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Wacken Open Air 2019 Review (Day①)

8月1日、いよいよWacken Open Airの本戦がスタート。
メインの3日間の中でも初日は少しメインステージのエリアが開放されるまでに時間があり、PRESSテントの中では女性HR/HMシンガーの先駆者とも言えるDOROが記者会見をスタート。

彼女の登場に各国の記者やフォトグラファー達が沸く。

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残念ながらドイツ語が一切わからないため、何を話しているのかを聞き取ることはできなかったが、彼女のカリスマ性あふれるその姿を目の当たりにすることができた。


30周年の幕開け!SKYLINE!

そしていよいよメインステージのエリア Infieldがオープン!

FASTERステージの最初を飾るのはもちろん彼ら、このWOAをスタートさせ第1回から出場を続けているSkyline。やはり彼らのショーが無いとWacken Open Airが始まった気がしない。

ステージに登場したプロモーターのThomas氏がバンドと共にベースを披露するという場面も。

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Setlist
1. 30 Years Ago
2.
Perfect Strangers
3. 
Shot Down in Flames (AC/DC cover)
4.
Fear of the Dark (Iron Maiden cover)
5.
 Hush (Joe South cover)
6. All for Metal (Doro cover)
7. All We Are (Warlock cover)
8. Crazy Train (Ozzy Osbourne cover)
9. In The End (LINKIN PARK cover)
10. This Is W:O:A

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Doro/warlockのカヴァーでは、先ほど記者会見に登場したばかりのDOROが登場。一気にオーディエンスを盛り上げ、All We Areでは大きなシンガロングが巻き起こる。その姿はまさに、メタルクイーンの名に相応しい堂々たるもの。

更にお次のCrazy TrainではGus Gが登場。これには驚いた。そして極めつけに、空に向かって人差し指を向けた彼らが披露したのはLINKIN PARKの"In The End"。メタルの聖地と言われる場所で、その創始者達が亡きチェスターへと捧ぐ歌声。年代もジャンルも関係ない。サビでは自然とオーディエンスも一体となり、最後には空に響き渡る大合唱となった。

最後はThis Is W:O:Aでこの30周年の祝いの言葉と、集まったオーディエンスに感謝の言葉を述べ、多くの笑顔の中この日のSkylineのショーは幕を閉じた。


若き歌姫の率いるBEYOND THE BLACK

Skylineで爽やかに幕を開けた2019年のWacken Open Air。
続くHARDER STAGEのトップバッターを務めたのは、2014年に華々しいデビューを飾った、紅一点Jennifer Habenの率いる地元ドイツのBeyond The Black。

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序盤からIn To The ShadowLost In Foreverと代表曲を立て続けに披露。前評判通りの、伸びのあるJenniferの歌声が晴れ渡った空に響く。自国での人気もなかなかのもので、彼女が煽るとオーディエンスも一斉に拳を上げそれに応える。

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その美しくインパクトのある楽曲を、力強く支えている楽器隊のパフォーマンスも素晴らしい。Jenniferについ目がいきがちだが、各々のソロパートもかっちりとまとまっており、その楽曲の安定感が彼女の声を更に力強く伸びやかにステージから羽ばたかせているよう。

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Songs Of Love And Deathのサビでしっかりと聴かせた後の、キラーチューンHysteriaの流れも最高。メンバーの表情にも自然と笑みが溢れ、オーディエンスも見渡す限りのメロイックサインを掲げた。

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中盤、Heaven in HellLove Me Foreverでは世界的チェロ奏者のTina Guoとの美しいコラボレーションも披露。世界を舞台に戦う女性はこうも美しいのかとため息がこぼれた。

激しいばかりでなく、ピアノ演奏の中しっとりと聴かせる曲があったりと、メリハリのあるショーであっという間に11曲のセットが終了した。若手バンドのイメージがあった彼らだが、野外の大きなステージが抜群に似合う実力派バンドとしての力を存分に見せつけてくれた。

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Metal Battle Japan代表、Vanishing!

