【私の読書記録】嫌いなら呼ぶなよ・綿矢りさ
綿矢りささんは
今まで私にとって
“気にはなるけど、なんだか打ち解けられない。“
↑みたいな立ち位置の作家さんだった。
本屋さんに新刊が並べば目が留まるし、
“蹴りたい背中“や“私をくいとめて“など数冊は読了してたが
正直そこまでドストライク!ていう感じではなかった。
この“嫌いなら呼ぶなよ“を手に取ったのも
正直
装丁が好み。
サイン本だった。
っていうめちゃくちゃに不純な理由でしかない。
(だってこんな地方で綿矢さんのサイン本が売られていることなんて本当にめずらしかったから😭)
ただ読了した今の私の感想は
「綿矢先生大好きです!もう一生ついていきます🙇♀️」
くらいになるほど
この作品は私にはドストライクだった。
内容としては
4つの短編が収録されており、
それぞれ
世の中の一般的な価値観VSその反対の存在
的な内容を、個性的な登場人物達がさらに彩りを加えていた。
30歳目前に差し掛かってくると
周りの友達の生活の変化だったり、
未来の自分への漠然とした不安とか
昔は目にも留まらなかったほんのちょっとした事で
気持ちがずやぁ〜んとなってしまうことが増えてきたように思う。
しかし、
外に出れば笑顔で明るく
悩みなんてこれっぽっちもありません⭐️
毎日幸せ!HAPPYLIFE!最高ー!
みたいに取り繕っているのだが
実際問題お腹の中を割ってみたら
グレーやネイビーみたいに結構暗めの色の渦が
ぐるぐる渦巻いちゃってる時もあるのよね。
それってただ何となく
普段の生活を波風立てずに生きていく分には
やっぱりどうしても必要なスキルだったりするんだと思うけど、
それをどんどん繰り返していく事によって
自分自身を余計に見失わせちゃう事にもつながっていくる様にも感じている。
“嫌いなら呼ぶなよ“では
アンチに叩かれる側の人たちは
いい意味でも悪い意味でも
自分の中にブレない軸的なものがしっかりあって、
それを見つけたり表に表せた瞬間に
生きやすい世の中の断片を少し垣間見えたようにも感じた。
あとは
人それぞれ、個性とか生き方とか
いろんなことを受け入れれるくらい
ひとりひとりの心が穏やかに過ごせてたら
世の中めちゃくちゃ平和なんだろうな。とも思った。
(まあその内容とかにももちろんよるし、世の中不安定だもんね〜。)
とりあえず
世の中のあらゆるところに潜んでる
渦巻いちゃってるちょっとした闇の取り入れ方と
ぐちゃぐちゃになっていくその様。
そしてスパンッととした切り替わり方が気持ち良く
私の好みすぎた1冊でした。
また好きな作家さんがひとり増えて嬉しくなったコロナ隔離最終日でしたとさ。