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W.O.A 準備〜初日到着編

2017年8月2日-5日まで、ドイツのヴァッケンで開催された世界最大規模のメタルフェスティバル、Wacken Open Airに参加してきました。

メタラーであれば一度は憧れるであろうフェスティバルに、PRESS(取材スタッフ)として参加をしてきました。その模様を私MARINAの主観と共に書いていこうと思います。

Wacken Open Airとは?

1990年よりスタートした、ドイツ北部のホルシュタイン州ヴァッケンで毎年夏に開催されるヘヴィメタルのフェスティバル。
元々は地元のバンドSKYLINEを中心として街おこしとしてスタートしたイベントだが、徐々に規模を大きくし今では世界各国からのバンドの出演/何万人もの観客を集める巨大フェスティバルとなっている。
2017年は28回目の開催、今年2019年は30周年の記念すべきアニバーサリーイヤーとなっている。

よし!W.O.Aへ行こう!!


思い立ったのは2016年の年末。心から敬愛するドイツのメタルコアバンドHeaven Shall Burnの出演が発表された。
2012年の来日を見て以来、ドイツのW.O.Aのメインステージに立つ彼らの姿を一度でいいから観たいと願っていた私に遂にチャンス到来!行かないわけにはいかない。同じくドイツのPowerwolfの大ファンである友人と「W.O.Aに行くのは一生の夢だよね!」と以前から語っていたこともあり、彼女を誘いせっせと必要な書類を作り始めた……。
これまでに何度か参加した取材とはまた一味違う、世界クラスのフェスティバルへの申請。どうしてもHeaven Shall Burnの写真を撮りたかった私は、A4用紙60枚以上に及ぶ英語のレポートを作成。気合いと根性でなんとか無事にPRESSとしての権利を獲得した私達は、憧れの地に胸を躍らせながら初夏を過ごした。

How to get to W.O.A ~ヴァッケンへの私達の行き方~

8月1日深夜、仕事終わりにそのまま羽田空港へ向かい、ドバイ経由の便でドイツのハンブルクへ。日本から飛行機でヴァッケンに行くにはハンブルクが一番便利だと思う。安かったのでエミレーツ航空にしたのですが、荷物制限にビクビク(苦笑)大型荷物がある方はもう少し許容荷物量の多いエアラインで行くといいかもしれない。
ちなみに私の取材用バッグはカメラ込みで12kgあったので、余裕で持ち込み荷物量をオーバー。友人に少し分けて持ってもらうことになった。
テント生活なので安全性を考えてセキュリティ対策万全のキャリーバッグを新調。しかしこれが大きな波乱を初日に呼ぶことになるとはこの時の私達は知る由もない……。
今回はいつも一人で参加する海外取材と違い、メタルヘッズ友のGiruちゃんと一緒です。普段からただでさえ人と交流しない私が、気の会う友人とはいえ約一週間も一緒に過ごせるのか(結論から言うと余裕で過ごせた、すごく感謝してる)。しかしそんな僅かな不安と出発前に起きたトラブルもなんのその。爆睡と待機時間の長いトランジットで約19時間のフライトを終え無事にハンブルク空港へ到着。

↑ドバイの水の高さや売っている物の煌びやかさに笑いとテンションが上がる二人。

ハンブルクでの入国審査では『Wackenに行きます!!』と言うとあっさり通過。これにはびっくり。日本のパスポートとWackenの力なのか…。
ちなみにハンブルク空港ではそこら中にWackenのTシャツを着たスタッフがいた。日本食のレストランのお兄さん(もちろんドイツの方)も時期的にハンブルク空港に来る人達はほとんどWackenに行くんだよ〜と言っていた。土地柄というか国民性というか…ドイツ最高メタル最高!
…まぁ普段私デスコア関連のオシゴトが多いんですけどね。

空港から会場へ直行のシャトルバスも発見。
これ予約サイトがドイツ語で一切読めなかったんですが、聞いてみると近くの受付でチケットを買うことができたのでこのバスに決定。片道約€22。

レンタカーがないとシンドイ!という話をよく聞いていたのでなかなか手が出せなかったWOA。蓋を開けてみれば…、レンタカーも国際免許も無くても余裕でいけます。Wakenの為に空港からシャトルバス!なんて凄い!
車の免許持ってない!という人も是非トライしてはいかがでしょうか?

ハンブルク国際空港から地下鉄でハンブルク中央駅に行き、Itzehoe(イツェホー)という駅まで行くことも可能です。勿論、イツェホーから会場へのシャトルバスも出てます。
空港からのバスの方が€1〜2安いし乗り換えもないので楽チンでしたが、電車の乗り換えも案外いけますよ。

バスがスタートすると車内BGMはメタル、もちろん周りはメタラー。ヴァッケェェェエエン!!と車内で野太い声が上がる、最高かよ。

時々、バスの窓からW.O.AのTシャツやフラッグをつけた自転車乗りの人達を沢山見た。地元民はこういうこともできるのか…、何年か前にSABATONのVo.ヨアキムが徒歩でWackenに向かったという話を目にしたんだけど、アレ本当だったなら何日かかったんだろうか?