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メインステージそれぞれのトップバッターが終了し、次は初のHISTORY STAGEでの撮影へ。同時刻にLOUDER STAGEで始まるTESTAMENTも気になるところだが、せっかくこのドイツの地でプレイする日本のバンドを見逃すわけにはいかない。

METAL BATTLEの司会だろうか、出場国とバンド名をステージ中央で男性がコールしいよいよVanishingの演奏がスタート。

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近年、メタルコア/デスコア/デスメタルに寄りがちに感じるMETAL BATTLEのバンドだが、その中で彼らのスタイルは良い意味で他とは一線を画すもの。パンク/HC、そしてハードロックの要素も含んだ楽曲に徐々にステージには人だかりが。

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撮影をしていると『キミ日本人?このバンドめっちゃいいじゃん!日本のバンド初めて見たんだけどね』と周りの観客から声をかけられるほど、徐々に会場全体を巻き込んで盛り上げていく様が凄かった。

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残念ながら入賞こそ叶わなかったが、間違いなく多くのオーディエンスの心に彼らの曲やそのステージは深く刻み込まれたことだろう。



実力者揃いのVLTIMAS

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ex-MORBID ANGELのDavid Vincent、ex-MAYHEM/AURA NOIRのRune Blasphemer Eriksen、そしてCRYPTOPSYのFlo MonierによるスーパーバンドVLTIMASがW:E:T STAGEに登場。
曲の前奏に合わせ、ダークな風貌がドラキュラ伯爵を彷彿とさせるDavidがゆっくりとステージ中央に登場する様は圧巻。
CRYPTOPSYのイメージが強いFloのドラムだが、そのパワフルなプレイはバスドラ1点で演奏するVLTIMASでも健在。地鳴りのような演奏に、時折地を這うようなテノールとスクリームを使い分けるDavidのヴォーカルスタイル。さすが実力派と言うべきか、楽器隊の動きに派手な演出や動きが無くとも、その精巧な演奏に目が釘付けになるショーだった。



AIRBOURNE AUS発の笑顔弾けるロックン・ロール

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オーストラリア出身のAirbourneを待つ間、おそらくパイロのテスト噴射で今年のステージ幕が焼けてしまうという出来事も。
始まる前から笑いも起こり、何が始まるのだろうか、彼らなら何かぶっ飛んだものを見せてくれるに違いないという期待で胸が膨らむ。

映画:ターミネーターのテーマソングをSEにドラマーが登場すると、Ready to Rockから彼らのショーがエンジン全開でスタート。メンバー全員が演奏しながら全力疾走で登場したステージはエネルギッシュで、カメラが全く追いつかないほど。シンガロングパートではオーディエンスの大合唱が気持ち良すぎるほど響く。

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休む間も無く次曲Too Much, Too Young, Too Fastがスタート。THE ROCK N' ROLL全開なそのパフォーマンスは、見ているだけで全ての人間が笑顔になりそうなほどプラスなエネルギーをこちらへ届けてくれる。

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その後10月にリリース予定の最新作よりBoneshakerを披露し、お次のGirls In Blackでは再びステージを縦横無尽に大暴れ。

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ステージから離れたオーディエンスの元へ、ステージを飛び出しVo.のJoelが全力疾走。もはや彼にステージという括りは必要ないかのように見えた。これにはファンも大喜び。最後はスタッフに肩車され、最前列の前を横断していく。
その後Breakin' Outta HellStand Up for Rock 'N' Roll等、そのハイテンションが収まることのないままプレイ。アンコールではRunnin' Wildも。まさに観客の笑顔が"弾けまくった"、最高に楽しいロックン・ロールショーだったと言えよう。



UNLEASHED

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再びW:E:T STAGEにてスウェーデンの大ベテランUnleashed。まさか一曲目にBlood of Liesをやるとは思わなかった。演奏は非常に精巧で音源と大差なく、ザクザクしたスピーディなギターがとても心地よい。
やはりベテラン故にか、リズムと反してヘッドバンキングが若干スローに見えたのはもうご愛敬だろう。Dead ForeverDon't Want to Be Born等のオールドな作品からの選曲が、序盤目を引いた。



記念すべきアニバーサリーショー SABATON

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さてこの初日のメインステージの大一番を飾るのは20周年として特別なショーを行うと公言していたSABATON。
メインステージを2つとも使用するという前代未聞の試み。どんなものが見られるのか、気温の急激に落ちた夜のWackenの空気に拍手と彼らの登場を心待ちにするファンの歓声が響く。

