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ウザク本赤の答えは本当に正しいのか?

最近ふとウザク本を読み返してるとちょくちょく引っかかる問題があったので、麻雀AI モータルやNAGAを使って色々確かめてみようと思いついた。
この何切る本は強者4人の答えが一致した、答えのある何切る本という事になっているけどそれでも絶対じゃないし、もちろんAIも絶対じゃない。
だからこそ色々考えてみようと思う。

先に言っておくとこのnoteは別に批判的な意図は一切なく、純粋な麻雀への興味から自身の勉強という意味合いが強いです。
内容もこの本を持っている人向けになっているので皆さん是非買いましょう。

またAIに関しては、平面何切ると言うことで適当に字牌並べた河を作った疑似平面なので参考程度に。
少し河を弄ると評価値が前後したりもありますが、その上で大体どの問題も同じ河にすることでなるべく公平になるようにはしています。
河でぶれはしますが、それでも人間よりはよっぽど確かな判断を下してくれると思います。
使用AIはMortal4.0とNAGAニシキ(基本)とカガシ(副露タイプ)。


Q34

東1 東家 8巡目

AIを使って色々検討と言いながらいきなりこの問題は少し性質が違う。
というのも自分が気になったのは、答えが7mになるのは分かるんだけど、だとしたら8巡目設定はちょっと微妙じゃないか…?というところ。
147p引いたときに中とのシャボで7mより9mの方が強いから7mを切る、という問題にしたい意図は伝わってくるが、もう立直飛んできそうな8巡目だと9mの方が候補に上がりそうだなと思う。
面前だけじゃなく、中鳴いて対子落としになる可能性もだいぶ高そうだし。
ただこうなると平面何切るで御法度とされる「場況次第」という話になってしまう。
AIで検討するにしても河次第になり牌効率とかの話ではなくなってしまうため、細かいAI検討の画像などは無しで。

とりあえず河全部字牌(もちろん中は生牌)と足りない分19牌にしてモータルにかけたら推奨値7m(58)、9m(41)とこの時点でもう僅差になってしまった。
更に河の牌を2枚中張牌に変えたら数値が逆転して7m(40)、9m(60)ぐらいに。
これが実践での普通の河なら、AI的には安全度を考慮して圧倒的9m優位になりそう。
なので7m9mどっちが正解というより河を見てそういう考えができれば良いんじゃないかなと言うことで!
また当然巡目が早いほど7mに傾くので、最初に疑問に思った通り8巡目という今にも立直飛んでくる巡目設定がややこしくしてるかなーと言った印象。


Q42

東1 東家 7巡目

3p切ればタンヤオ崩れの1p引いても1s引いてもピンフドラ3。
ピンフにならない2s3s5s6sでも14pの良い待ちで高めタンヤオに取れるし答え3pかなーと思ったら本書の答えは5s。
理由は鳴いてタンヤオドラ3が見えるから鳴き効率とのこと。
以下AIチェック。

モータル
ニシキ(カガシ)

モータルは東発と言うこともあってかかなり面前を見てやはり3p、ギリ3sぐらい。
一方NAGAは本書と同じく鳴きを意識して5s優位。カガシ(左のグレーのバー)は鳴き麻雀AIらしく圧倒的5s推奨。

ということで本書通り鳴きを見るなら5s面前意識なら3pというバランスでこのどちらかが選べていれば良いような気がする。
そこに東発3p派だけど南1の平たい場はこの手をリーチして跳満倍満にするよりも鳴いて少しでも早く満貫を上がりに行く5sにしようとか、場況に寄せていけば良さそう。


Q43

東1 東家 6巡目

初めて読んだ当時から疑問に思っていた問題。
今見返しても分かりやすい完全一向聴に取る4s、上のQ42の5sに当たる6s(1個ずれてるだけで形が一緒)、そしてドラだけど使いづらいで7p、どれ切っても良いんじゃないか?となりチェック。
本書の答えは7p。

モータル
ニシキ(カガシ)

モータルは6s>7p>4s、ニシキは7p>4s>6sという順番になり、推奨値やバー伸び的にどれ切っても悪手じゃない好みの範囲という判断。
ちなみにモータル4.0は推奨値がかなり極端で自分の答え以外認めない!みたいなタイプ。NAGAでは悪手基準が5%以下だけどモータル4.0の場合その基準が1%まで引き下げられる感じ。
要は1%でもあれば悪手じゃない判断で、41,34,24で競ってるのは本当に好みでどれでも良いということ。

検討した結果やはりこの3択ならどれでも良さそうで、メリットデメリットが分かってればどれも正解だと思う。
本書の趣旨は一択何切るということだが、少なくとも7p一択ではないと思う。

ちなみに3s対子が2sになっているQ44はモータルニシキともに6s>7pだった。(4sはもちろん無し)