そんな事を考えながらバスに揺られて約一時間。
途中、この数週間前に亡くなったチェスターを偲んでか、車内の音楽がLinkin Parkメドレーと化していた。泣く。
本来なら会場まで一時間半の道のりのところを、Wacken村直前になると大渋滞していてかなり待つ羽目に。皆が車の外に出たりしてのんびり待っている間、その横を颯爽とさっき目にした自転車乗りが追い抜いていく。
村に着く前はWackenまでチャリだなんて…とか思っていたけれど、あれは本当に便利そうだった。通り過ぎる時にもれなく皆がメロイックサインを残していく光景がまた最高である。国も言葉も人種も違うけど、メロイックサインとWackenという言葉だけは共通言語の挨拶みたいだった。

到着予定時刻を一時間以上遅れて目的地であるWackenに到着。

Metal Battle選考枠だったポルトガルのブルデスAnalepsyの出番には、残念ながら間に合わなかった。降りると同じバスに乗っていた日本人の女の人にこんにちはと声をかけられたのがなんだか嬉しかったです、ただ泥と砂利道でキャリーバッグ手で持たなきゃいけないのがシンドすぎた。
そう、安全性重視のクソ重いキャリーバッグはWackenの泥と砂利道の前では抱えて運ぶしかない。ファイトいっぱぁーつ!!よろしく、ヒィヒィ言いながら荷物を運んでいた。もし次回があるなら巨大なバックパックか、軽いケースにしようと汗だくになりながら心に誓う。

いよいよWacken到着、拠点設置といざ会場へ

今回、PRESSという枠での参加のため私達は普通の受付とは違う場所でチェックインしなければならない。Wackenに来たのはもちろん初めてだし、土地的にもWi-Fiが繋がるかどうかさえ微妙らしく持参してないので地図アプリで住所から探索すらできない。タクシーを呼んだものの道に迷われてしまい€40喪失、ガッデム。
大きなフェスにありがちだけど、会場の管理や整備しているスタッフ全員もアルバイトやボランティアが多いので、地元の地理や自分の持ち場以外のことまで把握してないことが多い。知らない〜っていう人も多かったけれど、一生懸命探そうとしてくれたり他の人に聞いてくれたり。そこらへんはWarped Tourでかなり辛い思いをしたので、Wackenを皆で盛り上げていこうという意思が一人一人にちゃんとあるんだなぁって感じられた気がする。

さて、巡り巡ってPRESSのチェックイン完了。

ずっと憧れていた夢の舞台、本当に光栄です。嬉しさの爆発する二人。

IDカード出してフォトパスとリストバンドもらって、あと欲しかったフルメタルバッグも受付時にゲット。買わなきゃいけないのかなと思っていたのでこれは嬉しい。

内容も嬉しい!記念品ばっかり!

女二人できゃあきゃあ喜んでたら、一点だけ使い道にものすごく困るものが出て来たので、帰国して誰かにあげようかな…。苦笑

そこからまた離れたPRESSテントエリアまで歩く歩く…。
人生初のテント組み立て!なんとかできました。。

ちょっと休憩した後はいざインフィールド(会場エリア)へ

PRESSのテントエリアからは会場まで直通のシャトルバスが出ています。
だいたい30分に1本くらい、会場まで約20分ほど。

これがない人たちは毎日広大なテントエリアから歩いて来ていたのか…と思うと、この会場に居た人たち全員が勇者に感じる。そりゃ1日前の昼の時点から皆車で押し寄せて来てテント張るわけですね…。インフィールドに近い場所に寝泊まりしたいもんね。

Wacken Open Airの開催地の全体図はこんな感じ。

牛がいる地域なので、独特な匂いがします。
あとで気づいたけど、私達の寝泊まりしていたテントエリアの真横、柵に仕切られた向こう側には沢山の牛が放牧されていて笑った。

個人的な感想としては、若干大雑把な欧米の風潮と、メタルフェスならではの酔っ払いが多いのでなかなか衛生面は辛いものがあるかも。泥と汚物で結構汚い!私達はPRESSエリアに寝泊まりしていたので、すぐ近くに朝食のテントもあったし(使うことなかったけど)、トイレやシャワーも一般エリアと比較すると整備された綺麗なものだった。

シャトルバスに揺られて約20分、遂にキタ!!

夢のWacken!!憧れの聖地Wacken!!

すっごぉぉぉおおい!!(語彙力)
二人してメインステージの光景に大興奮。

今年はフィールドに草も生え、水はけの良い処置をしたとの情報も。
ちなみに到着日はこのメインエリアは解放されておらず、この時は次の日のトリであるACCEPTのオーケストラがリハーサルをしていた。

Wackenは雨が凄いといろんな人から聞く。行きのバスの中で小雨が降っているところもあったけど、いたってこの時点では地面の状態は平和。足元も今のところ固い土だし。

広いエリアの中には色んな種類のショップが出ていてアチコチ散策したり、オフィシャルのマーチや様々な商品を買ったりできます。
ピアッシングやタトゥーショップがあるのも海外のフェスならではで魅力的。記念にタトゥーを入れていく…なんて日本にはまだなかなか無い文化ですからね。

途中買ったポテトを、友人はお供にビールを補給しつつ、本戦前夜を満喫しました。(肝心のポテトが写っていませんが、うんまいカールフライでした)

私もラインナップの掲載されたTシャツを購入。

大好きな憧れのドイツ産硬派メタルコアHeaven Shall Burnと、愛するニュージャージー州デスコアFit For An Autopsyが今年の決め手だった私ですが、このメンツを見たらもうワクワクが止まりません。

友人はパーカーやお土産のパッチを購入。欲しかったブランケットは売り切れ。どうやら前夜祭や前売りのサイトで人気のグッズはほぼ完売してしまうらしい。一時間近く並んで待ったのに……!!
この日はまだバンドのマーチは販売していませんでした。

出発直前まで仕事して、到着日の日中は乗り物酔いで一旦ダウンしかけた私は日付を超えてしばらくしたあたりで電池切れ。(Wackenは日が長い地域なので21時近くでも夕方のような明るさでした)

テントに戻ると寝袋にくるまり3分もしないうちに爆睡していたそうな…。

--- 続く ---


私、Marinaの今後の取材や活動費、または各バンドのサポート費用に充てさせていただきます。よろしくお願いいたします!