しかしここで思わぬトラブル(苦笑) HARDER STAGE側でスタートすると思っていたセキュリティと私たちPRESS勢は、FASTER STAGEでスタートしたGHOST DIVISIONと爆竹に3秒ほど真顔で固まり、全員で反対側のステージ前へ全力疾走する羽目に。事前告知も何もあったもんじゃない、セキュリティの係でさえ呆気にとられていたのだ。さぞかしこのカメラマンの大移動は奇妙に映ったことだろう…。

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最初のドタバタ劇を除けば、幕が降りればもうSABATONの世界観に一気に惹き込まれる。続くWinged HussarsResist and Biteでも一斉に挙がるオーディエンスの拳やリズムに合わせた拍手、その光景が圧巻の一言。ヨーロッパでの人気は相変わらず凄まじいもので、それがこの伝統あるWacken Open Airのメインステージで拝めるというだけでもオツなもの。テンポの良い曲、メンバー同士の仲の良い掛け合いは見ていて自然と笑みがこぼれる。

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『最新アルバムで、前のギタリストのトッベも参加して一緒に一曲作ったんだ』そうヨアキムが話すと、ステージにトッベが登場。

最新作THE GREAT WARよりFields of Verdumを披露。サビの壮大なコーラスが一層美しく夜空に響く。日本の西南戦争をテーマにしたSHIROYAMAには思わず足を止めて聴き入ってしまう。

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軍服に身を包んだコーラス隊も登場し、人気曲Carolus Rexではまさに壮大なミュージカルを見ているかのような大合唱に。中盤、遂にもう一方のHARDER STAGEの幕が開きBa.パルがこのWackenに込めた思いを語る。SABATONの20周年、これまでの旧メンバーがこのHARDERに集結し、2ステージでのショーを行うことに。そう、2ステージでのショーとはこういうことだったのだ。

更に終盤にはチェロ奏者のTina GuoがSABATONのコスチュームに身を包み再びこのメインステージに登場、美しいハーモニーを奏でながらSwedish Pegansをプレイ。

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全てのファン、そしてこのWackenの地に大きな感謝を述べ、その大歓声の中To Hell and Backと共にこの特別なアニバーサリーショーは幕を閉じた。

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闇の帝王 DARK FUNERAL

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SABATONの光り輝くステージから一変、HEADBANGERS STAGEではブラックメタルDark Funeralの出番が。物々しい雰囲気、そして禍々しい照明の中Open The Gatesからショーがスタート。黒と赤、そして炎が吹き上がるステージ、地の底から響くような声。メロディも爆音で力強いのに、どこか頬を撫でる夜風のような雰囲気が。そこに"何"が存在するわけでもないのに肌が粟立つような気さえした。

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来日公演をどうしようもない理由で見に行けず、泣きそうなほど後悔していたのでこの日はDark Funeralのショーを堪能。Vo.のHeljarmadrの凜とした立ち振る舞いがまたとてもかっこいいのである。儀式めいたショーを予想していたつもりが『観に来てくれた皆ありがとう』『Wacken30周年、本当におめでとう』というMCにも温かみを感じて驚いた。

その直後に突き刺すように始まったThe Arrival of Satan's Empireでは、容赦ないドラムとギターのザクザク刻むような音がVo.の声とうまく混ざり合い、耳から脳を侵食していくような錯覚にさえ襲われる。

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Dark Funeralの持ち時間があっという間に感じるほどの素晴らしいショーで、本戦初日が終了。明日も楽しみだ!!!


…正直、今年は参加者も多く以前この地を訪れた時よりも格段に歩きタバコが増えており、実は持病のアレルギーで高熱を出してしまいこの日の前半意識朦朧としていた著者。あまりの辛さにAcraniusNecrophobicを撮影できなかったことが今でも非常に心残りである…。


本戦初日に出会った最高なメタルヘッズ

世界各国からメタルファンが集結するWacken Open Air。メロイックサインは共通言語、国も性別も年齢も、そんなの全く関係ない!そんな最高なメタルヘッズを日付毎にご紹介!

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