアーをしに行ってみたいと思っているんだよね!この国とその文化はとっても印象的。それに音楽シーンについても沢山のいいところを聞いているんだ。
・日本という国やその日本のミュージックシーンについての印象を聞かせてください。
・ボク達は既にこのヨーロッパで、2つの日本のバンドと一緒にショーをしているんだ。coldrainとはいくつかのショーを一緒にやったし、Her Name In Bloodとは一緒にヨーロッパツアーを周ったんだよ。彼らは凄くクールなバンドで、とても礼儀正しくて素敵な人達だったよ。
・今後の皆様の活動についても教えてください。
・ちょうど今は、ヨーロッパでのヘッドライナーツアーを全員が楽しみにしているところだよ。夏はドイツで開催される多くのフェスティバルに出演する予定かな。
・もしよければ、最後に日本のファンへメッセージをおねがいします。
・読んでくれて本当にどうもありがとう。そしてボク達はできるだけ早く、キミ達の素敵な国でプレイする機会を得ることを心から願っています。
ありがとうございました!これからの皆様のご活躍を楽しみにしています。そして、いつかこの日本でもAnnisokayのショーを観ることができますように。
その美しいメロディと攻撃的なスクリームが印象的なバンド、Annisokay。
私自身、彼らの代名詞であるSkyを聴いて以来大好きなバンドであり、いつかショーを観たいバンドの1つでもありました。
今回はそんな彼らの待ちに待った新作に関してのインタビューをさせていただき、とても光栄です。改めて、マネージャー様、そしてNorbertに感謝を。
なんと、念願叶って昨年は彼らを観にドイツのDortmundという場所へ。撮影もさせていただき、とても大きな経験になりました。
実際に見てみると、その人気の高さと実力は一目瞭然。当日トリを務めていたヘッドライナーであるEskimo Callboyよりも現地での人気はとても高く、ファンベースは多いとの事。
クリーンヴォーカルもつとめるGt. Christoph。
彼の歌声は素晴らしい!の一言。実際に生で聴いてもその声や音色は音源と変わらぬクオリティ、巧いです。洗練されたサウンドも彼が手がけているとの事で、センスの良さがうかがえます。
そしてフロントマン、スクリームヴォーカルのDave。彼の人気も凄かった。一見、クリストフの一人勝ちの様な人気に見えるバンドですがそうじゃない、それがAnnisokayの凄いところ。
全員がとても高い演奏技術と美しいセンスの持ち主。どのメンバーを見ても惹かれるものがあります。そして流石その中央に構える人物というべきか…デイヴのファンとの一体感は凄かったです。
こちらはDr.のNico。
今度はもっと長いロングセット、ヘッドライナーとしてのショーを観たいと思うほど素晴らしいショーでした。ドイツ近辺でのショーをメインとし、国内での人気は不動ながらもなかなかその名前を日本で聞くことが少ない彼ら。その曲の素晴らしさは、絶対にこの日本でもリスナーの心を掴むと思います。是非聴いてみてください。
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