Q55

東1 西家 7巡目

7mが浮いててここからターツも作りづらい。
8sは残しておくと6s引いあと変化が多く場況によって柔軟に対応できそう。9sは確かにあまり嬉しくないが、一番可能性の低いドラ表3p縦以外はそこまで悪くない。
4p引きなら役あり5200、他は大体両面リーチドラ1になる。
が、本書の答えは8s切りで7mを使って愚形解消の余地を残すとのこと。
9s引いても嬉しくないとのことだがそれなら9mも要らないし、9m要らないならなおのことターツ作りづらい。
8s切り6s引きだと亜両面36sか47sにしかならないが、8sがあれば258s369s両方残るし、ドラ4p縦にも対応できる。
ということでAIチェック。

モータル
ニシキ(カガシ)

モータルは7m一択でNAGAはギリ悪手じゃないくらいだけど圧倒的7m。
流石にこれは平面ならほぼ7m一択じゃないかなーと思う。


Q275

東1 西家 4巡目

赤5sがダブドラで絶対手放せない手牌構成になっていて、何選んでもスッキリしない感じ。
最悪567の三色仕掛けも効き一番分かりやすいかな?と7mを選択。
本書の答えは3mでターツ払い、7mは中途半端と書いてあったが、ここで超ネックなカン6s残して強い両面の23m払うのはやりすぎな気もする。

モータル
ニシキ(カガシ)

モータルは7m一択
ニシキは7m推奨、次点で8s、3mも思いの外ありらしい
カガシはやはり567鳴き仕掛けを強く見てか7m一択

3択のニシキでもほぼ7m押しなのでやはり7mがバランス良さそうに思える。
少なくとも本書の解説に書いてある7mが中途半端な一手と言うことは無さそう。


Q285

東1 東家 4巡目

一見3pに手がかかりそうだけどそれ以上に8mが要らない。
3pは4p二度受けと1p引きでのタンヤオ崩れを拒否する打ち方だけど、結局69s受けもまだ残ってるしタンヤオが確定するわけでもない。
マンズこのままだと257mの両面カンチャンと6m縦の受け入れがあるけど、1枚引いたときにターツが残って余剰牌が出てしまう。
2m引いたら68mターツ要らない、5m引いたら一盃口で3m8m要らない、6m縦引きなら4m8m要らない。
唯一良さげな7m引いても34m56p78sでターツ選択を迫られて面倒。(これなら基本タンヤオ見て78sだろうけど。)

4p引いて三面張ができたら6mはヘッドとして必要なのでやはり8mが要らなそう。
本書の答えは3pで、解説にごちゃついたマンズをそのまま残せてメンタンピンイーペーが最高形と書いてある。
ただマンズは上述の通り、7枚使ってしまってるせいで1枚引いたときに不要牌が2枚出てしまうので、ごちゃついてるから良いわけでもない。
あとメンタンピンイーペーに8mは要らない。

モータル
ニシキ(カガシ)

どちらも8m大推奨で、悪手ではないが次点で3pぐらい。
やっぱり基本は8m打ってマンズ整理することになりそう。
やってはいけないのは変に両面カンチャンを意識して6m切ることですね。


Q295

東1 西家 7巡目

5m5pは赤受けで切れないので自分は7sツモ切りたい。
5sからだとヘッド固定しちゃうのでダメだけど、7m7pもしくは23s縦引きの場合は遠いが567三色も残る。
個人的にはこの真ん中に寄った手を縦系の手としては見てなかったが、解説では対子系の手を見て6m6p6sの三択で、暗刻スジの5m固定して打6mとのこと。
AIにも暗刻スジの概念があるのかどうか気になるところ。

モータル
ニシキ(カガシ)

ヘッド固定推奨の解説とは裏腹に、AIは両面固定推奨という結果だった。
そうなると赤考慮でやはり7sが一番手といった感じか。
もちろん両面固定だと一向聴時に余剰牌が出る可能性がある(本書ではそれを考慮してヘッド固定)が、それでもこの手は現時点で受け入れマックスに構えたほうが良いという判断だと思う。自分もそっち派。


まとめ


最終的にこのnoteで取り上げたのはこの7問になったが、これどっちでもよくね?みたいなのをAIにかけてみると、案の定どっちでもいい選択もかなり多かった。
(キリがないのと自分の答えとさほどズレてなかったのでこのnoteでは取り扱わないが。)
何切るの大変なところは、難しくすればするほど一択じゃなくなるところだと思う。

ウザク本のテーマは、強者で答えが一致した一択何切るだが、この本自体かなり難易度が高くて、雀魂で言う雀聖ぐらいならあんまり理解できてなくてもなんら不思議ではないレベルだと思ってる。
そのぐらいの問題を300も取り扱うと流石にどっちでもいいとか、平面何切るだけど場況次第みたいな問題がいくつか出てくるなーといった印象。

でも改めて読むと本当によくできた何切る本で、麻雀学習において必須とも言える名著だと思うので、まだ持ってない方はこれを機にぜひ手にとって見てほしい。


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